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あけっぱなしの窓

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日記。備忘録。
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記事一覧

赤ちゃんが教えてくれること

赤ちゃんが教えてくれること

このまえテレビの「僕らの時代」で安藤桃子さん(映画監督)がこんなことを言っていた。
「子どもは親を最大限成長させてから、あっという間に成長する。」
「もう重くてこれ以上抱っこできない〜!!ってなったら、急に歩き出したりする」
あ〜ほんとその通り!と思わず画面越しに拍手した。

今、目の前にある問題や苦しく感じていることは、子どもの成長によってあっという間に解決されることが多い。
成長の一歩を手助け

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お兄ちゃんの裁縫箱

ふたつ上に兄がいる。

兄が小学4年生になるときだったか、家庭科で裁縫箱が必要になった。母が洋裁学校を出た人で、裁縫道具がひと通り揃っていたので、学校指定の物を買わず、お菓子の缶に絵の具を塗ったりシールを貼って、母と兄がオリジナルの裁縫箱を作った。その制作風景を私はずっと横で見ていた。

2年後、私も裁縫箱が必要になった。私は母にどうしても学校指定の裁縫箱が欲しいとねだった。みんなとおんなじものが

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新月。だるだるな私とちょっと興奮気味な娘たち。早めに夕飯食べてベッドで遊ぶ。妹が撒き散らしたパズルを拾ってひたすら直す姉。ピースが一つ見つからなかった。小人が隠しちゃったってことにしておこう。家の中が散らかり放題なのは見てみぬふりで、今日は早く寝ちゃお。写真は長女さく🤳

3歳児の日本語力

3歳児の日本語力

自転車で買い物してたら、入園入学のご家族がいっぱい
みなさまおめでとうございます。
うちのゆりは年少クラスに通わず、マイペースに自主保育ぞっこーです。

12月生まれだし、春生まれの子たちとよーいどん!できなくてもいいかな、と思っている。自分だって平均的な人間じゃないのに、こどもに「みんなと同じ」を求めようとしていた自分を笑ってしまう。幼稚園不登校だっていいじゃない。

この前の夫くんとゆりの会話

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初めての育児、孤独の理由

初めての育児、孤独の理由

初めての子育て
なんでこんなに孤独なんだろうって思ってた。
でも私は、ゆりえと私の二人だけの世界に浸っていたくて
孤独に閉じこもっていた。
閉じこもっていたかった。
あるときゆりえを強く叱ったことがあった。
ただ自分のイライラをぶつけただけかもしれなかった。

「まま、ごめんね。ゆるして。わたしはままが間違ったことしてもぜったいにゆるすよ」
と彼女が言った。私の言葉だとすぐに気がついた。

言葉の

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ままならぬ日々3|過去の自分に救われる

ままならぬ日々3|過去の自分に救われる

次女がもうすぐ9ヶ月になる。第二子の成長は早いとは聞いていたけど、本当に早かった。

足腰が強くて、5ヶ月ごろにつかまり立ちを始めて、そろそろ歩きそう。

長女も歩き始めたのは10ヶ月頃だった。

赤ちゃんのころの服を見ると、セミの抜け殻みたいだなぁと思う。

おんなじ人のはずなのに、この服を着ていた彼女たちにはもう会えない。

洗濯して保管したはずだけど、母乳の跡は黄色く浮かび上がってくる。

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ままならぬ日々2

ままならぬ日々2

コロナ禍緊急事態宣言の最中、わたしは子どもを産んでいた。
新種のウィルスが胎児にどのような影響を及ぼすか見当もつかないでいた2月、フリーランスの教師である夫はあっという間に授業をオンラインレッスンに切り替えた。
私は相変わらず呑気で(夫から言わせれば無知で)切迫ぎみのお腹をさすりながら、自宅ベットで横たわる日々。「入院だけは困る!」と家族からきつく忠告を受けての自粛生活だった。
夫は、家事育児仕事

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「女性の社会進出」の「社会」ってなんですか?

「女性の社会進出」の「社会」ってなんですか?

「女性の社会進出」というワードを聞くたびに、
「ん?」っと毎回引っかかるのはわたしだけでしょうか?

社会進出って経済活動におけるってことですよね?と。
「経済活動における女性の活躍」ならわかるんですが、
なぜ経済活動という特定の分野(部分)での進出を社会全体での女性の活躍みたいなニュアンスで語るの?
それじゃあ、まるで経済活動に参加していない女性は社会では活躍していないといったイメージにつながり

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夫婦別性賛成

結婚式を挙げて、役所に戸籍届けを出したので戸籍上は夫の姓。
ですが、結婚後も仕事で使う名前は旧姓のまま。
という方は結構多いのではないでしょうか?

我が家は今年で結婚5年目になります。いまだに、私は銀行の通帳名義もクレジットカードの名義も旧姓です。
長女を妊娠した際、母子手帳を交付してもらうため区役所へ行きました。
母子手帳交付にマイナンバーカード(または通知カード)が必要なのですが、
マイナン

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ビターテイスト

幼い頃、母が自慢げに見せる写真があった。

ピカピカのイルミネーションの前に痩せっぽっちのアベックがいる。

その色褪せた写真には、

お父さんとお母さんになる前の両親が、肩を寄せ合って写っていた。

よく知っている人の、知らない顔を見せられて、

胸がチクりと痛くなった。

失恋やジェラシーともちょっと違う。

なにか大きな時間の流れの中に、ぽつんと取り残されたような寂しさがあった。

自分の「

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パリ滞在記

パリ滞在記

以前に、パリの郊外にアパートを借りて滞在したことがある。
と言っても、2ヶ月ほどの期間。
家賃が安いことから、ラデファンスという駅を選んだ。
駅前は新凱旋門と高層ビルが立ち並ぶオフィス街。坂の下に閑静な住宅街が広がっている。
パリというにはあまりにも近代的で、埃っぽくない町だった。

季節は春だというのに、夏のような日差しが沈んでいくのは21時を過ぎたころで、
木々の青々とした香りが身体中にまとわ

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ままならぬ日々1

ままならぬ日々1

ずずずーっと冷やし中華をかけこんだ。
夏はたいてい食欲不振で麺物が多くなる。
人様にはお見せできないような格好で、
これまたお行儀が悪いけど、右手に箸、左手に本を持ちながらの昼食。
11時過ぎに娘は深い眠りについた。
わたしはやっと一人になって、安堵する。
ストッキングを脱いだ時のような、そんな類の。
ふわっと皮膚がとろけるような、しばしの開放感。
ひとりになるというのはなんと心地いいのだろう。

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ちょっとそこまで

ふと、どこかへ行ってしまいたくなる病気なのです。
もうそう思ってしまったら、しかたない。
足がふわっと宙に浮いて、まるでスケートボードに乗っているような、
そんな感じでスーと歩いているんだから。
ある時、居ても立っても居られないくなって娘を抱いて家を出た。
イライラはすぐに治る方なので近くで時間を潰すことにしたのだけれど、
その日はどうもうまくいかなかった。
少々時間を潰すだけと思って家を出たもん

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平成最後の日

先週のこと、うちの裏庭で鹿が獲れた。
獲れたと言っても、獣害よけの柵に自ら引っかかったらしい。
それを発見した隣のSさんが猟師に連絡、ズドンと一発。
後日たまたま通りかかった猟師によると、若い食べごろの鹿だったそうだ。
半分山で暮らしていると、そんなこともあるもんだ。

わたしはSさんのケータイに納められた死んだ鹿の写真を見て、興奮していた。
「自分の手で仕留めたかった」と悔しがる夫の横で、
わた

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