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先生が“自分”を生きることから、教育をつくっていく

今から1ヶ月半前の8月30日に書いたnote記事。

記事の内容は、Teacher’s Campの参加者募集です。その中で、このキャンプのことをこんな風に説明しています。

自然の中でともに過ごす中で五感をつかい、言葉にする。そして、相手の言葉に触れる時間を味わいます。その過程で、自分のありたい姿や大切にしたい教育に気づいていく。

ここは、特定のスキルを身につける場ではありません。教育の現場で必要な知識や技術はもちろんあるけれど、自分の土台があってこそ、それらを活かすことができます。すべてのアウトプットは、その人がこの世界をどう見ているのか、どう感じているのか、に紐づいているものだからです。

あなたにはきっと、もっと前面に出したい教育観があるはずです。それは決して間違った教育観ではありません。そこにじっくりと目を向けて、まずはこの場所で、自分が“本当に大切にしたいこと”を出してみませんか?

同じ時間と空間をともにし、体験し、内省し、対話する。その過程で、自分のあり方や大切にしたい教育に気づいていける場になるといいなと思っています。

そして、この場は私一人ではなく、ヒミツキチ森学園の青山雄太さんと一緒に企画をしています。2人でゆるやかな対話を重ねて生まれました。それぞれが大切にしたいことと、2人が大切にしたいこと。その両方を大切にしながら、準備を進めています。

ありがたいことに、参加者を募集する記事を公開してから1週間で定員に達しました。いよいよ明日が初日。参加者の方と顔をお合わせる日を楽しみにしています。そして、ちょっとドキドキしている気持ちも。

そんな心地よい緊張感がある今、私がなぜ「Tearcher's Camp」を主催するのか。ここをどんな場にしていきたいと思っているのかを、このnoteに綴っていきたいと思います。

原点

私が大学を卒業したあとに選んだのは、「教員」という仕事でした。

2011年4月から中高一貫校に勤め始め、それから5年間、教員として生徒と関わりを持ちました。中高生とともに過ごす日々は毎日刺激的で、本当に楽しかった。けれどその一方で、「先生らしくいなければいけない」という思い込みが自分を苦しめることもありました。

先生らしさより、自分らしさを。

今はそれが大切だと感じるけれど、教員をしていた20代の頃の私は、「先生だったらここでどうするか?」「先生として適切な振る舞いは何か?」と、先生としてあるべき姿ばかりを追い求めていました。

自分自身がどうありたいのか。自分自身が何を感じているのか。そこに目を向ける余裕はありませんでした。

余裕がなかったというより、その選択肢を持っていなかったのかもしれません。

それまでもたくさんの本を読んだし、セミナーや勉強会にも参加しました。学んだことはすぐに自分が担任するクラス運営や授業で実践。上手くいくこともあれば、上手くいかないこともありました。その過程で学んだことはあるし、子どもたちと関わる時間も好きでした。

でも今振り返ると、自分の本心はきっと出していなかったのだと思います。それは、怖かったからなのか、自信がなかったからなのか。

心の奥底に秘めていた教育への違和感と自分の本音を同僚の先生たちに打ち明けたのは、退職することを伝えた後でした。学校を離れると決めてからはどうやら肩の荷が降りたようで、私はようやくそこで“自分”を出すことができたのです。

自分が感じていた学校教育に対する思いを同僚の先生に打ち明けると、「私もそう思ってた」と共感する言葉が。「え、そうなの?私だけじゃなかったの?」心の中でそう思いました。もしかしたら、私と同じように違和感がありながらもそれを出せずにいる先生はもっといるのかもしれない。出していたとしても、一度立ち止まりたいと感じている先生はいるかもしれない。

それから時間が流れる中で、「いつか、先生が自分の大切にしたい教育に気づき、じっくりと向き合うための場をつくりたい」という気持ちがじわじわと大きくなっていきました。

それがかたちになったのが、今回が1回目となる「Teacher's Camp 自分を生きる。土台をつくる。」です。

目指すもの


ここに集まった一人ひとりが自分自身のあり方に向き合い、大切にしたい教育に気づいていく。そんな場をつくっていけるといいなと思っています。

そのためには、やはり対面での時間を含めることが大切ではないかなと。それで、思い切ってキャンプ場を開催地にしてみることにしました。オンラインを含めて計8回のワーク。

2ヶ月間かけて、一緒にワークをしたり、ご飯を食べたり、内省したり、対話をしたり。その中で、この場に集まる人たちが、自分と他者の変化を楽しみながら進んでいけるといい。

プログラムが終わる最終日、それぞれが一体どんなことを感じているのか。それはその日になってみないとわかりません。

それでも、「自分が大切にしたい教育に気づき、それを大切にしていこうと感じられる状態であってほしい」というのが私の願い。そこに少しでも近づけるように、明日から始まるこの場をつくっていきたいと思います。


【11/14追記】

先日、Teacher’s Campの柱となる1泊2日のキャンプが終わりました。プログラムとしてはまだ途中ですが、参加者のともみさんがVoicyで感想を話してくれました。配信から、キャンプの雰囲気が少しでも伝わると嬉しいです。


最後までお読みいただきありがとうございます(*´-`) また覗きに来てください。