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趣味は新聞コラムを読むこと

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新聞各紙のコラムについて書いたものをまとめています。
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#令和3年

全盛期は常に未来にある

全盛期は常に未来にある

近頃お寺の標語が色気づいていて腹が立つことがあります。あわよくばSNSで話題になることを狙っている下心ありありありありありありーゔぇでるち!!な標語にはさよならしたいと思っています。いや、昔は確かに面白いと思ったこともありましたがね、今はなんだか「もういいよ」っていう気分。勝手だなんて思わないでね。でも、彼氏のことを好きで好きで好きでたまらなかったのにお付き合いが長くなるにつれ、「こいつ、ほんまに

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したいけれど、できない。できるけれど、したくない。

したいけれど、できない。できるけれど、したくない。

昨日の長崎新聞『水や空』にゲーテの名言が載っていました。「人生は次の二つから成り立っている。したいけれど、できない。できるけれど、したくない」。

「したいけれど、できない」は可愛げがありますが「できるけれど、したくない」は自分本意ですね。そのうえ、「俺レベルになるとできないことはないけど」っていう驕り高ぶりが見えます。なんというか、「値打ちこいてる」感じがします。例え本音では「できるけれど、した

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夜というのが何のためにあるのか

夜というのが何のためにあるのか

今日の愛媛新聞『地軸』が遠藤周作の著書『明日という日があるじゃないか』の言葉を引用していました。

夜というのが何のためにあるのか。眠りは何のためにあるのか。著書の中で遠藤周作は、「夜や眠りによって今日と区別される明日があるから、私たちは生きる上で助かっている」といっているらしい。愛媛新聞を引用すると「その日に嫌なことや不愉快なことがあっても一晩寝て時間を区切るのだ。次の日には、どうにか鎮まって希

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所詮ダブルスタンダード

所詮ダブルスタンダード

今日の宮崎日日新聞『くろしお』に教員のわいせつ行為についての記述がありました。

【以下引用】
問題が起きると、教育関係者は「一部の不心得者が」とよく口にする。ほとんどの先生が真面目なのはその通りだろう。だが長年被害者支援に当たってきた元中学校教師は「学校の構造的な問題として「何となくおかしいと他の教師が気付いても気兼ねして言い出せない」空気がある、と指摘する。(引用終わり)

その空気は痛いほど

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小学5年生の長男に何を読ませるか問題

小学5年生の長男に何を読ませるか問題

小学5年生の長男はゲームで遊ぶかYouTube見るかばっかりで、読書といえば漫画だけ。そのいずれをも否定するつもりはないのですが、やはり活字の本も読んでほしい!ということで、灰谷健次郎の『ろくべえ まってろよ』を読ませているのですが、読み終わる前に次の「課題図書」を、といろいろと探しております。

せっかくなので自分でも読んでみて自信をもって「おもしろい!」と太鼓判を押してやってから読ませてやりた

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愛読書をもう一度読んでみては

愛読書をもう一度読んでみては

今日の朝日新聞『天声人語』に元アメリカ国務長官コリン・パウエル氏の著書『リーダーを目指す人の心得』に書かれている言葉が引用されていました。

「聞き手が聞くべきことを話さなければならない」

この本はアメリカ陸軍や連邦議会で鍛えたスピーチ哲学が惜しみなく紹介されていて、菅義偉首相の愛読書だそうです。

2年ぶりに国会党首討論が行われ、菅首相が初めて野党代表と論戦を繰り広げました。毎日新聞『余録』に

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使ってるほうの人生を喜びたい

使ってるほうの人生を喜びたい

新型コロナウイルスの感染拡大がなければ、ハングルの勉強なんてしていなかったし、小説を書いて懸賞に応募したりすることもなかったのだろうと思うと、新型コロナウイルスの感染拡大がなかった世界を自分はどう生きていたのだろうと考えることがある。

それなりに楽しく生きていたのだろうとは思うけど、いまはいまで楽しい。たらればにすがるのは過去の栄光にすがるよりも情けない気がする。沢木耕太郎さんの著した『世界は「

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東京と大阪のエスカレーター

東京と大阪のエスカレーター

令和3年4月3日の日記
エスカレーターで立ち止まる場所が東京は左で大阪が右、という話題を引っ越しの多い年度初めに毎年耳にします。

先日の読売新聞の編集手帳によると、東京で左に人が寄るのは、江戸時代に前から来る武士の左腰にさげた刀にぶつからないようにしたためで、大阪で右に寄ることになったのは、商人が大切な商品を右手に持ち町家に沿って歩いたから、という「不確かな」起源説もあるらしいです。

このエス

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わかりやすく面白いウソが好き

わかりやすく面白いウソが好き

令和3年4月1日の日記
西洋では昔、4月1日に新年のお祝いをしていたそうですが、後にフランスの王様が、1月から始まる新暦を採用すると、人々は4月1日のことを「うその新年」と懐かしみながら、ふざけてお祝いするようになったといいます。一説にはこれがエイプリルフールの起源であるとされています。『民明書房』ではなく、ちゃんとした新聞のコラムに掲載されていたものです。(南日本新聞)

昨年のエイプリルフール

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私のlife、買い物はfresco

私のlife、買い物はfresco

令和3年3月29日の日記
新聞で私が好きなのは、まず1面のコラム。「朝日新聞」における「天声人語」のポジションにある各紙のコラムは知の宝箱です。主要紙(読売朝日毎日産経日経)ほか、北は北海道から南は沖縄までのネットで無料で見られるやつは全部毎日読んでます。(ただ、好きとはいえ、しんどいのはしんどいので、土日祝はお休みさせてもろてます)

普段滅多にイヤだな〜と思うことはないのですが、今日の産経新聞

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フィルターバブルと伊勢物語

フィルターバブルと伊勢物語

令和3年3月26日の日記

選挙があるたびにSNSで「選挙に行かないと政治は変わらない」という意見を目にする。自分のところの石を他山の石とか言うような政権には引導を渡してやろうじゃないか!というような意見が大きなうねりとなっているように思うのに、結果はいつも、、、、
ということがずっと続いている。
これって結局、私のタイムラインに流れてくるのが、そっち方面の動きばかりなだけであり、きっと現政権寄り

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令和の乱 炎上を生んだツイート

令和の乱 炎上を生んだツイート

令和3年3月23日の日記
昨日書いた歴史学者さん、私が思っていた以上に燃えていたし、燃えるのも仕方のない案件であった。悲しい。現代社会は人の愚かな部分を絶妙に炙り出す。著書を読み感銘を受けても、それは他所行きの姿であり、歴史学者としての一面でしかない。人間として賢いか否かはまた別の話なのだろう。著作に罪はないし、歴史学者としての功績が否定されるものではないと、やはりフォローはしたいが、大きな傷が付

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号砲なのか合法なのか

号砲なのか合法なのか

令和3年3月16日の日記

朝のラジオで日本経済新聞1面のコラム「春秋」を引用していたのを引用する。しかし、私は今、「春秋」を見ながら引用しようとしているから正直なところをいえば、間にラジオをかます必要はいまのところない。

「携帯電話の料金は今よりも4割程度下げる余地がある」。当時、官房長官だった菅義偉首相のこの発言が号砲であった。

と「春秋」には書いてあるのだが、朝のラジオでは「携帯電話の料

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