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「何か困ったことがあったら言ってね」は上から目線

こんにちは。

牧 菜々子です。

心から相手を心配して、出てくる言葉。

それが、「何か困ったことがあったら言ってね」です。

これは同時に、上から目線の言葉でもあります。

相手に困ったことがあるはずだというメッセージであり、かつ「自分に言ってくれる」ことを前提にした言葉だからです。

「困ってないし、あなたに言いたくない」と思われている可能性は、思った以上に高いのです。

対等な関係性であれば、「困っていることがあるんだけど、聞いてくれる?」とお互いに切り出し合うということになるはずです。

「何か困ったことがあったら言ってね」と言うこと自体は、別に構いません。

上から目線を止める権利はありませんし、明らかな上下関係がある場合はむしろそう言ったほうがいいこともある。

問題なのは、上から目線の自覚がないまま言うことです。

自覚さえあれば、相手が怒った時には「上から目線のことを言ったからだな」と、理由がわかります。

では、本当に親切心から、「何か困ったことがあったら言って欲しい」と思った時には、何と言えばいいのでしょうか?

それは、「困っているんだけど、聞いてくれる?」と、別件をこちらから先に言うことです。

そうすれば、向こうから本当に困っていることがあれば言ってもらえます。

そのワンクッションがないから、上から目線だと思われるのです。

自分から困っていることを打ち明けない人に、相手は困りごとを打ち明けてはくれません。

逆に、誰かから「何か困ったことがあったら言ってね」と言われると何だかもやもやする理由は、相手から上から目線で来られているからです。

世の中には、言わなくていい言葉が、たくさんあるのです。