上に立つべき人とは

僕は歴代最低の部長でした。

「みんなの理想の先輩になりたかった」全国大会への切符をかけた県大会が終わり、引退ミーティングのはじめに発した言葉がこれ。

僕の住んでいた県で弓道部があるのは高校からでした。と言っても全国的に見て、中学から弓道部がある学校は珍しいです。だから入学当初の弓道部は初心者ばかりで、弓も矢も触ったことのない人の集まりでしかありません。逆に言えば本人の努力次第で十分に全国大会を目指すことができる競技だと思っています。

僕は県内でも毎年注目される高校、いわゆる強豪校の部長でした。毎日誰よりも練習し、教本を繰り返し読み知識をつけ、大会の日には朝の暗い時間から一番乗りで道場に通いました。それが部長としてあるべき姿なんだと思っていたからです。

それが最後に勝てなかった原因だと断言します。

当時は無意識でしたが、今考えると僕は誰よりも余裕がありませんでした。日を増すごとに部長なんだから厳しくしてないと。とか、緊張感がないと。とか、いつも眉間にしわを寄せていました。一人で抱え込んで、問題があれば自分一人だけで解決しようとしていました。何度も言いますがそれがトップに立つ人間として必要だと思ったからです。常にピリピリして、思い通りに活動してくれない部員に一方的に当たったこともあります。

人を殺しそうな眼をしてる。そう言われたこともあります。

ここからは3年間を振り返って、後悔をもとに「こうすればよかった」と思ったことが書いてあります。

【本題】上に立つ人間には心得ていてほしい三つのポイント**

やっと本題に入りますが、三年間の自分と、友人と、ついてきてくれた後輩たち、約40名の努力を無下にした僕が

「上に立つ人間には心得ていてほしい三つのポイント」

を考えてみました。 あなたの部を、会社を、組織をより良いものにする参考になれば幸いです。

ポイント1:一人で抱えるな
部長だから?先輩だから?そんなの関係ない!組織で行動する以上それに属する人の数だけ考え方があります。確かに全体をまとめるのは部長の仕事かもしれないけど、部のことを考えていたのは僕だけじゃないです。なぜあの時相談できなかったのか、後悔しかありません。一人で考えてもわからないものは分からない。アイデアや悩みを共有してもバチは当たりません。

ポイント2:人の話を聞け
条件1でも似たようなことを言っていますがこれが本当に大事だと思います。部の全体のあり方や、状態は見る人によって変わります。男女でも変わりますし、先輩後輩でも変わります。だから僕(部長)一人の主観で順調だと決めつけていたことに本当に呆れます。定期的にミーティングをして話し合いの場を作っていればもっと良い部になったはずなのに、そう思います。もっと後輩の子たちとも話しておけばよかった。

ポイント3:伝統にとらわれるな
最後のポイントです。僕の弓道部は代々の伝統を本当に重視いていました。それはもう一種の宗教並みに。練習メニューの厳しさもその伝統です。確かに伝統は大事です。が、それによって体が追い付かず、防げたケガで弓道をやめてしまった子も居ますし、精神的に病んでしまった子も居ました。去年はこの練習量で全国大会に行けた。だから今年もこの練習をすれば全国に行ける。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。例によって僕の後輩は少ない練習時間の中で工夫したうえ、厳しさよりも協調性を重視し、全国大会上位に入賞しました。素晴らしいです。ですからこれまでのやり方を重視するよりも、これからをどうするかがポイントだと思います。

終わりに

本noteをご覧いただき、本当にありがとうございます。僕自身の体験がもとになっているので、すべてが当てはまるわけではないと思います。ですから一つの例として「なるほどな」と思っていただけると幸いです。部活や会社、友人関係、家庭でも当てはまる部分があるかもしれません。

三年を振り返ると放課後も土日もほぼ毎日、空いている時間は道場にこもりっきりでした。それほど友達と手をマメだらけにしながら的に向かって矢を放つのが純粋に楽しかった。最後は僕が部長で良かったといってくれた友達にあらためて感謝します。

このnoteをみて、ポイント?こんなの当たり前じゃん。そう思ったならそれでいいです。

このnoteを読んでドキッとしたり、こんな失敗はしたくないなと思った方がいるだけでも幸いです。もし今抱え込んでしまっている人はだれかを頼ってもバチは当たりません。(相談されるのは意外とうれしいらしいですよ。)

そしてこのnoteが人や組織の上に立つ誰かの気休めになることを願います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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