わかりやすく面白いウソが好き
令和3年4月1日の日記
西洋では昔、4月1日に新年のお祝いをしていたそうですが、後にフランスの王様が、1月から始まる新暦を採用すると、人々は4月1日のことを「うその新年」と懐かしみながら、ふざけてお祝いするようになったといいます。一説にはこれがエイプリルフールの起源であるとされています。『民明書房』ではなく、ちゃんとした新聞のコラムに掲載されていたものです。(南日本新聞)
昨年のエイプリルフールには「宿題ぜ〜んぶやってくれるパソコン発売」「航空機1機プレゼント」「ジュラ紀恐竜の足跡にトミカ跡」などなど。各企業がうそのネタをリリースしていました。いま思い返してみると、初の緊急事態宣言が発令される直前のことであり、世間もかなりピリピリしているなかですから、そのユーモアに微笑ましくなった人が多かったのか、それとも眉を顰める方が多かったのかはわかりませんが、今年は昨年以上に眉を顰める側の人のほうが多くなったような気がします。
ただ、近頃はウソの質も変化してきたように思えていまして、以前と比べると「本当だと思わせようとするウソ」が増えた気がします。昔は一見して「ウソ」とわかるウソが多かったのですが、いまはそれではユーモアにならないらしい。わかりやすいウソだと「つまらない」という烙印を押されてしまいます。
長い年月をかけて変わっていったものなのか、それともここ数年で劇的に変わったことなのか、それはわかりませんが、あまり好い傾向ではないように思います。そこには信じてしまった人に対する「ウソに決まってるじゃん、何本気にしてんの?」という侮蔑があり、その侮蔑は同時にエクスキューズにもなります。「ほんの軽い気持ちやったんです」ってやつ。本気にしてしまった人が救われないのが、私はなんだか悲しくて、最近のエイプリルフールが好きではないんだなー。
ウソってまるわかりなのに面白い!っていうのが幸せなんですが、これは相当レベルが高いと思います。結局皆さん、高いレベルに対応できないから、手軽にできてリスクの少ない「本当みたいなウソ」に傾いていくのだろうな。って思うんですが、そんなことはないのでしょうか。
明日が誕生日のうちの次男はこの4月に小学校に入学します。長男は5年生です。お世話になる小学校の桜を撮りました。
春。