葡萄酒色の花冠の、菫と柘榴
春分の翌日に“オディールの花冠”をつくってもらうことを、植物たちに魔法の呪文を唱えて愛の円環をつくられる、わたしが“蝶の庭のあるじ”と呼ぶかたにかねてからお願いしていました。
なぜ“オディール”なのかといえば、そのまえに2月の誕生日の贈り物として“オデットの花冠”をつくっていただく機会があり、白鳥の純白の翼を思わせるその祝福の花冠がかたちになるまえ、まだ想像のなかだけに存在する夢であったころから、その花冠に対応する“黒”があってほしいとわたしが感じたためです。オデットと