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右が神聖な英語。左が神聖な日本語。なぜRightは「右」でもあり「正しい」のか!?

こんにちは、語学の裏設定のゆうです。英語の世界観を学べる面白い表現があります。

put my best foot forward

この表現を解剖していくと以下のような面白いことが次々と分かってきます。

・英語圏では「右」が神聖視される理由
・rightが「右」と「正しい」を表す理由
・日本語では「左」が神聖視される理由
・左の語源が「日照り」だったこと

などです。

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この英語表現を直訳すると、Put(置く)+my best foot(最も良い足)+forward(前に)により、「一番優れた足を前に出せ」になるのですが、

足は右足左足しかないので、最良の足といえばどちらかの足になるはずです。筋肉がよりついている足でしょうか?より長い方の足でしょうか?

何が最良を決めるのか、英語と日本語の世界観を解き明かしていきましょう。



1.英語圏で「右」が神聖な理由

実は宗教と深く関わっています。
英語圏の主な宗教は何でしょう?

Yesの語源でもお馴染み、イエス・キリストが元になったキリスト教です。

アメリカの人口の約半数、ヨーロッパの人口の75%が信仰するキリスト教が分かると、西洋の世界観や英語の世界観がより鮮明に見えてくるので、広大な地域の言語の習得が早くなります。そんなわけで、物語のある英語シリーズではキリスト教の価値観の話を所々挟んでいくつもりです。

さて、

キリストは西暦30年4月7日に処刑され(Good Friday)の語源になりましたし、その3日後に復活したことからイースター祭が執り行われるようになりました。

この3日後の復活の時に、「神の右側に座った」とされています。

このことから右側=神聖というイメージが定着しました。

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ちなみに何で処刑されて「Good」なのかというと、もともとGod's Fridayだったのが、Good Fridayに訛ったからです。

察しの良い方は、気づくかも知れませんが、Goodの語源はGodです。oが1つ増えただけなので、英語の習いたての時に不思議に思った方もいるかもしれませんね。


もう謎が解けましたよね、Put my best foot forwardのbest footとはつまり
右足のことだったのです。

そう言えば、英語圏の食事の時に、手で十字を切って「アーメン」とお祈りを捧げますが、十字を宙に画く時必ず右手で十字を切ります。

なんて言うことも、こうした背景を知っていると自然と納得がいきますよね?!だから外国語を学ぶ時は、その裏の世界観を理解することが大切なのです。

知識と知識を連鎖させていく学習方法を敢えて図にすると、下のような図になります。



2.Rightの意味に「右」と「正しい」がある理由

実はrightには「権利」という意味もあります。
それも含めて、ここまで読んでくださった皆様にはお伝え致しますね!

・Right =右側
 (神聖なのは右側だから。)

・Right = 正しい
 (知恵ある人の心は右向きだから。)

・Right = 権利
 (正しく善良なものには権利がある。囚人に自由の権利がないですね。)


さて、「右」の説明と、「権利」の説明は納得が行くと思いますが、「知恵ある人の心が右向き」の意味がまるで分かりませんよね!?

実はこれには聖書が関係しています。

10:2 知恵ある者の心は右に向き、愚かな者の心は左に向く。

言い切っていますね!
左は悪だと!

知恵が有り、心が右側にある人は正しい人ということなのですね。

面白いネタはまだまだ尽きません。
スペイン語を勉强していた時のことなのですが、

右=Derecha (デレチャ)
左=izquierda  (イスキエルダ)

と言うのを見て、なんとなくラテン語に似ているなと思って調べたらやはりそうだったのです。

Derechaの語源はラテン語で右を意味するのdexterでしたし、
英語でもdextrousは「器用な」という意味で使われ、
右側に良いイメージが定着していることが分かりますよね。

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izquierda  の語源はラテン語で左を意味するsinister で、
英語ではsinisterという単語は「不吉な」という意味で使われ、
左側に悪いイメージがついていますよね。

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英語圏では左は邪悪なのか、、、
と考えてみると、左を意味するleftには「残り物」というマイナスの意味があるので、やはりそうだなと言えますよね。


3.日本で「左」が神聖な理由

上で散々「左」のことを語っておき、手のひらを返したように「左」を大絶賛して参ります!

日本の主な宗教は神道なのですが、神道の場合「左」の方が右より神聖とされています。

その証拠に、神社の鳥居のくぐり方の作法として、
中央よりを通るべきで左足から踏み出すべき
というものがあります。(ぜひ皆さんも次回参拝する時に!)

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左が神聖なのは日本神話から由来しており、イザナギノミコトが左目を洗った時に、日本で最高神とされている天照大神が生まれたとされているからです。そうです、伊勢神宮の神様です。

神話は抜きにしても、左が神聖だというのは生命を司る心臓の位置を見れば分かります。

そう、左側ですよね。ですから左側のほうが神聖とされるのは生物学的にも納得が行くことです。(ということは、英語圏は生物学的に逆行している!?)

実際に、古代エジプトでも、同じ考えから左側のほうが神聖とされており、それは彫刻にも見られます。彫刻を作った時に生きていた人は左足を出しており、既に死んだ人の彫刻の場合は右足が前に出ていましたっけ。


日出ずる国と言われる日本と、燦々と太陽が輝くエジプトで、左が神聖視されていたというのは興味深いことです。


4.左の語源は「日照り」です

左の語源にはいくつか説が有るようですが、その中に面白いものが有るので1つ紹介します。

左の語源は日照り説です。

左と日照りは、なんとなく発音が似ている気がしませんか?


先ほどの、日本の最高神の天照大神は太陽神です。

日は昇るほど、暑くなりますよね。
もちろん太陽は東から西へ行きますから、日差しの力が増しますね。
これを昔の人は、
方位図で左に位置している西、つまり太陽神がいる方向の力が増すと考えたわけです。

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日照りが強くなるのが左、ということなので昔の人の発想力には脱帽ですね。


5.Put my best foot forward の使い方

やっと使い方の話に入れますね!
物語のある英語の初回投稿ということで、ちょっと張り切りすぎました。


使い方はとても単純です。
「ベストを尽くせ!」という時に使ったら良いのです。

・You need to put your best foot forward in the interview.
 (面接でベストを尽くさなければならない!)

・ It’s important to put your best foot forward and never give up.
 (常にベストを尽くし諦めないことが重要です)

もしあなたがスポーツ選手や何かの大会に出た後なら、こんなコメントはかっこいい!

・Now my aim is to put my best foot forward for the next Olympics.
 (今、私の目標は次のオリンピックに向けてベストを尽くすことです)


おわりに

英語の世界観も、日本語の世界観も面白い!!
と思って頂けたら幸いです。

皆さんの語学への興味が倍になったことを祈って、

それではまた次の投稿で!

1言語1人格。語学だけで終わらない語学の学習を始めとして、留学・海外生活について投稿しています。フォローしていただくと、語学の勉強が楽しくなります。