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緩やかな日々

27
書き留めたことを、ほんのちょっとだけ公開中。
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2023年3月の記事一覧

また一歩踏み出す友へ

また一歩踏み出す友へ

今日は久しぶりに晴れた。
都心の桜は満開で、少し強めの風に花びらが舞い上がる。
学生時代の友人に会ってきた。

彼女は去年、会社を退職した。30数年勤め上げた、外資系の会社を。
男女雇用機会均等法ができた時に就職したから、彼女はいつも「前例」になる立場だった。
「総合職」なんていう言葉はできたばかりで、大企業で男性に伍して働く女性はまだ少なく、働く側も雇う側も試行錯誤の連続だったに違いない。

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彼女の『オズビック鳥』 〜ある勉強会で〜

彼女の『オズビック鳥』 〜ある勉強会で〜

絵本の勉強会に参加している。
本来は子どもの絵本が対象なのだけれど、時には大人のための絵本も登場する。
昨日の勉強会で、私は早速ゴーリー作『オズビック鳥』を紹介した。

絵本のあらすじを話して、実際に開いて絵を見せる。
どうしておすすめなのかを簡潔に(これが案外難しい)伝える。
そして、参加者が質問したり、いろいろ。
「子どもでも、いけるかも」
「ちょっと難しいんじゃない?」
「雰囲気はいいよね」

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血脈の記憶がまた一つ消えた

血脈の記憶がまた一つ消えた

今日、東京では桜の開花が宣言された。
その「宣言」を聞くこともなく、父方の伯母が亡くなった。

90歳を超えてもしっかりとして、家族に囲まれて暮らした人だった。
大往生なのだろう。
「もっと話を聞けばよかった」
伯母自身の人生と、伯母の父である私の祖父のことについて。

祖父は私が大学生の時に亡くなった。
寡黙な人だったから、自分のことはほとんど語らなかった。

田舎町で生まれた祖父は、小さなタク

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いちごのお菓子と老親と

いちごのお菓子と老親と

今日は、まるで晩春のような暖かさだった。
南風が薄手のコートの裾にまとわりつく。
つい先日まで、ダウンジャケットを着ていたのが嘘みたい。

老親を連れて、港が見えるホテルへアフタヌーンティーに行ってきた。
昨秋、孫娘からプレゼントされたチケットを、ようやく使うことができた。
父89歳、母86歳。父は杖をつき、母はカートを支えに歩く。
「こんな素敵なホテルに来ることは滅多にないから」
めずらしそうに

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『火曜日の手紙』 〜読書の記録〜

『火曜日の手紙』 〜読書の記録〜

火曜日、我が家の近くの公園に移動図書館がやってくる。
『火曜日の手紙』は、その車の書架からふと手にとった本だ。

『火曜日の手紙』 エレーヌ・グレミヨン 著
         池畑奈央子 訳
         早川書房  2014年6月25日 初版発行

母を亡くしたばかりの主人公の元に、一通の手紙が届く。差出人に覚えはなく、編集者でもある主人公は、最初はそれを小説の売り込みではないかと考える。

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にわかイベント屋の顛末

にわかイベント屋の顛末

昨日の伊豆はお昼から冷たい雨。散りかけの河津桜も震えていたに違いない。
そんなお天気の中、にわかイベント屋の本番当日と相成りました。

場所は、伊豆急行伊豆高原駅から徒歩10分ほどのところにある『りんがふらんか城ヶ崎文化資料館』というギャラリー・カフェ。
その一角をお借りして開いたのが「りんがふらんか おはなし会」。
椅子を15個並べただけの小さな小さな空間が、私たちの晴れ舞台になった。

 おは

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相棒がご機嫌を損ねると

相棒がご機嫌を損ねると

昨日は冷や汗をかいた。
私の大事な相棒であるiPadが、画像を読み込んでくれなくなったのだ。
画像だけじゃない。
noteのプレビューも使えなくなった。直近の記事も開かない。

投稿するとき、出来上がった原稿をプレビューでチェックする。
下書きでは気づかなかった誤字脱字を見つけるのは、この時が一番多い。
さらに不自然な言い回しを直したり、無駄な文を削るのもプレビューの段階。
それができないで投稿す

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にわかイベント屋になりました

にわかイベント屋になりました

今度の日曜日、ボランティアのイベントを企画中。
大人のためのおはなし会をします。
「やりたい〜、やりたい〜」と仲間を巻き込んだ。
なけなしの脳みそをフル回転させ、安い頭を下げまくったおかげだろうか。
みなさん、快くお力を貸してくださって、今日に至る。

プログラムを決め、ポスター描いたり、チラシを作ったり。
こんなことするのは、高校の文化祭以来かも。
勉強そっちのけで没頭したあの頃から、こういうの

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