マガジンのカバー画像

教育記事から教育を考える

37
教育関連の記事の中から気になるニュースをピックアップ。現在の日本の教育事情を解説していきます。お子さんをお持ちの方、教育関係者の方の参考にしていただければと思います。
運営しているクリエイター

#コラム

デジタル教科書をフォローする活動も一緒に考えよう!(デジタル教科書「2分の1」制限撤廃へ 産経新聞12月21日)

デジタル教科書をフォローする活動も一緒に考えよう!(デジタル教科書「2分の1」制限撤廃へ 産経新聞12月21日)

随分前のことだが、デジタル教科書についてTV取材を受けたことがあった。その時、学びは人と人の間にあるものだから、デジタル教科書
だけで完結してしまわないようにした方が良いということをコメントしたのだが、その部分は全く使われずに、余談のように言ったデジタル教科書は、面白い!的な発言が使われてしまった。

デジタル教科書は、面白いと感じる部分があるから、子どもたちも当初は面白がって積極的に使うだろうし

もっとみる
学校教育には、どんな効果があるのか(「女子だけ白靴下は不平等」中学生がブラック校則変更  産経新聞11月25日)

学校教育には、どんな効果があるのか(「女子だけ白靴下は不平等」中学生がブラック校則変更  産経新聞11月25日)

教育は、実は、暴力的な側面を持っている。強制力を子どもに行使して、知識を与えていく。その過程において、子どもたちの意志を認めはしないのだ。そういう意味で暴力なのだ。そして、学校教育は、身体訓練の場だ。だからこそ、校則が必要になってくる。野生人である子どもを社会馴致化するために、学校教育があるのだ。だから、ルールを守ることを子どもたちに強制するのが学校だ。

子どもたちに都合の良いような校則は、基本

もっとみる
一般企業では考えられない!(小中学校の給食費「校長の口座で管理」7割…文科省が初の調査 読売新聞11月4日)

一般企業では考えられない!(小中学校の給食費「校長の口座で管理」7割…文科省が初の調査 読売新聞11月4日)

学校が集める給食費を校長の私的口座で管理するなどということをやっていたとは、驚いた。企業なら、そのようなことにはならない。会社名義の口座を作って管理するはずだ。

早急に、教育委員会が口座を開設し、管理した方が良い。ただし、教育委員会が給食費を収めていない家庭に連絡するルートと、学校の教師が連絡するルートの、2つルートを持っていた方が良いのではないかと思う。それは、形式的に催促するものと、事情を知

もっとみる

大人としての自覚と職業倫理の欠如が体罰を招くのではないか(なぜ体罰なくならない? 柔道技の教諭、研修の後すぐに 朝日新聞デジタル 10月18日)

今回の事件を知って、またか!と思った。常軌を逸した体罰をする教師が後を絶たない。ルール違反をした生徒に対して、ルール違反以上に罰してしまった教師は、自分がどのようなミッションのある職業についているのか、全く理解していない。教師という職業がどういうミッションなのか。ここを再教育することだ。

教師という職業のミッションとは、子どもを一人前の大人にするということだ。ここを忘れていけないのだ。だとすれば

もっとみる
「昔に見た風景」が、どんどん色濃くなっていないか?(日本学術会議 会員の一部候補の任命を菅首相が見送り NHKニュース10月1日)

「昔に見た風景」が、どんどん色濃くなっていないか?(日本学術会議 会員の一部候補の任命を菅首相が見送り NHKニュース10月1日)

日本学術会議 会員の一部候補の任命を菅首相が見送り(NHK10月1日)

日本学術会議が、推薦した会員候補を政府が拒否したことに関して、世間は二つに割れている。1つは、菅首相を擁護するもの。もう1つは、批判するものだ。

私は今回の件を、批判するというよりも危惧している。それは、「昔見た風景ではないか」ということだ。今回の件で、学問の自由が直接犯されるものではないが、間接的に、そして将来的に、犯さ

もっとみる
教育の使命は、子どもを一人前の大人にしていくこと

教育の使命は、子どもを一人前の大人にしていくこと

大学は職業のための訓練学校になりつつある。それは「教養」といったことにまったく無関心な全体主義者たちによって要請されているからである。(バートランド・ラッセル)【考えるヒント】
ここ数十年、大学教育に対する要求内容が大幅に変わってしまった。今までは、教養を身に付け、学問の一端に触れ、批判的思考を獲得していくための教育だったのが、昨今は、社会に出てすぐに仕事で能力を発揮することを求められている。つま

もっとみる

コロナ禍で学力が更に分断されてしまう!(コロナ、不安と焦りの中3生 朝日新聞9月23日)

コロナ禍によって、学校が休校になった。3月の約3週間、4月の約3週間、5月の約3週間、学年をまたいで約9週間、公立中学校では授業が行われなかった。この異常事態を私たちは、大きな問題だと考えているが、はたしてそうだろうか。

学校は、色々なことで授業がつぶれる。平時であっても、教師によっては、授業のペースが遅すぎて最後まで教科書が終わらないこともある。テスト前にプリントを配って、「勉強してこい!」と

もっとみる

なぜ、インクルーシブ教育が必要なのか(特別支援学級の児童を「邪魔だと思う人は手を挙げて」 …小学教員、一緒の授業の場で  読売新聞9月9日)

今回の事件は、特殊な教員がろくでもない対応をした、というだけの事件ではないように思える。学校全体がインクルーシブ教育の意味を理解しているのかどうかに関わる事件ではないだろうか。

多様な人たちが、一緒に活動することがこれから求められていく。その一つとして、この学校も特別支援学級の児童と普通学級の児童が一緒に授業を受けていたのではないか。

だとすれば、この教員は、その意味を理解して授業に取り組むべ

もっとみる