霧夢繕楽《きりゆめぜんら》

詩人。 ほぼ毎日、pm6くらいに更新

霧夢繕楽《きりゆめぜんら》

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記事一覧

詩『闇への入り口に立つ無口』

隠されると 触手が 騒ぐのは 人の常。 妖しげな影の 気配に 彷徨う 恋心。 一度 自分の懐で 眠った 貨幣の 行き先。 どんな未来に 身を投じたのか 最盛期を…

詩『意味ある長期化』

争いなら 仲裁より 支援。 削ぐに注力して 未来への 貢献。 思考なら 開店から 残りの展開まで フル回転。 同じフロアで踊る民衆からの 非難を 回避する 微調…

詩『暗い未来 洗い流す 手がかり』

年輪を 重ねても 空気を 薄紅に 塗り替える 花びら。 折り重なる 年月の中で 繰り返し 浴びた 陽光や 雨音。 未来からの風が 運んでくる 変わる余地のある …

詩『救いを求める救いの手』

「平穏」を 過去形で 飾られた 友達。 惨状も 毎日なら 日常。 国境をまたぐ 貨幣。 戦場を 更新しても 戦場。 薄氷の上の 平和の国。 深々と 降り積もる …

詩『選ばれる人間』

静寂に 波をつくる タクト。 聴衆を 丸のみする 旋律。 無から 音を つくり出す マグマ。 指揮者が 命を授ける 色調。 土によって 装いを変える 紫陽花のよ…

詩『世界を滅ぼす英雄』

東の空が 太陽を 投げてから 西の空が 受け取るまで。 世界中の 凹凸を すべて 平らにできる力が 備わったら。 人工と 生物を 無へと 返すなら 「再生」 と…

詩『キャスト 人間』

他人に 最期を 手渡して 奪われた 自由。 飢えに弄ばれた 大蛇のように 絡みつく 拘束。 頭の中で 何を考えてもいいことが 自由なら 私は自由。 見上げれば …

詩『旅行か 旅行じゃないか』

帰ってからの 倦怠を 秘めながら 屈託のない笑顔にやられ また 旅行記の中。 楽しみにしていた本の 新しいページを 空気にさらすような、 私をも追い抜く 高揚感…

詩『他人の評価の食べ時』

次々に 心奪われ 関心の 入り口。 噂に揺れる 創作の下 果実をつける 他人の声。 夜空を舞う 白鳥にも 引けを取らない 作品を彩る 装飾。 月明りに 育まれ …

詩『渋滞のないベビーカー』

梅の香の 雨音にも 負けそうな 子供の声。 目や耳が 受け取る、 言葉に着替えた 電気信号。 今は まだ 理想郷。 取り残された 現在。 タイムリープものが 埋…

詩『ひとを笑わせる仕事』

奪いに行く 笑い声。 空が 急に 泣き出しても 地球の底力に 地面が 歪んでも。 ひとを 笑わせる仕事。 繋ぐ手が 昨日 離れても 好きな人の声が さっき 二度…

詩『国をつくった』

出来損ないの国。 数字を付けて 歴史にした 疾風。 空を真似して 散りばめた 自由。 野放しにして 芽生えた迷惑に 春の面影。 サバンナを 反面にしてつくった …

詩『臨戦の下ごしらえ』

暗闇に 光を連れてくる 火花。 夜と一緒に 写真を撮るときのよう。 天寿を全うする前に 荒野に飛び散る 花びら。 文明が 鎖を外した 選択肢。 昔 頭から着せら…

詩『見えないものは見えるのか』

知ってる世界なんて ひと握り。 ネットに 波乗りして 無限に飲み込まれるまでの時間は 炭酸の気泡が 一生を終えるまでと 同じくらい。 この世界に 影をつくらない…

詩『誰かの育休』

吹いてきた風の中 立てる 聞き耳。 髪を 荒らしながら 囁く噂めているらしい。 夜空を 光で塗りたくるような都会から 離れているからだろうか。 勤労を 産声に捧…

詩『涼しげに割れる炎』

赤くて 透明な ガラスの炎。 風に 揺らめき 涼しさを 奏でる。 ここまでの 屋根の下も これまでの 足跡も きちんと 人数分。 心が 手に取った画材で 描き上…

詩『闇への入り口に立つ無口』

隠されると

触手が

騒ぐのは

人の常。

妖しげな影の

気配に

彷徨う

恋心。

一度

自分の懐で

眠った

貨幣の

行き先。

どんな未来に

身を投じたのか

最盛期を迎える

民衆の関心。

恋の

揺らぎも

祭り事への

不信も

観客席は

赤いままの

サーモグラフィ。

肥大化する

想像。

未確認の

悪行。

言葉を

血肉にした

実体を持たぬまま

肌寒

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詩『意味ある長期化』

争いなら

仲裁より

支援。

削ぐに注力して

未来への

貢献。

思考なら

開店から

残りの展開まで

フル回転。

同じフロアで踊る民衆からの

非難を

回避する

微調整。

潤うなら

平和を願う曲でも

息の根を止める果実でも

同じこと。

票の行方に

触れて

擬態する

意見。

どんな絵が

飾られて

終わりを

迎えるのか

迎えないのか。

青と黄が

生い茂

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詩『暗い未来 洗い流す 手がかり』

年輪を

重ねても

空気を

薄紅に

塗り替える

花びら。

折り重なる

年月の中で

繰り返し

浴びた

陽光や

雨音。

未来からの風が

運んでくる

変わる余地のある

暗雲。

若い根から

青空へと伸びる

鮮やかな

希望。

自由を

尊重しつつ

若いときに

斜面に植える

苗木。

生まれた季節の花に

再会すること

20回ほど。

自分たちも

支えてくれる

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詩『救いを求める救いの手』

「平穏」を

過去形で

飾られた

友達。

惨状も

毎日なら

日常。

国境をまたぐ

貨幣。

戦場を

更新しても

戦場。

薄氷の上の

平和の国。

深々と

降り積もる

送金。

疲労の

蓄積する

支援。

自分の生活に

群がる

焦点。

環境の

病状など

後回し。

また

疎かになる

未来。

花が告げる

不整脈な

季節。

大病を

手招く

「今がよ

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詩『選ばれる人間』

静寂に

波をつくる

タクト。

聴衆を

丸のみする

旋律。

無から

音を

つくり出す

マグマ。

指揮者が

命を授ける

色調。

土によって

装いを変える

紫陽花のよう。

指揮台を

狙い

暗闇に

浮遊する

眼光。

望むのは

ひとつきりの

席か

まだ聞こえぬ

高みか。

誰のための

音楽かは

霧の中。

完成のない未来を

完成へ

近づける

試み。

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詩『世界を滅ぼす英雄』

東の空が

太陽を

投げてから

西の空が

受け取るまで。

世界中の

凹凸を

すべて

平らにできる力が

備わったら。

人工と

生物を

無へと

返すなら

「再生」

という名前に

すべてを

背負わせた、

悪魔には

一目置かれる

善行。

他国を

領土と

勘違いする

王の前。

恐怖の片鱗を

見せつけ

無傷のまま

従属を

欲しいまま。

その姿は

救世

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詩『キャスト 人間』

他人に

最期を

手渡して

奪われた

自由。

飢えに弄ばれた

大蛇のように

絡みつく

拘束。

頭の中で

何を考えてもいいことが

自由なら

私は自由。

見上げれば

草原。

足元にある空が

刻々と変える

空模様。

夢中で頬張る

空想から出れば

他国との争いに

転がり落ちた

この国。

石ころのように

地面に馴染む

味方と呼ばれた

たくさんの国民。

大口

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詩『旅行か 旅行じゃないか』

帰ってからの

倦怠を

秘めながら

屈託のない笑顔にやられ

また

旅行記の中。

楽しみにしていた本の

新しいページを

空気にさらすような、

私をも追い抜く

高揚感。

旅先での

常識は

絶対。

暗闇を引き裂くはずの朝日が

地を這うように

私の前を

歩いても

静寂を

献上して

服従。

目の前の旅路へと

背中を

押したのは

大声。

追いかけてくる銃声から

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詩『他人の評価の食べ時』

次々に

心奪われ

関心の

入り口。

噂に揺れる

創作の下

果実をつける

他人の声。

夜空を舞う

白鳥にも

引けを取らない

作品を彩る

装飾。

月明りに

育まれ

夜空へと

枝葉を伸ばす

好意や

反発。

歓声や

罵声で賑わう

蜃気楼の中の

観衆。

夜の片隅

桃の香の好意に

花開く

安堵。

詩『渋滞のないベビーカー』

梅の香の

雨音にも

負けそうな

子供の声。

目や耳が

受け取る、

言葉に着替えた

電気信号。

今は

まだ

理想郷。

取り残された

現在。

タイムリープものが

埋める

心の隙間。

時代の

先頭の方で

望むもの。

子供の声も

入るなら

全身白で

キメる前に

増やす流れの

舵取り

希望。

詩『ひとを笑わせる仕事』

奪いに行く

笑い声。

空が

急に

泣き出しても

地球の底力に

地面が

歪んでも。

ひとを

笑わせる仕事。

繋ぐ手が

昨日

離れても

好きな人の声が

さっき

二度と聞こえなくなっても。

春風に

手を離した

桜の花びらのように

地面を彩る

たくさんの人。

溺れるほどの

称賛。

たくさんの

相手側の魂を

大きな空に

返したから。

私を見て

あとに続

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詩『国をつくった』

出来損ないの国。

数字を付けて

歴史にした

疾風。

空を真似して

散りばめた

自由。

野放しにして

芽生えた迷惑に

春の面影。

サバンナを

反面にしてつくった

罰則付きの

きまり。

仲良くなれなかった

ゼロ。

まばらになってゆく姿は

朝に触れ始めた

東京の街並み。

私を取り締まる

きまり。

記者が

口から飛ばした

紙ひこうき。

真っ直ぐ飛んで

私に

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詩『臨戦の下ごしらえ』

暗闇に

光を連れてくる

火花。

夜と一緒に

写真を撮るときのよう。

天寿を全うする前に

荒野に飛び散る

花びら。

文明が

鎖を外した

選択肢。



頭から着せられた

無防備。

味方になれば

恋のように

増えてゆく

記念日。

装飾されてゆく

装備。

心温まる言葉が願う

自衛と友情。

虫の音を

手で払い

保つ

夏の平穏。

羽が生えれば

誰もが

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詩『見えないものは見えるのか』

知ってる世界なんて

ひと握り。

ネットに

波乗りして

無限に飲み込まれるまでの時間は

炭酸の気泡が

一生を終えるまでと

同じくらい。

この世界に

影をつくらないものが

瞼の中の

黒い水晶に映るかは

私には

わからない。

口から発しても

影をつくらず

見ることのできない

言葉たち。

光からの誘いを

断るようなものが

見えたのなら

間を取り持ったのは

心だろ

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詩『誰かの育休』

吹いてきた風の中

立てる

聞き耳。

髪を

荒らしながら

囁く噂めているらしい。

夜空を

光で塗りたくるような都会から

離れているからだろうか。

勤労を

産声に捧げた父親との

鉢合わせなんて

まるで

虫の息。

最低限の

少数精鋭。

誰が抜けても

完成しない

パズル。

空想上の

伝えたときの

反応など

夏の夜空に

冬の星座を見つけた

操縦士のよう。

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詩『涼しげに割れる炎』

赤くて

透明な

ガラスの炎。

風に

揺らめき

涼しさを

奏でる。

ここまでの

屋根の下も

これまでの

足跡も

きちんと

人数分。

心が

手に取った画材で

描き上げた

一枚も同じものがない

風景画。

体の

いつかのどこかには

生息することもある

絶縁願望。

お互いに

まだ

燃えたまま。

できることなら

その息で粉々にして

季節の風に

遊び相手と

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