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太陽とキャッチボール

硬球軟球

手のひらサイズのものが理想的

白いボールを見るとかられる衝動

転がすよりは投げたくなるその形

手のひらにのせて握れば

確かな感触に身体はうずうず

いてもたっても居られずに見上げた青空

投げるなら壁なんかよりも太陽に向かって

投げてみたいから今日はなんとも理想的

素晴らしい投擲日和

白雲漂う空は青くたおやか

初夏な照り返し太陽の笑い声

背中を伝う汗の玉がくすぐったい

そよぐ風と猛る緑の雑草

振りかぶって力を溜めて

青空に向かって解き放つ

僕の手を離れたボールはみるみる小さくなり

青空の向こうへと吸い込まれていった

太陽が身構えて僕が投げたボールを

ちゃんとその手で受け止めてくれるだろうか

気になるところだ

受け止めてくれたのならば

次は僕が太陽からのボールを受け止める番だ

期待と不安と高鳴る好奇心

太陽とのキャッチボール

夏だからこそ味わえる楽しみの一つ

キラキラ輝く汗の玉は夏を彩る虹の花

笑い声は太陽だけじゃない

僕もまた楽しくて笑っている

太陽から投げ返されたボールを受け取る為に

眩しすぎる夏の空を目を細めて見上げていた

ボールがゆっくりと僕のところに落ちてくる

その瞬間を見逃してはいけないのだ

今頃は僕が投げたボールを受け止めて

投げ返してくれたに違いない

上空で燦々と照り返しを強めて

太陽が楽しそうに笑っている

ボールが今しも僕めがけて落ちてくるに違いない

空は眩しくて白い雲はあまりにも美しい

小さな点がゆっくりと

膨らんできたのが見えた

あれだ!

僕は高鳴る好奇心もそのままに

ボールの落下地点に向かって走り始めた

そうして受け止める為に

腕を伸ばして身構えたんだ

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