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ひとつなるもの すべてなるもの

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ひみの連載ストーリー
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2021年4月の記事一覧

第3話 顕れ

第3話 顕れ



↑連載 第0話からはバナーを押してね↑

 その年の年末は穏やかだった。
ちょうど一年前、クリスマス翌日に死の宣告を受けたことのほうが夢だったかのように、それまであたりまえだと思っていた毎年と変わらない家族の団らんがあった。
 退院からのこの半年の間には、公園に行けないあきらのために友達が家に遊びに来ることもあったし、学校の宿泊行事も先生方の協力のおかげで参加することもできた。そしてまた家族三

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第2話 細胞の想い

第2話 細胞の想い

退院してからもしばらくは、日常生活をまた新しく構築していくのに試行錯誤した。
小学校に復帰したとはいえ毎週のように通院もあったし、そもそも当面は車椅子となったので登下校の送り迎えも必要だった。
お風呂の介助から歯磨きの支度まで、ひとつひとつ工夫しながら最適解を探していった。

 私自身の心の傷も未だ生々しく、親として守ってあげられなかったこと、代わってあげられなかったことへの自責や、この子の将来に

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第1話 今、ここ

第1話 今、ここ

 ある年の4月、あきらの中学校の入学式で私はその人に会った。
式典に先行して挨拶をしにきてくれた彼は、あきらのクラスの担任であり、
同時に、のちに私の魂の片割れ、ツインレイであることが判明するスサナル先生。
(語感はよくないが、スサノオのエネルギーを感じたのでここではこの名前にする)
なぜか会って一瞬で心の奥の方をぼんやりと掴まれてしまった、そんな感覚があった。

 実は当時の私にはすでに、ツイン

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第0話 ひとつなるもの すべてなるもの

第0話 ひとつなるもの すべてなるもの

It’s nice to me and you!
初めまして、ひみです。
meetooを見つけていただき、ありがとうございます。

 個人も世界も大きなうねりの中にいるこの時期、どっちを向いたらいいかわからない。
均衡が崩れて、今までと同じやり方だと立ち行かなくなるだろうことはなんとなくわかる。でも、じゃあどうしたらいいのかと言われても、これといった答えが明確にあるわけでもない。
だから漠然と、不

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