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行動経済学のおすすめ本 『経済は感情で動く』

こんにちは、Mimiです。

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今日は『経済は感情で動く』という話について書きます。

話というより、学者さんの本の題名そのままです。

イタリアの有名なマッテオ・モッテルリーニさんの
"Economia Emotiva"
Che cosa Si Nasconde Dietro I Nostri Conti Quotidiani
和訳『経済は感情で動く〜はじめての行動経済学』

という本。


みなさんは、『行動経済学』や『経済 + 感情』と聞くと、何を連想されますか?

おそらく、リーマンショックのような株の大暴落やたたき売りや、コロナ禍のトイレットペーパー取り合い合戦なんかを想像する人が多いと思います。


これらは、群集行動と呼ばれるもので、

不安の心理が伝染して経済や金融市場に大きな波(トレンド)を作る

というものです。


しかし、それは『経済 + 感情』の事象のほんの一部です。



この本を読むと、それよりももっと多くの事象が行動経済学の範囲であると理解できます。

社会や金融市場だけではなく、個人ひとりひとりの生活のなかに当てはまる事象、『それある!』といいたくなるものがたくさんあります。


2008年とだいぶ前に出ているので、この本の存在をご存知の方もいると思います。

題名通り、行動経済学がはじめての人や、心理学がどのように経済や私達の生活や意思決定に影響を及ぼしているかに興味のある人には、とってもおすすめの本。

小難しそう・・と思いきや、表紙の絵も可愛くてなんとなく手にとってしまいます。文体もとても読みやすい。

行動経済学でノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンも、「この本は認知経済学と神経経済学への世間の関心をより高めるだろう」と絶賛しています。


例えば、以下は有名な例えです。

以下のどちらかを選んでください
A: いますぐに10万円もらう
B: 1週間後に11万円もらう

・・・

この問いではいますぐ10万ほしい!仮想通貨にぶちこみたい!と
Aを選ぶ人が多いんですね。


では、次はいかがでしょう。
C: 1年後に10万円もらう
D: 1年1週間後に11万もらう

・・・

この問ではDを選ぶ人が多いんですね。1年後なんてもはや、どーでもいい!生きてるかもわかりません!という感じなのかもしれません。1週間くらい待てそうですよね。

でも、「1週間待つことでより多くの報酬がもらえる」という事実が同じなのにも関わらず、行動が変化するわけです。

つまり、

人間の感情には、将来を軽く考える=割り引いて考える習性がある

ということになります。

これを 「時間的な選好の逆転(reverse of time preference)」と言ったりします。



では、次の例えはいかがでしょうか?


サッカー用の靴一足とボール1個を合わせた値段は110ドルである。靴はボールより100ドル高い。ボールの値段はいくらか。

・・・

・・・

・・・

この問題は楽勝!答えは10ドル!

と答えた方、残念です。

答えは5ドルですね。

問題の出し方からすると、なんとなく10ドルという答えがさっと浮かびます。でもきちんと計算すると、ボールの値段が10ドルで靴の値段が100ドル高いとすると、靴は110ドルとなり、靴とボールの値段の合計は120ドルになってしまい、間違いだと気づきます。

このように、最初にぱっと浮かぶ無意識で直感的な思考のことを『システム1』と呼び、理性を使って熟考した答えを『システム2』と呼びます。

システム1は衝動的ですばやい反応ですが、システム2では高度な認知作業を担います。


私達の行動や決断というのは、この2つのシステムが上手にバランスをとりながら構成されています。


よく職場で、思いつきが早く仕事が早い!返事が早い!と言われる人がいますよね。システム1が優れているのかもしれません。
一方で、ちょっとした質問や課題を与えるたびに「うーん」とうなって熟考し、周りに「おそっ!」と思われるタイプの人もいます。システム2型なのかもしれません。

システム1は返答は早いですが間違えることもありますね。システム2は遅いですがより合理的な返答である事も多いわけです。

すべての人間に両方のシステムが備わっているものの、どちらかの特性が強いという現象がよく見られます。

どちらも善悪ではなく、

両方が補い合っている

ということです。

この2番めの例は、ダニエル・カーネマンの『ファースト・スロー』という本にも書かれています。

私は英語で読みましたが、日本語版も出ています↓



このように、実は私達の普段の意思決定や行動、他人との関わり方のさまざまなところで深く関わっているのが行動経済学です。

面白いですね。



この本は他にもさまざまな事象を学べたり、脳機能との関係性を教えてくれたりするので、深く知りたいという方にはおすすめです。




今日はこれで終わりです。

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