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#小説
吐く息が白くなる季節。背伸びしても、大人になりきれなかった。
僕は1人が好きと言った。
1人の時間がないと死んじゃう。どうせ授業でしか顔を合わさず、単位を取得するためのグループワークで気を遣い、挙げ句の果てにノートを見せろとか言ってくる奴がいるこの空間にもう辟易していた。例のウイルスの流行で授業がオンライン化したときは、学校に行かないだけでこんなに健康的で文化的な生活ができるのかと歓喜した。僕はコロナが収束した大学4年の夏からも、教授に「東京の家を引き払っ
僕が1番楽しみにしているのは、アカデミー賞作品でも、話題の恋愛映画でもなく、
昔から何をやっても中の下か、良くて中の上くらいだった。
親に入らされた少年野球は義務感で通っていたし、
運動会のリレーは出番なんてあるばすのない補欠、もしくは補欠のまた補欠。
がんばってるのに、「がんばろう」ばかりの成績表。
高校は第一志望の公立高校に落ちて、名前だけ書いたような推薦入試で受かった私立に進学した。
友達はいたし、学校はつまらなくはなかったけど、
県大会で名前を残すくらいの、そこそ