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ユーモアと冷静さと、あふれる人間味が素敵-『そういうふうにできている』

つわりで冴えない生活だけど、1年の最後の日は明るい気持ちで過ごしたいなと思い、さくらももこ先生の『そういうふうにできている』を読みました。
ももこ先生の妊娠から出産までのことが綴られたエッセイです。

便秘のエピソードがまるまる1章あったり、帝王切開+盲腸の手術の経過がこと細かに書かれていたり…そこまで公開しちゃって大丈夫なんですか!?とつっこみたくなるくらい刺激的でした(笑)

帝王切開への不安から創作に向かう気力が全くなくなってしまって仕事をお休みしたり、産後にいきなり粉瘤になってしまって治療に悶絶したり…1つひとつはとっても大変そうなエピソードなのですが、ユーモアたっぷりの文章でまとめてくださっていました。
痛みでもなんでも、一度経験すれば冷静でいられることがよくある…と書かれていてなんだか勇気が出ました。いろいろ体験することは無駄なことじゃないんだなあ。

ももこ先生の子どもに対する、愛情のある俯瞰的な考え方も心に響きました。

子供は私のお腹の中にいた。そして私のお腹から出てきた。我が子である事は間違いない。だが、 ”私のもの” ではない。この子は私ではなく、私とは別の一個体なのだ。これから先、この子は私とは全く別の自分の人生を歩んでゆく。私のお腹は、地球に肉体をもって生まれてくるための通路にすぎない。お腹が切られたとき、この子が地上に降り立つための扉が開いただけだ。彼は私の分身ではなく、彼以外の何者でもない。

『そういうふうにできている』p146より

私が子どもを欲しいと思った理由は、自分の幸せのためでした。子どもがいたら、これまでに想像もしなかったような喜びや希望が(同時に苦労も、ですが)私の人生にもたらされるに違いない、と…妊活をはじめるきっかけや妊活のゴールとしては、そういう気持ちでも良いんじゃないかなと思っています。

でも、子どもと一緒に過ごす人生のスタート地点に立った今は、世界は自分中心に回っているわけではないんだという冷静さが必要だと感じています。
子どもは自分の所有物ではないのだから。
子どもがこの世で幸せを感じられるように、1人の人間として自信を持って生きていけるように応援したい。その子の感性に対して尊敬の念を抱き、対等に向き合っていけるような私でありたい。

かわいすぎ…♡

人間味にあふれている人っていいなあ、素敵だなあ。生きていれば綺麗ごとばかりじゃなくて辛くなるときもあるけど、そういうことも後で笑い飛ばせるくらいになりたい。人間味のある生き方ってこんなに魅力的なんだということを理解して、楽しめるようになりたいなあ。
と、いうのが読後の感想です。
数年前の私なら、この本を読んで「妊娠出産ってしんどいし痛いし、育児が始まったら眠れないし大変なんだ…」としか思えなかったかもしれません。
私なりにいろんな経験を積んで、少しは丸く、人間味のある人になれたのかな?
そうだと嬉しいです。

***

つわりは日に日によくなっていっている気がします!!本を読んでnoteを書いて、好きなことをしていたら気分転換できました。

いつも読んでくださり、ありがとうございます。
皆さまも良いお年をお迎えください。

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