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消雲堂
2021年3月18日 11:33
…20××年3月の始めのことだった。滅多にかかってこない自宅の電話が鳴った。前年の暮れに行われた衆議院議員総選挙で、地元の政治家、園井真司の手伝いをした際に知り合った村野藤吾からの電話だった。村野藤吾は園井真司の秘書をしていた。村野は関西出身で、いつも慌てたような話し方をする。「田辺さん、僕です、村野ですぅ。元気ですかぁ?」「村野さん? どちらの村野さんですか?」「やだなぁ、村野藤
2021年3月17日 16:17
僕のブログ「消雲堂の安全対策」2012年8月20日の記事をそのまま転載。柳田国男の遠野物語は、119話から成り立っています。この間、柳田国男さんの遠野物語から一つの話(*)を引用しました。遠野物語の中に三陸津波における話があるというので、ペラペラと本をめくってみたのですが、見つからなかったのです。それでちょうど100話目の津波の被災地である船越の話を転用させていただいたのですが、その後、NH
2021年3月17日 13:03
2019年のホラー作品。製作はアイルランド、スウェーデン、ベルギー。シー・フィーバーとは海洋病のこと。海洋生物学を専攻する人づきあいが苦手な女子大生シボーン(ハーマイオニー・コーフィールド)。博士号取得のために漁船ニーム・キノール号に乗り込みます。乗員は、船長のジェラード、船長の妻フレイア、船長の母キアラ、技師のオミッドに船員のジョニーとステイ。シボーンの神の色は赤毛。「赤毛の女は縁起が悪
2021年3月17日 10:17
前回も触れましたが、潜在意識は人間の様々な行動に結びついています。人を殺した人が“まともな人”であれば、人殺しの罪に苦しみ、殺した人の幽霊を見るのです。まともな人でなければ、人殺しに罪を感じませんから幽霊を見ません。あるいは最愛の人が亡くなって、生き返ってほしいと強く願うあまりに、潜在意識の中に最愛の人の姿を焼き付けてしまったら、似たような人を見ても、あるいは電柱や木々を見ても、それが最愛の人に見
2021年3月13日 02:38
2021年3月12日 15:31
映画「禁断の惑星」(1956年公開)に登場する、人間の潜在意識が創造した「イドの怪物」。考えたら凄いですね。実体がないんですからね。実体がない割にはモノを破壊したり、人間を鷲づかみにして殺したりできるんです。テレキネシスの強力なやつですね。作品中では描線アニメで後半に凶暴な姿を現します。作品中の特撮アニメはウォルト・ディズニー社が担当しているそうです。それまでは透明です。しかし、よく、こんなお話を
2021年3月8日 00:38
47年前…父が購入したモーターボートに乗って猪苗代湖にある翁島の周辺を旋回していたら、水深の浅いところに沈んでいる神社の鳥居や道祖神のようなものがたくさん見えた。「翁島辺りには昔の村が沈んでっから、ボートのスクリュー引っかけだりして危ねぇがら行ぐなよ」と従兄が言った言葉で、好奇心が湧いて島まで来てみたのだった。実際に見てみると、それらは湖底に沈んだ村人たちの死臭のようなものが感じられてかなり不
2021年3月6日 00:20
僕は、ある都会からディーゼル機関車に乗って、故郷へと向った。故郷は東北の片田舎で、1週間前に起きた大きな震災によって壊滅したと聞いた。故郷といっても家族も親族もいないので心配する必要もないが、それでも生まれ故郷なのだ。気になるではないか? 「にしゃは、どごまで行くんだ?」運転手が操縦レバーを巧みに動かしながら聞いた。「え、I町まで行きますが…」「I町には入れねぇよ」「どうしてですか