月のように遠いことばを
会いたいよりも
ごめんの3文字が欲しいだけなのに
きっとわたしは
冷たい生きものに分類されるのだろう
この世界はそういう風にできているから
「ばかなの?」と
布団の上にスマホを投げつけても
拾うのは自分ほど虚しいことはない
仕事があってよかったと心底思う
余計なことを考えずに済む
きらいな残業もこんな日はよろこんで
いやだよ
また同じ思いするの
つらいよ
想像以上にかなしくなるのよ
だから私から近づかない
たとえ明日世界が滅亡するとしても
あなたからその3文字が届くまで
だけどちっとも届かない
まるで月のようなことばね
だからもう
江國香織を抱いて夢の中に潜ります
冬も一緒にいたかった
それはけしてうそじゃない
よ