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逆境を歓迎する


逆境をどう捉える?


逆境は辛いものです。
誰しも、出来ればつらい思いはしたくありません。

しかも、そのつらさがいつ終わるかもわかりません。

ですが逆境は、
人生をより良く充実させるチャンスです。

逆境を歓迎すると、新しい自分への道が開き、
より理想の自分を手に入れることができます。

逆境をどのように捉えるかで、
その人の人生は変わります。

今回は逆境に関しての、
有用な捉え方を考察します。


自然の教訓


蝶やセミなど、幼虫が成虫に変化する過程を例にとります。


かれらは、成虫としては羽を持ちますが、
幼虫(あるいは、さなぎ)の段階では羽を持ちません。


成虫になる瞬間、
幼虫の体の殻を破り、羽を開くという過程がありますが、

この過程を人の手で、促進してしまうと彼らは、
成虫として自然界で生きていくことが難しくなります。

私は幼少期、
成虫になるセミがもがき苦しんでいるように見えたので、手助けしようと、幼虫の殻を破るのを手助けしてしまったことがありますが、
そのセミは飛べなかったと記憶しています。

その時は理由が分かりませんでしたが、

人の手により、
成虫として飛ぶための筋肉や神経を活性化するための
「必要なもがき」を奪ってしまっていたのです。


彼らは、もがきながら羽を開くという逆境を超えることにより、
成虫として生存するために必要な、
力強く空を飛ぶ力を獲得しているのです。

逆境を超えることなく、
生きる力の強い個体にはなれないのです。



逆境と成長


私たちの人生も同じで、
逆境に立ち向かうことで生物としてより強くなり、
生きる力を付けることができます。

あなたが教育する立場にあるなら、

何でもしてあげるという行為は、
相手のレベルに応じては必要ですが、

安全に配慮した範囲で、
逆境に立ち向かわせるということが重要になります。

というのは、子供にしても生徒にしても、
いずれは一人で生きていかなければいけないからです。

何でもしてあげるというのは、
状況を自力で克服する力を養う機会を奪うことにもつながるのです。


これは、他者に対してのみならず、
自分に対しても持つべき考えです。

自分に対しても過保護になり、
逆境を生みそうな挑戦を避けていたら成長することは難しいです。

時にはサイコロのように自分を放り投げ、
対処をその時の自分に任せるということも必要です。

新しい環境という逆境を、自ら作り出すということです。


大人になって社会的地位を高めるにつれて、
逆境が発生するような課題を与えてくれる他者はいなくなります。
あるいは変化への欲求より、現状を壊す恐怖が上回るようになります。

子どものころは、

歩けるようになるのも、
自転車に乗れるようになるのも、

何度も失敗してできるようになりました。

当時私たちは逆境慣れしていたのです。


歳をとり、
逆境から身を遠ざけるように自分の立ち位置をコントロールすることができるようになり、
逆境と、それを生むきっかけになる挑戦を避けるようになってしまいます。

成長を望まない生き方を否定するわけではありませんが、
新しいことに挑戦せず、変化と成長のない人生は、
あっという間に過ぎることになります。


ジャネーの法則


「ジャネーの法則」と言って、
歳をとるごとに体感時間が短くなるというものがあります。

80歳まで生きるとすると、体感時間の真ん中は20歳になるそうです。


この法則が成り立つのは、

過去と同じことを繰り返すとき、

目の前にあるものを今認識するのでなく、
過去の記憶を再放送して見た気になる。

という脳の省エネ機能が使われるからです。

目の前の現実を生きていない時、
体感時間はあっという間に過ぎることになります。


「時間は大切」というのは、
多くの人が当たり前に持っている価値観だと思います。

であれば、時間があっという間に過ぎて、
気付いたら一年が終わっていたなどと言うことは重大な問題です。

もちろん、楽しい時間があっという間に過ぎたということもあり、
これは充実した時間を過ごしているということで喜ばしいことでしょう。

しかし、楽しい時間があっという間に過ぎるというのは一日単位程度の、
短い時間軸での話です。

一年単位の時間があっという間の場合、注意が必要です。


充実した人生を送るには、
一日はあっという間、一年は長いというのが理想でしょう。


子どものころはそうだったのではないでしょうか?

起きたと思ったら、あっという間に寝る時間。
なのに夏休みはまだ来ない。

その時の感覚を常に持つことが、
時間をうまく使い人生を長く楽しむ秘訣です。

誰しもできていたことなので、
今忘れてしまっているだけで必ずできます。


子どものころにあって、大人になって減るもの。

それは変化と成長です。そしてそのきっかけになる逆境です。

逆境を歓迎することで、充実した人生を長く楽しむことができるのです。


逆境を歓迎する


「逆境を歓迎する」という考えを癖づけると、
常に成長するチャンスが目の前に転がっていることに気付きます。

そして、
他の人が避ける場合でも、自分は拾いに行けます。

すると自分はどんどん成長していくことになります。

成長すると、かつて逆境だと感じていたものは、
取るに足らない存在になっていることでしょう。

避けていてはこの変化は起きません。
LV1の敵から逃げ続けていると、ずっとLV1の敵に悩まされることになります。

LV1の敵を倒し、LV2の敵を倒し、、、というのを繰り返していけば、
LV1の敵は、軽くあしらえるようになります。

もちろん、
成長しても逆境はもっと高いレベルで存在することになりますが、
それはさらなる成長のきっかけとして歓迎すべきもので、
喜ばしい存在だととらえることができます。

逆境慣れして日々成長している人は、
そのような考えが身についているはずです。


成長こそ、生命の本質です。

どういうわけか、
私たちは成長・拡大することに喜びを見出すようにできています。

終わりのない成長を求め、
常に逆境を歓迎し続けることが、
人生を充実させる鍵になるでしょう。



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