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葬送のフリーレン

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『葬送のフリーレン』は、現在(いま)とても熱いマンガの一つだと思ってます。表面的には淡々と進んでいる雰囲気の時が多いですが、魂が熱く、奥が深い。原作マンガ、アニメいずれかを問わず…
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2024年6月の記事一覧

葬送のフリーレンのあらすじを簡単にむふーっと書いてみた

葬送のフリーレンのあらすじを簡単にむふーっと書いてみた 今回はマンガ大賞受賞作、読んでよかった漫画ランキングでも1位に輝いた、おすすめの漫画『葬送のフリーレン』について書いてみようと思います。 葬送のフリーレンは冒険ファンタジーです。 物語は魔王が倒された後の世界から始まります。ゲームのRPGでいうとエンディングの後から始まるのです。すごい発想! 作品に流れるゆったりとした時間の中、散りばめられたユーモアと、主人公のフリーレンをはじめかつて一緒に旅をした勇者ヒンメルたち

だから、私はフリーレンのような強くて素敵な存在になりたい!

「葬送のフリーレン」の主人公のエルフであり、フリーレンは作中でもとても強い存在だが、実はあまり強くないのではないかとネットの反応などでも見たことがある。自分もそう思っていた。 そう思う一番の大きな理由は、単純に彼女よりも強大な力を持った存在や、彼女よりも強いと感じる人外のような凄い人間たちがいるからであろう。 フリーレン自身も自分は生きていた中で10回以上も負けていると言っていることもこの印象を強くする要因だと思う。 では、フリーレンがとても素敵だと思う点について話そうか。

「勇者ヒンメルならそうした」とは何か ~葬送のフリーレンと道徳実践~

0.はじめに 初めて葬送のフリーレンで記事を書きます、そにっぴーと申します。長い間アイドルマスターにどっぷり浸かっていましたが、今年の4月頃に葬送のフリーレンのアニメを見たのが全ての終わり始まり。  食い入るように最後まで見てしまい、それから原作を全部揃え、フリーレン展に行き――と、転がり落ちるようにハマりました。アイマスの出費を抑えて貯金しようと思ってたところでしたが、葬送のフリーレン関係の出費が加速度的に増えつつあります。このままだと炭鉱300年コースです。助けてくださ

ヒンメルというメンター

こんにちは。 還暦でもアニメにハマるんです いや 結構還暦世代に多いアニメラバー 葬送のフリーレンにハマってる人も結構いると思います さて フリーレンのアニメは今おやすみ中で 漫画はその先に進んでいるようですね アニメで話を追っているので 今の所私の中のフリーレンは また会った時に恥ずかしいからね ここまでです。笑 そこで ここまでの話でいろいろ考えてみようと思います ふと思ったのは あなたにメンターと言える人はいますか? メンターが何かといえ

魔王を倒して始まる命の旅物語:アニメ「葬送のフリーレン」感想

今更ながら、葬送のフリーレンをみました。とても良きアニメでした。 魔王を倒した後の物語という情報と、なにやらみんな見ているという情報は前情報としてあった感じです。見た感想としては、結構渋くない?(笑)っていう感じですね。もちろん万人受けしそうなポップさもあるにはあるんですけど、でも一定数楽しめない人もいるだろうなと感じました。とくに10代の子とかはどうなんだろう。僕的には年をとってから見るほうがより楽しめ作品なんじゃないかと思います。 というのも、この作品の根幹にあるテー

「終わりは始まり」の実際。~フリーレンの無限ループ~

葬送のフリーレン、4週目の視聴を終えた筆者です。 いやぁ…もちろん1回目に見た時の感動が1番大きかったんですけど、見れば見るほど、登場人物たちが話す言葉の意味や、その後の行動・表情の細かい変化に目が留まるので、やはりこだわりのある味わい深い作品だなぁと余韻に浸っています。 前回の記事を読んでくださった方々、ありがとうございました。 知らない土地に住む誰かが偶然記事をみつけて、一緒に「いいよね~」って思ってくれるって、嬉しいですね。 みつけてくださった方々のおかげで、あったか

【深読みフリーレン】人はいつか必ず死ぬのに、なぜ生きるのか

アニメ『葬送のフリーレン』が好きです。 【※注意】がっつりネタバレです アニメの2話目。 戦災で両親を亡くした少女フェルンは自死しようとしていました。 そこに、勇者ヒンメル・戦士アイゼン・魔法使いフリーレンと一緒に魔王討伐の旅をした僧侶ハイターが現れ、こう言います。 フェルンは両親との思い出を思い出し、踏みとどまりました。 その後フェルンは独学で魔法の修行をはじめ、魔法使いとして一人前になることを目指します。 フリーレンは勇者ヒンメルが天国へ旅立ったあと、魔法収

「葬送のフリーレン」(アニメ)が好き。これは冒とくではなく妄想なのです…

アニメ、最近観てます。 基本的には小説が私にとって最強のインプット媒体なのですが、 常にはまる小説に出会えているわけではないのでアニメで補填してます。 絵や音などがあるとまた別の楽しみもありますしね。 漫画も好きなのですが、電子書籍を読まないので家の本をあまり増やしたくないとなると手を出しづらいものがあります。 さて「葬送のフリーレン」。 私が見ているのはアニメです。 漫画は1巻を図書館でめくったぐらい。 なのでアニメの先の展開は一切知りません。 3月に1期(?)が終わっ

「葬送のフリーレン」解説

読み解き業界には仁義があります。現役作家の作品を細かく読み解きしすぎることは仁義に反します。よって概略だけの解説になります。ちなみに原作コミックは読んでいません。 風景と内面人生の記憶はあまりにも多く、長く生きる種族ともなればその量は森の樹木の数のように膨大なものになります。 しかしその記憶の中に、 深夜の森に立ち上る光のように、 煌々たる輝きを放つ一点がありました。 おわかりのようにこのシーンで、 今現在主人公の外に広がっている風景と、 主人公の内面にある過去の記

『葬送のフリーレン』における魔族のあり方とホメロス叙事詩における神々のあり方の連関について

『葬送のフリーレン』(以下、『フリーレン』)はアニメでも絶賛放送中の大人気漫画です。正直僕は最初食わず嫌いしてたのですが(流行り物に対しては少し経ってまだみんなが話題にしているかを傍観するくせがある)、読んでみるととても面白くて現在追っかけてる漫画の一つです。 『フリーレン』は主人公であるフリーレン(ちなみにこれはドイツ語の動詞frierenに由来し、「凍える」の意味。彼女の「冷たい」心からか)が、過去。ともに旅をした勇者の死に際して自らのあり方を反省し、人間のことを知るた

人生観をアップデートしたかもしれない

虐殺器官にハーモニー、この2つは文学が読めない頭に入らない鬱の時でもするすると読書が捗った。読んだ後に、著者伊藤計劃氏はもういないのだと知る。伊藤計劃について気になり、伊藤計劃記録という短編とかエッセイとか載った本を読んだ。その中で今でも好きなのが【人という物語】というエッセイで、人はなぜ子を成すのかという疑問から人生について書かれている。サクッと読め、最後の私は語り継がれたいで終わる。初めて読んだ時は気づかなかったが、亡くなる数ヶ月前に雑誌に寄稿されされたものらしい。それ

「葬送のフリーレン」のテーマの考察・解釈

以前に、アニメ「葬送のフリーレン」の解釈に関する投稿をしましたが、結構、荒い議論だったので、再考した文章をアップします。 ちなみに、今回、私はコミックの13巻まで読みました。 本稿は、アニメを見終わっている人を対象にしていますが、一部、アニメ以降のネタを含んでいますので、その部分ではあらかじめ注意書きを入れます。 魔王討伐の4つの意味 「葬送のフリーレン」の物語は、勇者一行の「魔王討伐」が終わり、帰還するところから始まります。 「魔王討伐」後の物語なのです。 そして、

Episode 759 希望の灯火に見えるのです。

TVアニメ版の「葬送のフリーレン」が第一期(2クール分・28話)が3月末に終了して2ヶ月が過ぎました。 ネットに賑わせていた「フリーレン Autistic (自閉の民) 仮説」を目にすることは減りましたが、この物語の「人間 (関係) とは何か」と言う問いの深さが色褪せることはありません。 月に一回、この物語の深読みをしてみよう…と思いつきで始めたこの「不定期連載」も今回で5回目、マンガ単行本を月に一冊ずつじっくりと読んで、私の思ったことを書く企画なのですが、今回は第5回と言

大切な人の喪失と『葬送のフリーレン』に支えられた日々

最近、私は大切な親しい人を失いました。その悲しみは言葉では表現しきれないものでしたが、幸いにもその期間、妻が私の側にいてくれました。彼女の支えなしでは、この困難な時期を乗り越えることはできなかったと思います。 妻が常にそばにいてくれることは、私にとって大きな救いでした。しかし、彼女が仕事で忙しく、一人になる時間が増えると、どうしても悲しみが押し寄せてきました。そのとき、私は漫画に救いを求めるようになりました。物語の中に没頭することで、一瞬でも現実の辛さを忘れることができまし