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消雲堂綺談

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私は怪談奇談が好きで、身近な怪異を稚拙な文章にまとめております。
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記事一覧

地獄横丁「如月AIの冒険」がしゃ髑髏

地獄横丁「如月AIの冒険」がしゃ髑髏

如月AIが彷徨う地獄横丁に巨大な骸骨の妖怪「がしゃ髑髏」が現れた。

がしゃ髑髏は如月AIを探しているのだった。

「如月AIはどこだ? 出てこないとこの街をぶっ潰すぞ」と言って笑った。

「私はここにいるわよ」如月AIが現れた。
「お前が如月AIか? やっと見つけたぞ。俺はお前を殺すという命令を受けているんだ」
「私は、この街でgrimoire(グリモワール)を探しているのよ、あなたに構っている

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夢日記「花より女性」2024/4/20

夢日記「花より女性」2024/4/20

道を歩いていると目の前の公園にきれいな花が咲いている。
ピンク色の大きな花で写真を撮りたい欲求にかられる。
見れば道の左に側に少しへこんだ空き地があり、そこで写真を撮ってる男がいる。ここは絶好の撮影場所かも? と考えて、空き地に降りる。
カバンから昔購入したCANONのコンパクトデジタルカメラを取り出して寝転んで花の写真を撮り始める。しかし、少し遠い。レンズを調整していると先に空き地で撮影していた

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地獄横丁「如月AIの冒険」2

地獄横丁「如月AIの冒険」2

「グリモワール?」聞いたことがない。
「悪魔を呼び出す“悪魔召喚書”のことをそう呼んでいるんだよ」」

悪魔召喚や魔術に関連する書籍は、歴史を通じてさまざまな文化や伝承で言及されてきた。これらの書物はしばしば「魔術の書」や「グリモワール」と呼ばれ、古代から中世、近代に至るまでの知識や信仰、儀式が記されている。いくつかの有名な悪魔召喚書には以下のようなものがある。

ソロモンの鍵(Clavicula

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地獄横丁「如月AIの冒険」1

地獄横丁「如月AIの冒険」1

迷路のように入り組んだ地獄横丁は、迷い込んだ人間の魂を奪って成長するという話を聞いたことがあります。

今回、地獄横丁に迷い込んだのは日本人女子高生の如月AIちゃんです。

AIちゃんは高校からの帰り道に何者かに拉致されて気を失ってしまいました。目覚めるとそこは見知らぬ街でした。そう、地獄横丁でした。

血管のように複雑に絡み合った路地を彷徨っていると・・・。古書店ばかりが並んだ路地に辿り着きまし

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福島綺談 1「郡長正の切腹」

福島綺談 1「郡長正の切腹」

会津白虎隊といえば、慶応4年(1868)の会津戦争で、会津藩の鶴ヶ城から離れた飯盛山で、鶴ヶ城からあがる白煙を落城と早とちりして集団自決したことで知られる。少年の自決は、武士道とか美化されるが、現代の感覚からはどうかと思う。生き恥を晒して罵倒に耐え抜いて図太く生きる方が個人的には立派だと思う。

今回は白虎隊の話ではない。

会津藩の家老に萱野長修(権兵衛:ごんべえではなく、ごんのひょうえと読むら

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東京万景 大手町「将門の首塚」

東京万景 大手町「将門の首塚」

今日は目黒で打ち合わせがあったので目黒まで出かけた。最近は電車賃を安くあげるために西船橋から東西線に乗って、大手町で乗り換えて三田線で目黒まで行く。総武線で秋葉原で山手線に乗り換えるのもありだが、こちらは乗り換え時に秋葉原での人混みが嫌いなのだ。

大手町で乗り換える際に、気になることがあった。昔、何度も拝みに行ったことがある「平将門の首塚」に行ってみたいと思ったのだ。しかし、打ち合わせを終えると

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「血」

「血」

仕事場に向って急いでいると小さな十字路があった。
見れば警官が数人道路にしゃがみ込んで何かを調べている。
そのなかのひとりの警官に「なにかあったんですか?」と聞いてみる。
「交通事故です。あ、あちこちに血だまりがあるので気をつけて歩いてください」
「あ、はい」
見れば十字路の中央周辺に大小の赤黒い血だまりができている。
血を踏まないように注意して歩いて仕事場に向った。
しばらく歩いていると足元から

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ピクニックatハンギング・ロック

ピクニックatハンギング・ロック

大好きな映画に1975年に公開された(日本では1986年です)「ピクニックatハンギング・ロック」(ピーター・ウィアー監督)というのがあります。美しい女子学生たちが巨石が集まった“古墳”のような不思議な場所で行方不明になるというお話です。ちなみに原作は「ピクニック(アット)ハンギングロック」なのに映画やテレビドラマ(ドラマ版もあるんですよ)は「ピクニック(at)ハンギングロック」のatアットなのか

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妄想邪馬台国「出雲に神の国あり」7

妄想邪馬台国「出雲に神の国あり」7

「武烈天皇ってのは応神天皇のふたつの血筋のうち、応神の子である仁徳天皇からの最後の血筋だね」
「ふたつの血筋?」
「ひとつは応神ー仁徳ー履中ー反正ー允恭ー安康ー雄略ー清寧に続き、もうひとつは履中から飯豊青皇女(飯豊天皇)ー顕宗ー仁賢ー武烈という血統になるね」
「良く覚えているね」
「エッヘン」治子が胸を張った。その胸を異能が凝視している。スケベェな奴だ。
「武烈の姉が手白香皇女なのよ。この女性は、

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超短話「ジグソーパズル」

超短話「ジグソーパズル」

ある日、K子は、見知らぬ男からキレイな箱をプレゼントされた。通常ならば断るのだが、男があまりにもかっこ良すぎた。最新の韓国ドラマの主人公役を演じる何とかボゴムみたいな美男子だったから。それに断る暇もなく何とかボゴム似の男は消え失せていた。

家に帰ってから箱を開けてみるとジグソーパズルだった。
「ジグソーパズルなんて古くさい。でも完成すると、どんな絵が現れるのかしら?」
K子は、興味本位でパズルを

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