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いいタイトルの研究〜シンプルな言葉と余韻と機能美

いいタイトルの研究〜シンプルな言葉と余韻と機能美

記事のタイトルをつけるのは、編集長の仕事だ。

読者のファースト・インプレッションを決めるタイトルは、言うまでもなく重要である。面白そうであれば、読む。つまらなそうであれば、スルーする。タイトルの良し悪しは、そのまま雑誌の売上に直結するからだ。

「タイトルをつける人」すなわち編集長は、その責任を負っている。

タイトルには編集長の編集者としての「美学」が如実に現れる。100人編集長がいれば、10

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あまりに呑気な「官邸主導」のコロナ対応|森功

あまりに呑気な「官邸主導」のコロナ対応|森功

★前回はこちら。
※本連載は第10回です。最初から読む方はこちら。

 官邸に機能を集中させ、迅速かつ大胆に政策を打ち出してきた――。この7年あまり、安倍政権ではそう自慢してきた。そんな一強政権の弊害が端的に現れたのが、桜を見る会騒動だろう。吉田茂首相以来、50年以上の長きにわたって続けられてきた公的行事で、政治利用、公私混同批判が巻き起こった。それは首相の直轄部隊である内閣官房や内閣府の官僚たち

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有斐閣の編集者が新入生におすすめする本:経済学編

有斐閣の編集者が新入生におすすめする本:経済学編

こんにちは、有斐閣書籍編集第2部です。

今年は新学期が例年と違うかたちになっています。そんななかでも新しく学問に興味をもつ方は多いと思います。そこで、各分野を担当する編集部員に「新入生におすすめする本」を尋ねていきたいと思います。

内容は、こんな感じ。

①分野のかんたんな紹介今回は「経済学編」、編集部のハセガワとワタベに話を聞いていきます。

——:経済学ってどういう学問なんですか? 数学を

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『網走の覚書(増補版)』宮本顕治|佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史

『網走の覚書(増補版)』宮本顕治|佐藤優のベストセラーで読む日本の近現代史

闘う野党
政界で安倍晋三首相の一強体制は崩れそうにない。野党で大きな勢力の立憲民主党、国民民主党は、当事者にとっては重要なのであろうが、日本の国家や国民には関係のない小さな権力闘争にエネルギーのほとんどを費やしているとしか筆者には見えない。日本維新の会は、野党と与党の中間の「ゆ党」であると永田町(政界)と霞が関(官界)で見なされている。安倍政権に対して、日本維新の会は是々非々の対応で、政権の補完勢

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有斐閣の編集者が新入生におすすめする本:政治学編

有斐閣の編集者が新入生におすすめする本:政治学編

こんにちは、有斐閣書籍編集第2部です。

前回から続いて、各分野を担当する編集部員に「新入生におすすめする本」をたずねる企画。今回は「政治学編」です。

内容は、今回もこんな感じ。

1.分野のかんたんな紹介
それでは、編集部からイワタとオカヤマに話を聞いていきましょう!

——:政治学って、名前そのままに考えると、政治家とか、政府のやることを研究する学問だと想像できますけど、それで合っていますか

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有斐閣の編集者が新入生におすすめする本:社会学編

有斐閣の編集者が新入生におすすめする本:社会学編

こんにちは、有斐閣書籍編集第二部です。

各分野を担当する編集部員に「新入生におすすめする本」をたずねていく企画(経済学編、政治学編)、今回は「社会学編」です。

内容は、こんな感じ。

1.分野のかんたんな紹介それでは編集部から、シカマに話を聞いていきます。

——:さっそくですけど、社会学ってどんな学問なんでしょう。 身近なようで、よくわからない印象もあるんですが。

シカマ:これ、社会学を勉

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安倍晋三×星野源コラボ動画 「貴族か」批判が見落とす“もうひとつの問題点”|辻田真佐憲

安倍晋三×星野源コラボ動画 「貴族か」批判が見落とす“もうひとつの問題点”|辻田真佐憲

★前回の記事はこちら。 
※本連載は第12回です。最初から読む方はこちら。

 安倍首相の動画がツイッターで炎上した。星野源の「うちで踊ろう」とのコラボ動画がそれだ。首相側が許可を取らずにやったので、勝手にコラボ動画と呼んだほうがいいかもしれない。

 動画では、安倍首相が自宅らしき場所で、愛犬と戯れたり、お茶を飲んだり、読書をしたり、テレビのリモコンを操作したりする。そして星野の音楽を踏まえて、

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D2Cはデータ×ブランディングの「キメラ」──『D2C』#1

D2Cはデータ×ブランディングの「キメラ」──『D2C』#1

D2Cは、単なる「中抜き」ではない――。その本質は「顧客との関係性の変化」にこそある。
「ストーリーテリング」×「テクノロジードリブン」
「ビジネスのルールを書き換える2つの潮流をかけ合わせた、今投資家が最も注目するビジネスモデルの全貌と、立ち上げの具体論とは。『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』の一部を、特別に公開します。

私たちNewsPicksパブリッシングは新たな読

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「愛されるウェブメディアを考える」2/10イベントレポート|岸田奈美×竹下隆一郎×村井弦

「愛されるウェブメディアを考える」2/10イベントレポート|岸田奈美×竹下隆一郎×村井弦

2月10日、文藝春秋digital×noteのトークイベント「愛されるウェブメディアを考える」が、ピースオブケイクのイベントスペースで行われました。

▼作家の岸田奈美さん(@nami_mirairo)
▼ハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎さん(@ryuichirot)
▼文藝春秋digitalの村井弦(@MuraiGen1988)

登壇者は上記3名で、ファシリテーターは、noteディレクターの

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講談師と講談社――神田松之丞さんの慶事を祝す(後篇) 門井慶喜「この東京のかたち」#9

講談師と講談社――神田松之丞さんの慶事を祝す(後篇) 門井慶喜「この東京のかたち」#9

★前回の話はこちら。
※本連載は第9回です。最初から読む方はこちら。

「講談倶楽部」は、苦戦しました。

 野間清治のデビュー作というべき「雄弁」創刊号が6000部を即日完売したことは前述しましたが、そのわずか1年後の「講談倶楽部」はあっぱれ1万部を印刷し、そうして1800部しか売れなかった。

 苦戦というより惨敗でした。しかもその1800部という数字がわかるまでに、当時の流通事情では3か月も

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