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【詩】

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心に浮かんだまま書き殴られたものたち。
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#エッセイ

【現代詩】光陰矢の如し

【現代詩】光陰矢の如し

俺が潰れてから一年が経った
一年前の昨日、俺は潰れた。
前日に過呼吸を二度
翌朝身体は動かなかった

今年の昨日は相変わらず不調である
酒場で常連と酒を交えて語り合った
ひとつ酒場で詩を詠んで褒められた

昨日の悪夢の夢占い
己の身を束縛するなにか
己の身が解放される暗示
己自身掲げる自己顕示欲

全て合点がいく
占いと言えど馬鹿にゃァ出来ないね
田畑に霜が降りる睦月の終わり際に
太陽が氷柱を溶か

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serotonin

serotonin

君たちの価値ってのは
君たちの実力とは全く関係ないってこと
いつだって君たちの価値は他人が決めるものだから
わざわざ自分で自分の価値を決める必要はない

朝陽は心に優しい
分泌される何かが病気の抑制に繋がる
確たる証拠も無いらしいけれど
この暖かさは冷えた心に優しいよ

後ろ向きのままじゃ生きてはゆけないから
自傷?他傷?おおいにやりゃいいのさ
譲れないものを掴むまでもがき苦しむもんさ

人生楽な

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「解体」

「解体」

昨日の早朝
蛍光灯が三本の内一本しか灯かなくて
一式分解してみた
けれど結局部品が壊れていて
相変わらず蛍光灯は一本しか灯らない
これは業者にお願いして
より精密に分解してもらおう

ここ数日で
車の右側のスピーカーが鳴らなくて
音楽が命の私にはとても不快で
工具を買ってきて解体して
直してあげようと思っている
十万キロメートル以上走ってくれている
可愛い愛車だから
少しでも長く、気持ち良く乗って

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「一方通行」

「一方通行」

人生は一方通行
過去に戻る事は出来ない
未来に向けて唯進むのみ

それは承知
その上でどの道を進む?

世間一般が決めた安定の道か?
己が進みたいと願う茨の道か?

母親は身体と心を休める事に否定的だ
何故?
貴方と違って私は時給制じゃないんで
銭に傷つけず回復の為に休んでるんで
腕に赤線を幾つも刻み追い詰められて
それでも尚傷を深め休まず動けと言う
その感覚が理解できねぇ
そもそもな
根性論で解

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「警報」-素面ver.-

「警報」-素面ver.-

昨晩語りたいことは沢山あった
憧れのお洒落で面白いお兄さんと
対面で飲んで話を聞いてもらって
すごく楽しいひとときだったんだ

昨日は千鳥足もいいところで
警報機が鳴った時
立っていられなかったほどだ

周囲の目なんて気にならない
歌いながら帰る俺を追い抜く人
どんな気持ちだったのだろうね

腕を切ったり掻き毟る癖
感情が振り切れる瞬間なのかな
なんてことを思ってみたり

昔ながらの警報機のように

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鬼面と月曜日

鬼面と月曜日

仕事が始まるけれど
行きたくない訳では無い

一週間が始まるけれど
面倒臭い訳では無い

ならばどうして
涙が瞼を覆うのでしょう

淹れたての珈琲牛乳
二本目の紙巻煙草
とめどなく伝う涙

か細い電灯が窓に顔を映す
その表情はさながら鬼の如し
どうして私はこんな顔をしているの?
どうして私の腹はまた捻れるように痛むの?

原因不明の憂鬱
仕事が嫌なのでは無い
死にたい訳でも無い
だが表情は鬼の面

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「鳥肌」

「鳥肌」

寒い時
ぞっとする話を聞いた時
皮膚の表面に鳥肌が立ちますよね

私も勿論そうなのですが
素敵な音楽が心を響かせた時
全身に鳥肌が立つのです

昨日朋輩に聞いてみました
-音楽聴いてて、鳥肌立つことってある?
「いや、俺は無いなぁ……。」

当たり前だと常に思ってたことが
当たり前では無かったのに驚いた

音楽で鳥肌が立つ時は様々で、
新譜を聴いて「好き!」と感じたら起こるし
何十回も聴いた曲でも

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「痛」

「痛」

薄汚れた窓から朝陽が私を照らす
七十度の酒よりも強く感じる珈琲
脳天ドグラドグラ心マグラマグラ

足はふらつき首が痛む
変な姿勢で眠ったのだろう
酩酊のような心地で珈琲を啜る
二本目の煙草に火を点ける

たった一日で一ヶ月が砕け散った
取り敢えず一日時間を頂いた
焼けた左腕の痛み
今更かよ
分かり切っていたけれど
矢張り息を吸って心の臓を動かす事は
相応の力が必要であり
血が流れている自覚が無いと

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黒雲と救いの言葉

黒雲と救いの言葉

再び湧き上がる黒雲
一滴ずつ墨液が垂れるが如く
心に黒い虹が架かる

その中で私に救いの光となった言葉
大学時代の恩師の言葉

それはできものと違って目に見えないから
休むことはさぼることとは違う
自分が健康であることで
教え子が健やかに育ってゆく
だから、自分を一番大切にしなさい。

突然の連絡にも関わらず
お電話にて直接お話して下さった先生
この上なく嬉しくて震えた

私が初めて産み落とした創

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【入浴日記】時計

【入浴日記】時計

飯の仕込みを終えて
食事を終えて
昼寝を終えて
夕暮れに起きた

具合はすっかり良くなって
元旦に行けなかった初詣に行こうと
いつもの神社へてくてく歩いた

少し前、親父に腕時計を貰った
俺は腕時計が好きじゃない
時間に縛られてしまう気がして
何かに縛られている気になって
仕事でも腕時計はしない

誰かが決めて、誰かが言った
腕時計で身の程が測れるなんて
クソ喰らえ下らねぇって思ってる
現代、時間

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いつもと違う日の出

いつもと違う日の出

浅い眠りから覚めたのは六時半
外は薄明るく、日の出の時刻
だけど家は立地上、太陽は見えない

食器を洗って、珈琲を注ぐ
紙煙草を咥え、珈琲を啜る

年が変わって初めての日の出
この場所で見たかった日の出
煙草咥え迎えたかった日の出
叶いましたよ、なんとかね。

この場所での太陽は
私に元気をくれる気がする
毎朝珈琲を飲んで
紫煙を吐きながら
眺める絶景だけど
元旦は何か見え方が違うね
相変わらず素

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「頂上」

「頂上」

カーテンを開けろ
南向きの窓から微かに見える景色
こんな贅沢なもんを
見捨てるなんて無粋じゃ無粋

諦める弱さ
諦められない弱さ
いずれ同じ弱さなら
全て見せてやる

晴れの日は毎朝
こんな絶景を見られる
家賃がこの価格帯ならば
間違いなくNo.1だと信じている

身の程知らずの目標さ
無茶な目標さ
だけど決めたのさ
結果だと

起きた時は真っ暗で
ラジオ体操と筋トレを終えると
朝陽が徐々に昇るん

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「ハイカイ」

「ハイカイ」

五時より少し前に目が覚めた
書きかけの小説を書き進めた
そこで私の燃料は尽きてしまった

交差する生き方に時花と重ねて
諦めたその唄に何を宿す?

久々に近所の沼へ散歩に行った
街道沿いで張っていたら
沼の名を持つ友人が
笑顔で手を振って出勤して行った
頑張れよ、とエールを投げ返した

泣き叫ぶことしかできなくなって
僕は心に何を描き生きればいい?

沼の畔には
今日も鳥達が集う
人慣れしていて

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蕎麦を茹でるひとときに

蕎麦を茹でるひとときに

振り返りをしよう
授業でも、課題に対する振り返りは
とっても大事だからね。

昨日のBARでの会話

自分が一番乗りで、
二番目に来たお客さんは初めて見る顔
とても顔色が悪く、疲れ切っている
そんな印象だった
話を聞いていくと
仕事での過労が祟り
胃と十二指腸を悪くしたそうだ
私は代わりにお酌をさせてもらった
「無理は、しないで下さいね。」
と、若造の精一杯のエールと共に

その後は、常連の女性が

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