記事一覧
NDLデジコレ所収の中世史研究工具書ほか
※2023.9.12「北条九代記」(『史籍集覧』)を追加。
個人的関心に基づき選定しているため網羅性はない。
工具書●細川重男『後期鎌倉政権における家格秩序の形成と得宗専制体制』(細川氏の博士論文。のち細川『鎌倉政権得宗専制論』吉川弘文館、2000)
・「鎌倉政権上級職員表〔基礎表〕」
・「寄合関係基本史料」
●石井良助『中世武家不動産訴訟法の研究』弘文堂書房、1938
●佐藤進一『鎌倉幕府訴訟
授業準備に役立つサイトの紹介
古地図国土地理院 古地図コレクション
国土地理院所蔵の古地図を閲覧可能。
国際日本文化研究センター 所蔵地図データベース
所蔵地図画像を高画質で閲覧可能。
文字資料国立国会図書館デジタルコレクション
今年の大型アップデートで利便性が超強化された。
たとえば『人事興信録』(当時の名士の家族構成・住所・職業などが載ってる個人情報の塊)がフルテキスト検索できるようになったことで、人物史の調査が
共通テスト2023の撰銭令の問題について
共通テスト2023年の撰銭令に関する史料問題の正答率が極端に低かったらしい。史学科出身者は「書いてある通りのことしか聞いてないじゃん」と思い、受験生(と一部業界人)は「そんなこと書いてないじゃん」「知識ゲーじゃないか」と思ってしまう、このギャップは何故生まれるのか。今後の史料問題対策を考える意味でも、簡単に整理してみよう。
史料文の確認
問題文中で提示された史料1・2の典拠を確認しよう。史料1
【補講③】近代の経済の概観
三谷太一郎『日本の近代とは何であったか―問題史的考察』(岩波新書、2017)という新書があります。本書の整理によりつつ、近代の政治を整理・区分してみましょう。
経済史の整理
①自立的資本主義
不平等条約下で関税自主権を欠いた日本は、外資に依存せずに資本主義化を進めていくしかありませんでした。そのために行ったのが、
・国家主導の先進技術の導入(官営工場の設立)
・安定的な租税制度の導入(地租改
【補講④】戦後の産業の概観
戦後の産業を第一次産業・第二次産業・第三次産業に区分して整理しましょう。
①第一次産業
農業部門では、占領期の農地改革とともに、1942年制定の食糧管理法(米・麦など主要食糧を政府が生産者から直接買い上げ、消費者に配給する)が重要で、同法により生産者米価(政府の買い上げ価格)は公定されました。高度成長期に入ると、都市労働者の賃金上昇に対して生産者米価が停滞したため、米価引き上げ要求が農家から出
【補講②】近代の政治の概観
三谷太一郎『日本の近代とは何であったか―問題史的考察』(岩波新書、2017)という新書があります。本書の整理によりつつ、近代の政治を整理・区分してみましょう。
政治史の整理
①藩閥
新政府の権力を掌握したのは、薩長を中心とする戊辰戦争で活躍した雄藩でした。彼ら藩閥に対して、権力から疎外された板垣退助(明治六年の政変)や大隈重信(明治十四年の政変)らは、自由民権運動を展開して権力への再接近を試