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仕事でやっている“コト”は、あくまで手段にしかすぎない

「普段、何をされているんですか?」

初対面の人と会話をするとき、そう聞かれたり聞いたりすることは珍しくありません。私がこの質問をされたときは、「ライターをしています」と答えます。

これは事実だけど、すべてではない。


ライターは、手段の一つ

私は2020年の冬に勤めていた会社を離れ、翌年1月から個人事業主になりました。「何をするか」を具体的に決めていたわけではないけれど、それまでの私は教育業界で生きてきたので、自然と教育に関わる仕事が増えていきました。やったこととして特に多かったのは、インタビューをして記事を書くこと。他にもやったことはあるけれど、文章を書く仕事が多かったので、「何をしているのか?」と聞かれたときの答えは「ライターです」になっていきました。

文章を書く仕事は好きだし、いろんな方にインタビューをさせてもらうことも好きです。ただ一方で、私はライターだけをし続けようという気持ちはありません。「何をするか」よりも「それを通してどんな世界をつくりたいのか」の方に、強いこだわりを持っているからです。

新たな一歩から生まれた出会い

個人事業主として働き始めてから3年目を迎えた今年、私はライター以外のことでも、自分が思い描く世界をつくるためのアクションをするべく、少しずつ動き始めました。そしてそれはかたちになり、先日一つの区切りを迎えました。

私がやったことは、教育者が本音で生きるためのキャンプ「Teacher's Camp 自分を生きる。土台をつくる。」を開催することです。頼もしい仲間であるあおさんとともに、何ヶ月もかけて構想を練りました。

このプログラムが始まる前日、私はnote記事にこんな文章を残しました。

最終日、それぞれが一体どんなことを感じているのか。それはその日になってみないとわかりません。

それでも、「自分が大切にしたい教育に気づき、それを大切にしていこうと感じられる状態であってほしい」というのが私の願い。そこに少しでも近づけるように、明日から始まるこの場をつくっていきたいと思います。

先生が“自分”を生きることから、教育をつくっていく」より

ここに、私が思い描く世界が詰まっています。子どもと関わる大人が、自分が大切にしたい教育に気づき、それを大切にしていこうと感じられる状態であってほしい。そんな人が一人でも増えてほしいと願いながらやっているのが、文章を書くことであり、プログラムを主催することなのです。


10月から始まったTeacher's Campは、12月中旬に最終日を迎えました。

集まったのは日本全国で子どもと関わる仕事をしている8人。それぞれ立場や動機の違いはあれど、「自分のあり方や生き方を見つめ直したい」「自分自身や教育について考えたい」という思いは共通していました。

1泊2日のキャンプと4回のオンラインワークを通して、自分自身と向き合い、集まったメンバーと語り合う。自分のビジョンを言葉にし、描く。日常を振り返り、小さなアクションを重ねる。

2ヶ月間のプログラムを終えた今、「自分が大切にしたい教育に気づき、それを大切にしていこうと感じられる状態」にそれぞれがなっているだろうか。完全にそうとは言えなくても、自分の本音に気づいたり、変化していくための土台ができたりしていたら、きっとこのプログラムは成功だと言えるのではないかなと思います。

何より嬉しいのは、主催者と参加者という関係を越えて、教育の世界で生きる仲間としてのつながりができたこと。最後のワークでは、それぞれが自分の未来を描き、みんなにシェアする時間をとりました。一人ひとりの未来を聞きながら、「きっとまたどこかで、交わるときがくる」と確信に近い思いを抱きました。

そんな風に感じられたのは、この場に飛び込んできてくれた8人が、このプログラムの中で自分自身と丁寧に向き合い、他者の言葉に耳を傾けてくれたからではないかなと思っています。

書くこと、場をつくること

私がやっていることは、文章を書くこと以外にもいくつかあったけれど、柱となっていたのはやはり書くこと。今回のプログラムを開催したことで、もう一つの柱ができたような気がしています。

書くことととプログラムを開催することは、表面的に見ると全く違うことだけど、私の中では確かに共通していることがある。それは、「子どもと関わる大人一人ひとりに、スポットライトを当てるためにやっている」ということ。それがしたいから、文章を書き、場をつくります。それ以外の手段と出会ったら、きっと私はそれをやります。

偶然にもこの記事を書いたのは、私のフリーランス生活がちょうど3年たつタイミングと重なりました。

こうして文章にまとめてしまうと、いかにも筋が通ったことをしてきている印象を与えてしまっているかもしれませんが、決してそんなことはありません。失敗はたくさんあるし、気持ちの浮き沈みもありました。

でも、自分の本音に従って、勇気を出して飛び込んだ先に見える景色は、それ以前に見ていた景色よりも何十倍も美しく、清々しい。そう感じています。

最後に、ジュリア・キャメロンさんの著書『ずっとやりたかったことを、やりなさい』より、私の好きな言葉を送ります。

飛べ。そうすればあなたを受け止めてくれるネットが現れる

著者はこの言葉を自分の机の上に貼っているのだそう。


私がこの言葉と出会ったとき、今回初めて主催したTeacher's Campと重なりました。飛ぶ前は、ネットなんて見えません。そのまま落下し、大怪我を負うかもしれない。新たな挑戦に向けて一歩を踏み出そうとするとき、その先に何があるのかは誰にもわからない。それでも、ネットが現れると信じて飛び込むと、想像していなかった世界が広がっている。

もちろん、必ずネットが現れる保障なんてありません。

ただ一つ言えるのは、飛んだ先に見たい景色が見える兆しがあるのなら、飛び込む価値はあるということ。

私はTeacher's Campを通して、ともに刺激し合える仲間と出会い、一人ひとりのあり方から教育が変わっていくのだという希望をもらいました。このプログラムに関わってくれたすべての人に、ありがとうと伝えたい。

Teacher's Campは2024年も開催します。場所は、日本のどこか。そこであなたと出会えることを楽しみにしています。

最後までお読みいただきありがとうございます(*´-`) また覗きに来てください。