マガジンのカバー画像

兆しを紡ぐ 随筆集

14
続き物のエッセイとコラム。物語はいつも続いている最中。
運営しているクリエイター

記事一覧

兆し5-2 正しいよりも楽しい方へ

兆し5-2 正しいよりも楽しい方へ

ところで、最近「楽しい事」がいいなあという雰囲気を感じていましてね。真面目で熱く固く重い話、より、明るく軽く楽しい雰囲気がいい。放っておくと自分が熱く固く重い方へ行くものですから余計にそう感じたのかもしれません。春先で疲れが出ていたのかもしれません。

楽しい事、楽しい事。歩き続ける×楽しい事、なんかないかね。

と思い放って半日後。そういえば最近、私の周りで、よく「談志」という言葉を見かけること

もっとみる
兆し5-1 正しいよりも楽しい方へ

兆し5-1 正しいよりも楽しい方へ

朝、散歩に出ることにしました。

ゲーテも立ちながら書いたってんで集中力と健康の維持にスタンディングデスクなんて流行っている昨今ですが、確かに自宅仕事になったとたん、循環が落ちて足などが尋常じゃなくむくんできたり太ってきたり、外で働いていた時どれほどのストレスと運動量が私の体重を維持してくれていたのかを思い知らされたりしましてね。

近所をぐるりと40分ぐらいですかね。ちょうど花の咲き始め、椿、モ

もっとみる
2、夢を伝って入ってくるもの

2、夢を伝って入ってくるもの

夢は、何のために見るのか。なぜ見るのか。これはいまだに、解明されていないことのひとつではなかったかと思う。

世の中に分からないことがまだある、という話を聞くと、ほっとする。分からないことがあるというだけで、自分が取り戻って安心する。

いろんなところの七不思議とか、想像が留まるところを知らないようなでかいわからないは大好きだ。謎は謎のまま解明されなければいいのに、と割と本気で思う。

同時に、解

もっとみる
1、夢で電話が鳴った。

1、夢で電話が鳴った。

電話の映像はなかった。
いきなり頭の中に電話の音だけが鳴り響いて、目が覚めた。

目が覚めたというより、叩き起こされた。

寝起きに聞く音は、たいてい、遠くで鳴っているように聞こえる。しかし、夢と覚醒のあいだに鳴ったこの音は、聴覚器官に直接音を響かせたかのような、はっきりとした、つんざくような音だった。

だがしかし、それは朝の4時台だった。私は何も考えずに二度寝をした。そしたら、また同じように、

もっとみる
兆し4-3 導かれた先で繋がる/圧倒的量とクリエイター1.0ポイント理論

兆し4-3 導かれた先で繋がる/圧倒的量とクリエイター1.0ポイント理論



【あらすじ:noteを書くために動いたところ、行動の中に兆しのようなサインが現れはじめた。今回は、ツイッターで大ファンになった窪乃内英策先生の原画展に行ったら原画が当たった(←兆し)。読み解いた兆しの意味は、noteクリエイター全員の集合意識へメッセージだった。】

※投げ銭方式です。最後まで無料で読めます。

原画に名前を入れてもらい、手渡ししていただく、という工程で、ほんの少し、窪之内先生

もっとみる
兆し4-2 導かれた先で繋がる

兆し4-2 導かれた先で繋がる

窪之内英策さんは漫画家だ。

ツルモク独身寮っていう漫画は
20年以上も前の高校生の頃、友達の間で回し読みして貸してもらった。
面白くて面白くて一気に読んだ。
当時すごく流行った。

窪之内さんという人は、
あれからずっーと、第一線にいるままで
圧倒的な量を描き続けてきた。

それが、
この雑誌に並んだ
絵の光り方をみただけで、わかる。

どの絵からも、
楽しさとか好きさが伝わってくる。

そこだ

もっとみる
兆し4-1 導かれた先で繋がる

兆し4-1 導かれた先で繋がる

noteのための記事をひとつ書いた。
記事に書いた内容に沿って、行動をはじめた。すると、その行動の中に、出来事が現れ始めた。
私はそれを、「アルケミスト」パウロ・コエーリョ著(角川文庫)の中にあるような、noteの神様からの「兆し」と見立て始め、
そして兆しを追い始めた。

noteの神様から、そっと差し出される、
兆しを追う物語 ――――。

という体裁がようやく判明しつつある、この連載。

もっとみる
兆し3 生まれた物語が導かれる

兆し3 生まれた物語が導かれる

――――――――――――――――

1、色に救われる
https://note.mu/mariandtomoco/n/n939549b04142

2、色に救われて物語が生まれるhttps://note.mu/mariandtomoco/n/n6e68f4c06840

――――――――――――――――

新宿伊勢丹で色を堪能した藤田二郎展。

足取りも軽くなったおかげで、せっかくだからと、伊勢丹

もっとみる
兆し2 色に救われて物語が生まれる

兆し2 色に救われて物語が生まれる

色に救われるhttps://note.mu/mariandtomoco/n/n939549b04142
で、一気に細胞が色を吸い込んで春の胎動が始まったと書いた。「色!」と細胞が声を上げたために、情報がぐわっと集まった。その情報を列挙した。

今日、その中の情報のひとつにあげた展覧会に足を運んだ。伊勢丹新宿本店3Fで行われている「FDJ Exhibition デザイナー藤田二郎によるエキシビジョン

もっとみる
兆し1 色に救われる

兆し1 色に救われる

「やばい、もうすぐバーゲンが終わる」1月の終わり、滑り込みで複合施設に入る。洋服が並ぶショップをいくつか見るが、結局、何も買えない。洋服を買うにはある一定のテンションが必要かもしれない。ここのところしばらく冬ごもりをしていて、街もしばらく歩いていなかった。テンションが冬そのものだったから、洋服へ欲求が、そんなに育っていなかった。

それでも、所在ないまま、少しぶらぶらした。すると、何か綺麗な色

もっとみる
夜光貝を磨く

夜光貝を磨く

屋久島の大地の精霊がそのまま人の姿になった、けんちゃん&なおちゃんが東京にやってきた。

会うだけで、私の本来が生き返る。屋久島のシャーマンだ。

会うだけで私が本来に戻るのは、彼らが大地と自然と魂と、本当に誠実に一緒に生きているからだと思う。

初めて屋久島に行った2年前。

屋久島でめったに出ないというサンピラー(太陽柱)が立ったから、一緒にいたメンバーは、チームサンピラーっていう名前を貰った

もっとみる
日本で一番美味しいパウンドケーキの話

日本で一番美味しいパウンドケーキの話

そのパウンドケーキと出会ったのは、
釧路川のカヌーの上だった。

2015年7月。初めての北海道、初めての釧路、初めての川カヌー。

そのカヌーツアーは、友人が企画し、誘ってくれた。とにかく、そのツアーガイドである「がってん」氏に会わせたいという友人の誘いだった。

転職と引越しが多い人生ゆえに、
人生そのものが旅のようだという言い訳で、
旅そのものは、あまりしない。

のだが、このツアーは、話を

もっとみる

外は5月の陽気のまま夜になってた。見上ればおぼろ月。急激にやって来た春風の気持ち良さに体が春と感違いしはじめて、どこまでも歩きたい衝動。こんな日は肌を重ねるのにもぴったりだと思うのですけれど、と伝えたいあの人は仕事中。私も仕事。大人って残念。このまま果てるまで月と歩きたい。

なぜ毎日の定点観測写真を撮るのか?/「わたしという絶対」と「揺れ動くわたし」という視点

なぜ毎日の定点観測写真を撮るのか?/「わたしという絶対」と「揺れ動くわたし」という視点

定点観測の本に感動したのは約20年前です。

それは、いくつかの定点から街の変遷を撮り続けた写真集でした。

動かない定点。
動いていく風景。

積み重なった記録に、圧倒的な時間を感じました。

何十年分もありましたから、その間に詰まった情報は膨大でした。どれだけでも思いをはせることできました。

小説で言うなら、「行間を読む」の行間に当たる部分の奥行きはどこまでもある。

しばらく、読後の余韻が

もっとみる