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語学力が自動的に上がる仕組みを作れ!?語学学習のやる気スイッチが入る3つの理由。

こんにちは、語学の裏設定のゆうです。今日は、語学力が自動的に上がってしまう、習慣のベルトコンベアの作り方についてです。

ベルトコンベアと言うと、工場の自動生産ラインのことを思い浮かべる方が多いと思いますが、まさにそのことで、語学力の自動"向上"生産ラインを作ろうというお話なのであります。

実際のつくり方は次章以降に譲るとし、ここではその重要性について、1982年のアメリカの社会心理学者ウィリアム・ジェームスの言葉を借りて説明します。

「私たちの生活はすべて、習慣の集まりにすぎない。」

これを語学風に言い換えると、

「私たちの語学力はすべて、習慣の集まりにすぎない。」

となるのです。

つまり語学力とは習慣という部品を組み立てた製品なのであります。

さて、ここで習慣を「考えること無く自動的におこなっている行動」と捉えれば、「考えること無く自動的におこなっている勉強」、をすることが語学力向上の秘訣であると言えるでしょう。

だから勉強の自動化、つまり毎日何時になったら勉強を開始するなどの、勉強のベルトコンベア化をすることが語学学習成功の方程式なのです。

しかし、毎日生活が不規則であったり、曜日ごとにスケジュールが違うなどの原因で、「毎日何時に~する」というアプローチが取れない場合もあることでしょう。ご心配なく、そのような方でも、どのような方でも、毎日一定の速度で語学力を向上させる方法があるのです。

それが、次章で紹介する「キーストーンハビット」という、取り入れれば産業革命級の威力がある、学習革命なのであります。


1.キーストーンハビットとは

一言で表せば、「それ一つでいい習慣を次々に引き寄せてしまう力を持った習慣」となるでしょう。つまり、他の有意義な習慣を吸い付ける、強力磁石のような習慣のことなのであります。

言い換えれば、連鎖反応を引き起こす、起点に位置するモノとなるでしょうか。

図を見ての通り、習慣1が「キッカケ」になって、習慣2が発動しております。そして、習慣2が「キッカケ」となって、習慣3が発動....という具合に進んでいくのです。

この大元を辿れば習慣1にたどり着くわけで、このような起点になる習慣のことをキーストーンハビットと呼ぶわけです。

命名についてですが、ハビットは英語の「Habit (習慣)」から来ておりますから、とくにひねりはありません。「キーストーン」というのは、やや雑学的な知識になりますが、橋の一番支えになっている石のことです。

真ん中のキーストーンが無くなれば橋は崩壊するので、全てのバランスを握っているのはキーストーンであると言えます。このように、他の習慣の生死を握っているのが起点の習慣だ、と考えるため、1番目の習慣がキーストーンハビットと呼ばれる次第であります。


2.キーストーンハビットのつくり方

キーストーンハビットに適した行動と、そうでない行動があります。前者の向いている行動の条件とは、

・毎日確実におこなう
・気軽・または無意識におこなえる

この2つです。

例えば、朝ごはんを食べる、歯を磨く、お風呂に入る、など日常生活のルーティーンに密着しており、何も考えずにとっている行動です。このような行動と、勉強習慣をタイアップするのです。

・朝ごはんを食べたら、単語帳を1ページ見る
・歯を磨いたら、リスニングを10分する
・お風呂に入ってから、英語のドラマを20分見る

など、固定習慣と抱き合わせにするという発想です。


そもそも、習慣を束ねてしまう発想の根底にあるのは、「とっかかりを作る」という目的です。

何かをしようと思ったら、スマホが気になったり、机の上を掃除したくなったり、ちょっと動画を見たくなったりしたことはありませんか?

蟻の穴から堤も崩れるというように、このようなちょっとした、気が散る動作が原因となってやる気や勉強計画が台無しになるものです。つまり、「とっかかる」ことなく、1日が終わっていくのです。

これを防ぐために、まず始めるようにする。最初の5分を始めるようにするから、次の5分が続く...を繰り返すのです。

習慣1に日常的な行動をセットし、習慣2に超とっつきやすい勉強、習慣3にまぁまぁとっつきやすい勉強、習慣にはとっつきにくい勉強、という具合に、段階を追っていくのです。

習慣2には、昨日学習した単語を5つ読み上げるなど、すぐ始められてすぐ終わるものを設定するのが良いでしょう。習慣3には、音読などもうちょっとハードルが高いもの、習慣4には辞書を引くなどもうちょっと手間がかかることを設定すると良いと思います。


3.キーストーンハビットのメリット

一番最初のところで、「考えること無く自動的におこなっている勉強」することが、語学力を付ける勝利の方程式だと書きましたが、その点についてもう少し掘り下げていこうと思います。

利点を3つ挙げると下のようになります。

・気が散るのを防げる
・意志の力を必要としないから
・小さな勝利の積み重ねでモチベアップ


  ・気が散るのを防げる

これは先程の章で述べた内容の復習です。勉強しようと思ったら、ついスマホが気になる。机の上を掃除したくなる。このように、気が散ってしまう前に、「間髪入れず」勉強を始めてしまう、という工夫がキーストーンハビットなのです。

  ・意志の力を必要としないから

勉強しなきゃいけないのは分かっているのに、気が乗らない時があると思います。ここで感情に負けてしまい勉強をしなかったら負けです。ゆえに、机に向かう度に自分の感情と戦うハメになる人も相当数いることでしょう。

これでは勉強することに抵抗ができてしまします。意志力を強くするという手もありますが過酷です。そこで、発想を逆転させ、意志力を用いる必要をなくしてしまうのです。

これが自動化です。勉強したいとか、したくないとか、感情にお構いなく、歯を磨いたら勉強が勝手に始まる、お風呂から上がったら勉強が始まるように設定しておくのです。


  ・小さな勝利の積み重ねでモチベアップ

人間は勝利を感じると、ドーパミンなどのやる気物質が出ます。

習慣1のあとに、2が来て、3が来て、という構図は、第一ラウンドに勝利したら第二ラウンドが来て、第三ラウンドが来て、、、という構図と全く同じではないでしょうか?

先に進めば進むほどやる気をやる気が高まっていくのです。つまり、「とっかかり時」にやる気がゼロであっても、ものの15分もしたらやる気のスイッチが入っている状態になれるのです。

キーストーンハビットを設定することは、連鎖的に勝利を積み上げることにつながるので、勝利の方程式なのであります。


4.私の語学学習の例

個人的な例になりますが、実際に私が一年でTOEFL60点台から、96点にまで英語力を高めた方法を公開したいと思います。

恥ずかしいですが私はちょっとしたことですぐに気が散ってしまう人間です。それゆえ、やろうという気持ちは強いのに結局何も成し得なかったといういう日を送りがちです。

そこでいつも勉強する前に集中力を高めるために、コーヒーを飲むようにしていました。これを習慣1とします。カフェインが脳に入り、頭が起動した所で、すかさず「習慣2」の単語カードの復習を1時間するようにしていました。

その後は「習慣3」に1時間音読を配置し、「習慣4」にライティングを入れていました。

コーヒーから始まる、このようなセットを毎日回していたらTOEFLの点数が30点以上あがり、英語力を1つの形として証明できるようになりました。

もしこの習慣の力を使っていなかったら、「とっかかること」なしに終わってしまいがちな私は、英語力は上がらないままでしたでしょう。


いかがでしたか?

イギリスの哲学者、ウィリアム・ジェイムズは次のような言葉を残しています。

「習慣のおかげで、最初は行うのが難しかったことも、どんどん容易になり、十分に練習すれば半ば機械的に、ほとんど意識することなくできるようになる。

自分がどんな人間になりたいのかがハッキリすれば、人は「そうなるべく練習したように成長する。それは紙や上着をいったん折りたたむと、あとになってもその折り目どおりにずっと癖がついているようなものだ」)

「機械的に」+「折り目通りにずっと癖がついたように続く」、ということこそに習慣化の力が述べられています。そして、この最初の折り目を作るのが、キーストーンハビットなのであります。

機械的という言葉の響きから、人間性の無さを想像し、嫌がる人もいるかもしれませんが、語学の学習は、勉強したくないという自分の感情をコントロールすることにその妙があります。

機械的に勉強を始められる、自分に合った習慣のベルトコンベアを組み上げ、意思とは関係なく勉強できるようになっていれば、英語をマスターする日はそう遠くないと思います。

これが、語学力の向上には、語学力の工場を作ることが欠かせない理由なのです。

本記事がみなさんの語学学習の糧になったことを祈って、

それではまた!

PS

本記事と合わせて読むと、達成効率が上がる記事です。「1.01の法則」と言って、毎日、昨日の1.01倍の努力をすると1年後には今日の37倍強くなれるというお話です。


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