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哲学論考

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#賢さ

自己啓発本について(自己啓発本が嫌い)

自己啓発本について(自己啓発本が嫌い)

 自己啓発本を読む目的は何か。それは言ってしまえば、賢くなるためだろう。だがしかし、人が教え込んでそうして伝わるものは、その個人が受け取り吸収できうるものはどれ程だろう。私の自説では50%もないだろう。まあこれは言うまでもなくひどい数字である。
 ではなぜそうなのか。それはまさしく[人の意見]でしかないからである。すなわち、[個人特有の経験や思考とは異なった意見]でしかないからである。してみれば、

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(その4)知性改善論(知的認識と純粋認識について)

(その4)知性改善論(知的認識と純粋認識について)

 我々の認識の内には明らかに「教えられることなく認識できている」認識がある。例えば、「物体の存在」や「自分の認識」や「人間を同種と考えることで彼らと自分の間には普遍性があるという認識」、これらは絶対教えることができないが我々は認識できている。(ちなみに三つ目についてなのだが、実際我々はいちいち他人がどうこうなどいうことは教わらないし、のみならず仮に教えたとしても、または経験したとしてもそれは再確認

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本と知性について。(賢くなりうるのか)

本と知性について。(賢くなりうるのか)

 考えることのできる人、もしくは知識の豊富な人が本を手に取るのは何ゆえになのか。それは好きだからでしかない。対して、受験生が参考書を手に取るのは何ゆえにか。それは狭義で言えば、傾向を掴むためである。では今から起業する人が本を手に取るのは何ゆえにか。それは(受験生の例に似ているのだが)コツを得るためである。このように本を手に取る理由は身分によって変わるのだ。(嫌な言い方だが)
 とすればつまりは、か

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