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カルチャーコラム100連発

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目につくものすべてがネタです! 毎週木曜更新でカルチャーについて語っていきます。
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2023年10月の記事一覧

借金玉『発達障害サバイバルガイド』について

今日は借金玉『発達障害サバイバルガイド』(ダイヤモンド社、2020年)を紹介したい。

「発達障害」というワードが目に飛びこんでくるが、実際は万人向けに書かれていると思う。

借金玉さんは、この本を読む人の同一性を何よりも重視する。

この本が各章の始めに原則を提示してから各論に入るのは、このためだと思う。というのも、この工夫によって、読者は自分の実情に合わせて、ハックを考え出すことができるように

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ドゥルーズ『フーコー』の賭金

『フーコー』の賭金は何だろうか。一度、論文の冒頭に立ち返って確かめたい。

ドゥルーズはある事柄に着目する。つまり、古文書学者は方針にしたがって振る舞っているということである。

さらに、ドゥルーズはある事に言及する。人は、古文書学者の著作に、哲学における新しいもの、美しさがあると言うのだ。

今後、古文書学者の方針、その著作の新しさ、美しさという問題が賭金であると仮定して、論を進めていく。

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ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について⑤--並行的空間、規則、ベクトル

前書き↓

①↓

②↓

③↓

④↓

※今回の記事は数学用語をかなりラフに使っています。もし数学プロパーの方がいらっしゃったら、ご教示いただけると幸いです。

引き続き、ドゥルーズは言表の規定を試みる。かれは言表とその他の要素との関係を素描する。

並行的空間は、同じ集合に属している他の言表によって形成される。しかし、言表と空間は形成の規則の水準では同一である。というのも、言表の集合や族を形

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ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について④--トポロジー、あるいは形而上学の密輸?

前書き↓

①↓

②↓

③↓

※今回の記事は数学用語をかなりラフに使っています。もし数学プロパーの方がいらっしゃったら、ご教示いただけると幸いです。

前回、筆者は「実定性」なる用語について、どこまでも現実でありながら、事後的に理論が発見されることを含んでいると理解した。ドゥルーズは言表の規定を推し進める。

大切なのは、言表の規則性である。さらに、代数学のようなものより、幾何学のようなもの

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「日本のSAKE 和泉清」さんの『日本酒 久保田 純米大吟醸 300ml』について

今日は日本酒を紹介したい。これである。

ドゥルーズ『フーコー』とXとYouTube を肴にしていただく。

ビンのフタを開けて嗅ぐと、鼻のなかに甘い香りが広がる。

メインの味は甘酒のような甘さだ。しかし、コクとクセが混ざり合ったような奇妙な味わいもある。

甘い外見に気をとられると、強烈なクセに驚くことになる。

日本酒も今後、試していきたい。

ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について③--言表の規定

前書き↓

①↓

②↓

前回確認したのは、言表がとある体系を指示しているという理解だ。さらに、ドゥルーズは言表の規定を試みる。

言表は事実上、稀少であるし、理論上も稀少である。

ドゥルーズはまず、理論の問題を論じる。稀少性の法則は言表を命題と文に対立させる。

タイプにしたがって、論理学は第一に、命題を他の命題の上に置く。理論的な上位に位置づけるわけである。

第二に、論理学は可能性と現実

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更新頻度変更のお知らせ

拙マガジン「カルチャーコラム100連発」についてですが、毎日更新から毎週木曜更新に頻度を変更します。

生活から、どう考えても持続不可能だと思ったからです。

マガジンをご覧の皆さまにおかれましては、来週木曜までお待ちください。すみません。

【毎日更新無理記事】川崎大師の慰霊碑『臣之勇忠』

↑ブログ主様、誠に勝手ながらブクマさせていただきます。すみません。参考にしました。

さて、今日の更新は無理です。すみません。旅行記事でもあげます。

これですよ。本体がひし形でなかなかカッコいいですね。

碑文も漢文で、凛々しさが際立っています。

同じ境内に戦後建てられた像があるのもアツい展開ですね。

以上!

ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について②--数学から言表へ

新しい古文書学者の物語はどう展開するのか。

彼はとある概念を問題にする。つまり、言表である。ここで注釈するように、論理学を無視する。論理学ではなくて、むしろ数学によって、われわれは言表を読み解くことができる。

その際に彼が分析する唯一の例は、文字である。それも、偶然に記された、あるいは機械から書き写された一連の文字である。機械自体は言表ではない。しかし、機械に印字された文字列はとある体系の言表

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【毎日更新無理記事】YouTubeチャンネル「お文具のアニメ」の『心がしんどい時の僕の対処法』について

今日は限界度が高く、筆者がまともだと思う記事を上げられません。
キツいときはコレとかニコニコの「元気が出る動画」群が効きますね。
読者諸兄のみなさまにおかれましては、次回の更新をお待ちください。

ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳、「新しい古文書学者(『知の考古学』)」について①--古文書学者

『フーコー』はとある古文書学者の物語から始まる。

この古文書学者には、方針がある。

しかし、かれはさまざまにレッテル貼りされてきた。それに反し、新しいものが哲学のなかに生まれていると判断する者もいる。

古文書学者は賛否両論の渦中にいる。

筆者は、偉大な思想家なら誰もが直面する毀誉褒貶に立ち会っていると感じる。今後はどうなるのだろうか。

ドゥルーズ『フーコー』宇野邦一訳「前書き」について

今回からしばらく、ジル・ドゥルーズ『フーコー』を紹介したい。

まず、本書を紹介する前提条件を確認しよう。原著は1986年に Minuit 社より刊行された。構成についてだが、本書は複数の論文からなっている。いわば、アンソロジーと呼ぶべき書物である。

本書がアンソロジーである効果については、いつか論考が完結したときに検討しよう。

※本記事は必要な参照を欠いているため、よろしくないが、その点につ

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稲毛神社の『正岡子規没後百年記念句碑』について

今回は川崎で見た句碑についてである。

この碑は土台と板からなっている。両者が対照的な色づかいになっている。たとえば、土台はどちらかといえば白が濃い。それに対し、板は黒が濃いのだ。

次に、子規の句を引用しよう(くずし字が読めないため、となりにある『正岡子規没後百年記念句碑建立誌』を参照した)。

筆者が目をつけたのは、五・七・五の七において、唯一動詞と助動詞のセットが使われているところである。筆

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『BAR リンクの木』さんで飲んだ『ザ・グレンリベット12年』について

今日はお酒の回である。

筆者は以前から考えていた、とあるバーを訪れた。

ウイスキーはほとんど飲んだことがないと伝えた。すると、バーテンダーさんは『ザ・グレンリベット12年』を勧めてくれた。

ハイボールでいただく。色彩から見ると、白ブドウジュースのように透き通っている。

味はどうだろうか。少し多く口に含むと、くせはほとんど存在せず、濃い甘さが舌に広がる。この甘さは白桃、あるいはカンロ飴を思わ

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