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設計について

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木造住宅の設計事務所をしています。設計のこと、現場のことなど様々なことを綴っています。お茶室、古民家再生については別マガジンに纏めていますのでそちらもお読みいただけたらうれしいで…
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#新築住宅

木の使い方…

木の使い方…

古民家の屋根裏を見てみると大きな梁が入っていることに度々驚く、そしてその梁の多くは曲がった梁が使われています。

アーチ上に湾曲した梁は重い屋根の荷重を支えるのに向いている。トンネルの頂部がアーチになっているのと同じ考え方です。

そして、もうひとつ木材の使い方のセオリーからもアーチの反りのある方が上にくるのも自然な使い方なのでもある。

木材の使い方は生えていたように使う…というのがセオリーにな

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経年変化を楽しむ心…

経年変化を楽しむ心…

現在の住宅は約30年程度でメンテナンスしなければ劣化していきます。それはなぜでしょうか。

屋根や外壁、室内の建具やフローリング、壁はビニールクロス。全て工業製品で作られています。工業製品は最初は美しいですが、経年変化により痛み、みすぼらしくなります。

そして工業製品は寿命があり、寿命を伸ばすために塗り替えたり、交換したりといったメンテナンス=手間をかけることが必要です。

しかし、多くの消費者

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3D住宅が日本でもスタンダードに

3D住宅が日本でもスタンダードに

アメリカでは、住宅不足による深刻な住宅危機が続いているようで、木材価格と供給不足、いわゆるウッドショックにもなっていますが、供給不足解消のために3Dプリンターを使っての住宅建設が試みられているようです。高級住宅を手掛けるキャンデラリア・デザイン建築事務所が設計し、ハビタット・フォー・ヒューマニティーがアリゾナ州テンピ市に3Dプリント住宅を建設中です。

3D 住宅なら曲線を活かした新しい未来的なデ

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廊下について

廊下について

昔の古民家には廊下がありませんでした。座敷の外側には広縁や濡れ縁と呼ばれる廊下がありましたが、これはいわゆる緩衝地帯、外部と内部との境界線であり、結界であり、今一般的に言う部屋と部屋とを繋ぐ廊下とは役割が異なっています。

今いわゆる廊下と呼ばれる間取りの家は大正時代後期から出てきた中廊下式という間取りが始まりで、戦後欧米のプライバシーを重視する住宅様式と合致して住宅には廊下があるのが当たり前の常

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資金計画

資金計画

今日は資金計画について思うこと…
住宅ローンの金利はずっと低いままなのでやはり家を建てるには時期的には向いていると思います。6月1日時点でのフラット35の金利は年1.350%~2.150%、銀行によっては変動金利の方が安くなる可能性もあります。金利は少し上昇傾向のようですが、コロナ不況があるのでなかなか立ち直りまではまだ時間がかかる気がします。

ここで一般的に言われている住宅取得のための予算につ

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プロフィール

プロフィール

茶室を学びたい建築業界の皆様へ「茶の湯住宅プロデューサー」資格
一般社団法人茶の湯住宅推進機構
TEL 089-910-7377 FAX089-910-5680
愛媛県松山市西垣生町486番2
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ウッドショックの波

ウッドショックの波

昨年から木材の価格が世界的に高騰して、木材不足が続いています。日本の木材自給率は37.8%しかなく、輸入する木材も入ってこないので柱や梁に使う住宅用木材も不足しており、その波が半年遅れで松山にも来たようです。
材木屋さんの在庫が少なくなっており、注文してもいつ入ってくるのかが不透明になってきました。10月になるといつ建築できるかわからない…という事態になるかもしれないと大工さんたちも慌て始めました

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工事監理の大切さ

工事監理の大切さ

東京都八王子市で4月に個人が所有するアパートの外階段の防腐処理されていない木製の踊り場が崩落して住民の58歳の女性が亡くなられた痛ましい事故がありました。この事故のニュースを受けて建築士の責任について考えてみました。

アパートは横浜の建築事務所が設計、2012年民間の指定確認検査機関で建築確認済証を発行して現在破産手続き中の工務店が施工。警視庁は業務上過失致死容疑で捜査しているそうだ。

当初の

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