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1、夢で電話が鳴った。

電話の映像はなかった。
いきなり頭の中に電話の音だけが鳴り響いて、目が覚めた。

目が覚めたというより、叩き起こされた。

寝起きに聞く音は、たいてい、遠くで鳴っているように聞こえる。しかし、夢と覚醒のあいだに鳴ったこの音は、聴覚器官に直接音を響かせたかのような、はっきりとした、つんざくような音だった。

だがしかし、それは朝の4時台だった。私は何も考えずに二度寝をした。そしたら、また同じように、電話の音で起された。2回目の夢内電話は5:48に鳴った。

2回つづけて夢内電話音で起こされたなんて経験は初めてだった。しかも2回目の電話音には、FBメッセージがきたときに鳴る「パッキーン」という電子音まで付いていた。この音を聞いて私は飛び起きた。文字通り、ちょっとジャンプするぐらいな勢いで、飛び起きた。

現実のスマホの音は、無音にしてある。バイブさえ鳴らない設定。だから、現実世界では、私の携帯電話は鳴っていない。何の音もしていないはずだ。もちろん、スマホ画面には何の履歴も残っていない。

なのにこの、本当にきっぱりと目覚めてしまったぐらいの鮮烈な音。
本当に夢だったのか。
目覚めが、大変に悪い。

*

普段、夢は覚えていない。思い出すことは少ない。繰り返し見る夢、というのも最近ではない。にもかかわらず、音だけがはっきりと鳴り響く夢を、1日のうちで2回見た。

電話の音の夢を見るのは、初めてではなかった。なぜそれを覚えているのかといえば、キャロライン・メイス氏の本だったと思うのだが「人生で重要なことが起こる前に、電話のかかってくる夢を見た」という一文を読み、「あ! 私にも、ある!」と、嬉しかったのを覚えているからだ。

夢の中で電話が鳴る(そして電話に出ずに夢が終わってしまう)などという、「いかにも何かありそうな」夢を見るなんて、それだけで、自分の中で沸き立つものがある。楽しそうすぎる。だから、つい「この夢の意味を知りたくなるし、知ろうとしてしまう。夢が指し示しているものがあるんじゃないかと勘繰って、その内容を予測したくなる。何だろう何だろう?と、好奇心が全力で沸き上がり、あるかどうかわからない答えを、それでも知りたくて、懸命に探そうと動き出してしまう。

が、だからといって、息せき切ってネットで検索すると痛い目に合うということを、私はこれから伝えたいと思う。


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