見出し画像

【noteで学ぶ腸内細菌学63:『不眠症』と腸内細菌の関係】

 こんにちは(o・ω・o)腸内細菌オタになりつつあるカエルです。
 
 今回も腸内細菌について。
 腸内細菌が荒れて腸そのものが荒れると『不眠症・肥満・うつ病』などの現代病になりやすいということはこれまでに幾度も解説してきました。
 
 腸内細菌・腸内環境は人の身体全体の健康状態・病気に関連していますし、腸内細菌には体内の慢性炎症を抑制する役割があるので「腸内細菌を整えよう!」って話になっているワケです。
 
 ですが「不眠症と腸内細菌にどんな関連性があるんだ?」とは思いますよね?
「睡眠って脳の状態のことでしょう?」って普通は考えます。
 
 てことで、今回はその辺りを解説してまいります(o・ω・o)よろしくお願いします。

画像1

□『不眠症』とは睡眠の"質"の劣悪化である

 ヒトを始めとする動物には睡眠が必須です。
 人間においては、睡眠を十分に取ることで

・体力の回復(血管の修復など)
・メンタルの回復
・記憶の整理・定着

 
 などを行います。
 ですので、ただ眠るだけではなく『質の高い睡眠』を取る必要があります。
 そこで問題になってくるのが『不眠症』です。
 
 そもそも不眠症とは、

入眠障害・中途覚醒・早朝覚醒・熟眠障害などの睡眠問題が1ヶ月以上続き、日中に倦怠感・意欲低下・集中力低下・食欲低下などの不調が出現する病気。
 
 不眠の原因はストレス・こころやからだの病気・クスリの副作用などさまざまで、原因に応じた対処が必要。
不眠が続くと不眠恐怖が生じ、緊張や睡眠状態へのこだわりのために、なおさら不眠が悪化するという悪循環に陥る。
厚生労働省-不眠症より引用

 という症状や負のスパイラルのことを指します。
 質の悪い睡眠・不眠状態が続くことで悪化していくワケです。
 ではなぜ睡眠の質が悪化するのか?
 ということですが、以下のような仕組みになっています。

・質の高い睡眠には[メラトニン]という脳内物質が必要

・[メラトニン]の生成には[セロトニン]が必要

・[セロトニン]の90%は腸で作られる
消化管粘膜(腸)で90%、血小板中(血液)で8%、脳内の中枢神経系で2%が生成される

・[セロトニン]の生成には[トリプトファン]という必須アミノ酸が必要

・[トリプトファン]は食事で外部から[タンパク質]を取り込む必要がある。
【大豆製品・乳製品・米・穀類・魚類・卵・バナナ等】

[タンパク質]⇒[トリプトファン]⇒[セロトニン]に変換しているのが腸内細菌

 いやぁ、人体って不思議ですねぇ。
 トリプトファンがセロトニンに代謝合成されるまでにもさらに2段階あるので、めちゃくちゃ複雑です。
 
 ちなみに、メラトニン生成前のセロトニンが不足するとうつ病の原因になります。
 
 質の高い睡眠に必要な[メラトニン]
 メンタルコントロールに必要な[セロトニン]

 それらをコントロールしているのは腸内細菌なんですよね。
 
(蛙・ω・)<腸内細菌すげーな。
 
 さて、これで「不眠症と腸内細菌にどんな関連性があるんだ?」という疑問は解決しました。
 
 次は「質の高い睡眠にするには?」というポイントで解説します。


□質の高い睡眠に必要なもの

画像2

 "質の高い睡眠"に必要なのは[メラトニン]だけではないので、今回のnoteでは[メラトニン]と[その他]で紹介します。

◆[メラトニン]を増やすために

✅トリプトファン多めの食品を摂る
食品中のトリプトファン含有量
(可食部100gあたり)
 
【特に推奨】 
玄米 94mg オートミール200mg
鮭 250mg カツオ 310mg マグロ赤身 270mg
 
 
【含有量的には推奨】
白米 82mg  パスタ(乾麺) 140mg 
そば(乾麺)170mg
豚ロース 280mg 鶏むね肉 270mg
木綿豆腐 98mg 豆乳 53mg
 
※摂取量の目安は、体重1kgあたり2mg程度。体重が60kgの方の場合は120mgとなります
※なお、動物性タンパク質と大豆食品はトリプトファンやその他栄養の吸収率が低いのでオススメは魚(オメガ3脂肪酸が◎)と穀物(の中でも玄米やオートミール)
  
✅腸内環境・腸管を整える
【特に推奨】
▶食物繊維の多い食品を摂る
▶[キノコ類][発酵食品]を摂る
▶サプリメントで栄養を摂る


◆睡眠の質を上げるその他の方法

✅睡眠時の推奨行動
①決まった睡眠時間の確保
②室内温度を18℃前後にする
③部屋を暗くする/ブルーライトを見ない
④眠くない時はベッドから出る
⑤午後のカフェイン/就寝前のアルコールをやめる
⑥寝る90分前にお風呂に入る
⑦寝る前に瞑想をする/4-7-8呼吸法を行う 

 
※詳しくはコチラで解説しています
【noteで学ぶ睡眠の化学④:良質な睡眠に必要な7つの条件】
 
 
睡眠前にしてはいけない事
▶カフェインの摂取[コーヒー等]
▶アルコールの摂取
▶ブルーライトを浴びる[パソコンやスマホ]
▶睡眠3時間以内の食事
▶喫煙
 
※「酒を飲むとよく眠れる」はデマです。
飲酒による睡眠は「脳の麻痺状態」であることが解っており、睡眠の質は極めて悪いというのが科学的な結論です。
 
特に誤解されていることが多いので解説すると、
アルコールは、
・ノンレム睡眠ステージ3&4の深い眠りを妨げる
・睡眠を分断させる(夜中に何度も起きる)
・レム睡眠による情報整理・感情の修復を邪魔する


睡眠には、
①脳・血管・身体機能の修復作用であるノンレム睡眠
②情報整理・感情とメンタルの修復作用があるレム睡眠

の2つがありますが、アルコールはそのどちらも妨げ、良質な睡眠を阻害してしまいます

 
 などなど。睡眠の質を上げる、睡眠の質を上げやすい体質になるためにできることはたくさんあります。
 できることから始めてみてくださいね。
 

□睡眠が悪化しやすい体質を改善する

①睡眠と腸内細菌の関係
②睡眠の質を上げるためにできること

 
 を紹介してきました。
 最後に、③腸内環境のためにできること を紹介します。

◆リーキーガット症候群を改善する
 
 リーキーガット症候群とは腸管に穴が空いて毒素が体内に漏れ出す[腸漏れ]のことを指します。腸の内外(つまり全身)で様々な病気を併発させる症候群です。
 
 リーキーガット症候群の原因にはいくつかありますが、

・食生活(果物や野菜を食べずに、砂糖や加工食品の消費が多い)
・ストレスの増加
・食物感受性(乳製品、小麦/グルテン、トウモロコシ、大豆が一般的な誘因)

・食物アレルギー
・抗生物質の使用
・NSAIDs(イブプロフェン、ナプロキセンなどの非ステロイド性抗炎症薬)
・常習的なアルコール(女性は1日1杯以上、男性は1日2杯以上)
・不十分な胃酸生成物(胃酸抑制薬)
・原虫感染と寄生虫感染
・小腸細菌過増殖症候群(SIBO)
 
※特に太字が原因であることが多い

 などが挙げられます。
  
 では改善する方法ですが、

◆以下の食品を極力減らす(本当は1ヶ月ゼロにするのが良い)
 
✅パン(全粒粉パンもダメ) ✅豆(納豆はOK)
✅乳製品 ✅砂糖
✅植物油(コーンオイル、ベジタブルオイル、キャノーラ油、サフラン油、大豆油など)
✅アルコール ✅カフェイン(お茶もダメ)
✅過度の炭水化物(1日の糖質量は100gぐらいまでがリミット)

 
 
◆以下の食品を増やす
 
✅発酵食品(納豆、キムチ、ザワークラウトなど)
✅乳酸菌サプリ ✅水溶性食物繊維
✅アボカド ✅ココナッツオイル
✅エキストラヴァージンオリーブオイル
✅アマニ油
✅オメガ3系サプリ

 などなど。
 そもそも腸管に穴が空いてる"最悪の状態"を改善せねば、睡眠の準備の第1段階が整いません。
 第1項に書いたように、睡眠には腸内細菌が活動するための腸内環境が必要だからです。
 
 
 ということで、今回は睡眠と腸内細菌についてかなり深めに解説しました。
 
 前述しているように、睡眠の質を上げるための行動は腸内細菌を整えるだけではありませんが、腸内細菌が整わないと ""睡眠の質が上がることはない"" のは事実です。
 
 カエルは腸内細菌オタクなので腸内細菌のことを推しまくるワケですが、それは腸内細菌とそれを包括する腸内環境が人体にとてつもなく大きな影響力を有しているからです。
 
 そしてそれが科学的に証明された、エビデンスを持った情報だからです。
 
 趣味や好みで腸内細菌を全面に推しているだけのオタクではないので、ぜひ参考にしていただければと思います。
 
 ぜひ人生の役に立つ知識として覚えて活用してくださいね(o・ω・o)ノシ

 

【参考記事】






ここから先は

0字
心理学から腸活・細菌学まで。 狭いようで広い知識を1分で読む。 時間のない人向け。

1分で読めるnoteのまとめ それぞれは全部無料で読めます   読んでみて「これは価値がある」と思えたら、100円投げ銭してくださいませ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?