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リルケに寄す――silent music
五月の薔薇にリルケへの祈りが託されたマリアさまのお庭、東中野のsilent musicへ。
展示にあわせて編まれた石倉和香子さんのリルケ詩集から密やかにひらかれた朗読会。
いつまでも深い余韻を底に響かせている鐘みたいに厳かに紡がれた和香子さんの声による朗読、その鐘の音が天に吸いこまれて昇り、不意にひらけた場所で翼をもって、その光の階段を羽ばたいてくるように奏でられた久保田恵子さんのピアノ
SALON des MUSICA——silent music
東中野のsilent musicさまで開催中の“SALON des MUSICA”におうかがいしてまいりました。
縫いぐるみ作家のLIENさん、服飾作家のmIRA.さん、人形服とお洋服作家のネムリコネムコさんの作品たちとともに、フランス菓子やシルバージュエリーがならべられた“幻洋品店”。
本来の予定であれば去年の4月にひらかれるはずだったこの“まぼろし”の洋品店が、あれから1年が巡る
ふたりのルクレティア展——桑原聖美/あらかわ画廊 2016.10.26
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桑原聖美さんの個展のため、あらかわ画廊さんへ。
きよらかにうつくしい、というその名のとおりの画を描かれるかたの絵のまえで、わたしは黄金の夢と琥珀の光にまぶされた「聖なる美」に魅入られた「客人」となっていた。
ルクレティア。
その名前が秘密を囁くように目のなかを泳ぎ、耳朶に響く。
それはおのれの貞節のために心臓をナイフで貫き死を選んだ百合のように可憐な女の名か。それとも、堕落
安蘭個展 「Sanctum」/ヴァニラ画廊 2018.2.28
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羽ばたく蝶を見つめているひとの頭にはおおきなリボンがありました。
月が見おろす場所からなにかを祈るひとの瞳にはお星さまが浮かんでいました。
わたしは蝶とリボンが、少女という生き物を語るうえで欠けてはならないふたつであると感じていて、少女が長い髪に結わえたリボン、あれはほんとうは蝶々なのではないかしらと、そんなふうに考えることがあります。少女、という生き物は自分がまだ何者であるかも知
それでもさえずる小鳥たちの青い森
新小平の“Holy garden”と呼ばれるその場所は、さまざまな植物が夢をみるように深く植えられたお庭を臨んだ、とんがり屋根の建物のしたでお花やさんとお菓子やさんとご本やさんのみっつのお店がそれぞれに営まれている、ひとつの祈りにも似た“聖なる庭”です。
その“Holy garden”のお花やさんであるコトリ花店さんで「それでも小鳥たちは森でさえずる」という美しい名が捧げられた展示に先週の土