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大手渉外事務所→外資金融インハウス→独立→外資金融インハウス。海外から日本への金融ビジ…

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大手渉外事務所→外資金融インハウス→独立→外資金融インハウス。海外から日本への金融ビジネス展開をサポートする人。インハウスロイヤーの業務とは?法務部が組織内でoutperformし、respectされるには?抽象論や精神論を超えた、具体的な方法論を追及する。ビジネス英語も発信。

記事一覧

ビジネスで使える英語表現(続編351-400)

2021年11月1日からTwitter(現X)で始めた「#ビジネスで使える英語表現」。コツコツと投稿を続け、2022年12月30日に300を達成し、まとめてこちらに掲載しました。2023年4月…

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2か月前
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Government Affairs

(1)定義 Government Affairsという部署を設置する会社が増えてきた。Government Affairsとは、様々な定義を目にするが、ここでは一応、当局や政治家等の関係者と折衝し、立…

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2か月前
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考え方を、教えようーいいですか?ダメですか?で終わらせないインハウスロイヤーの仕事

「これやっていいですか?それともやっぱダメかしら?」 よく事業部からインハウスロイヤーに対して寄せられがちなYesかNoかを問うこのクローズド質問。こんな質問に、「…

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6か月前
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法務が抱える課題とは?法務部員の皆様にお尋ねしてみました!

「法務とは何か」という大きなテーマを探求する上での一つのパーツとして、法務が現在抱える課題を研究しています。きっかけは2023年12月18日付の日本経済新聞 子版の記事…

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7か月前
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A(Art)でもS(Science)でもない、M(Money)の話をしようー法務部とお金

2024年1本目の投稿を失礼いたします。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。 私事で恐縮ですが、2023年末をもちまして12年間続けて参りました企業内弁護士のキャリア…

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8か月前
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ビジネスで使える英語表現(続編 301-350)

2021年11月1日からTwitterで始めた「#ビジネスで使える英語表現」。コツコツと投稿を続け、2022年12月30日に300を達成し、まとめてこちらに掲載しました。2023年4月1日より…

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10か月前
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【番外編】3ヶ月で-9.9kgのダイエットをしてみた!

筆者のTwitterアカウント@kojiraseaaaにて、#こじらせ筋トレとして展開してきた筆者のダイエット体験であるが、ついに3ヶ月で9.9kg減量の成果を達成した。この成果をツイー…

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1年前
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法務部門の守備範囲の拡大の意味するところとは何か?

遅ればせながら昨年の日経電子版12月26日の記事「法務部門、広がる守備範囲」について若干のコメントをしておきたい。記事によれば下記は、主要企業の法務部門担当者に「新…

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1年前
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ビジネスで使える英語表現

2021年11月1日からTwitterで始めた「ビジネスで使える英語表現」。コツコツと投稿を続け、2022年12月30日に300を達成しました(但し後述の通り、欠番が3個見つかっており、…

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1年前
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予防法務の限界 紛争対応と裁判所の利用

紛争はビジネスの中で日常的に発生しうる。企業内で問題が起きた場合のファーストコンタクト先となる法務部は、対応の最前線だ。そこで今回は、予防法務の限界と紛争対応に…

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1年前
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外部法律事務所の法律意見の審査

1.某上場企業での事案ー法律意見を取ったは良いが・・・ 某上場企業にて、当該企業が実行した詐欺の疑いもある投資案件に関して債権回収の不能又は遅延のおそれが生じてい…

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2年前
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「契約」と「やりたいこと」の乖離ーインハウスロイヤーはまず疑うところから始めよう

1.「やりたいこと」と「契約」の乖離 事業部から「●契約を作ってください」と言われて話をよく聞いてみると、事業部のやりたいことの実現にとって必要なのは●契約ではな…

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2年前
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インハウスロイヤーの法的リスク検討プロセスー特定・評価・共有・処理

今回は、インハウスロイヤーが法的リスクを検討するプロセスについて、考えてみたい。 インハウスロイヤーの法的リスクの検討プロセスは、①法的リスクの特定、②法的リス…

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2年前
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インハウスロイヤーが暇になってしまったらー仕事は自分で作ろう!

1 暇な法務部員は存在するのかー法務部は忙しい神話 六法を小脇に抱えて忙しく動き回るイメージ(?)を持たれがちな法務部だが、部員間でも繁閑の差が生じることはよくあ…

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2年前
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守りの法務ー法務部を責任の転嫁先にさせないために

今回は社内で法務部に対する責任転嫁をさせないためにどうするかというお話。そのために筆者がしている取り組みをご紹介したい。 1  責任転嫁の現状ーTwitterで調査を実…

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2年前
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法務部の対応スコープの策定ー持続可能な法務部であるために

今回は法務部のサステナビリティ(持続可能性)について考えてみたい。法務という重要任務を担う部署が持続可能でなければ、法令に関する適切な判断・助言もなされず、会社…

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2年前
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ビジネスで使える英語表現(続編351-400)

ビジネスで使える英語表現(続編351-400)

2021年11月1日からTwitter(現X)で始めた「#ビジネスで使える英語表現」。コツコツと投稿を続け、2022年12月30日に300を達成し、まとめてこちらに掲載しました。2023年4月1日よりこの「#ビジネスで使える英語表現」シリーズを再開し、2023年11月23日には350を達成。まとめてこちらに掲載しました。さらに2023年中に400到達を目指しておりましたが、業務繁忙やプライベートな

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Government Affairs

Government Affairs

(1)定義
Government Affairsという部署を設置する会社が増えてきた。Government Affairsとは、様々な定義を目にするが、ここでは一応、当局や政治家等の関係者と折衝し、立法過程に影響を与え、自社のビジネスをさらに推進することが可能な規制環境を創出することを意図した機能とでも定義しておくべきであろうか。Public Affairsなどとも呼ばれることもあるようだ。

(

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考え方を、教えようーいいですか?ダメですか?で終わらせないインハウスロイヤーの仕事

考え方を、教えようーいいですか?ダメですか?で終わらせないインハウスロイヤーの仕事

「これやっていいですか?それともやっぱダメかしら?」

よく事業部からインハウスロイヤーに対して寄せられがちなYesかNoかを問うこのクローズド質問。こんな質問に、「いいです」とか「ダメです」で回答していないだろうか。

もちろんこれまで共に取り組んできた案件がついに稟議プロセスに乗る、その最終段階の時に「いいですか?ダメですか?」と聞かれているなら、きちんとYesかNoかで回答する必要がある(一

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法務が抱える課題とは?法務部員の皆様にお尋ねしてみました!

法務が抱える課題とは?法務部員の皆様にお尋ねしてみました!

「法務とは何か」という大きなテーマを探求する上での一つのパーツとして、法務が現在抱える課題を研究しています。きっかけは2023年12月18日付の日本経済新聞 子版の記事「法務部門に人材難 人権や国際化の業務増に追いつかず」。主要企業が回答した法務の課題をまとめたもので、以下引用する表の結果となっています。

これは全体の傾向としては理解できますし、紙面も限られた中で限界があるのは重々承知の上、しか

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A(Art)でもS(Science)でもない、M(Money)の話をしようー法務部とお金

A(Art)でもS(Science)でもない、M(Money)の話をしようー法務部とお金

2024年1本目の投稿を失礼いたします。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

私事で恐縮ですが、2023年末をもちまして12年間続けて参りました企業内弁護士のキャリアに終止符を打ち、2024年1月1日、港区赤坂に赤坂檜町法律事務所を独立開業いたしました。今後は法務部やインハウスロイヤーの機能、役割について、より広い視点で考察を行って参る所存でございますので、引き続きどうぞよろしくお願い申し上

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ビジネスで使える英語表現(続編 301-350)

ビジネスで使える英語表現(続編 301-350)

2021年11月1日からTwitterで始めた「#ビジネスで使える英語表現」。コツコツと投稿を続け、2022年12月30日に300を達成し、まとめてこちらに掲載しました。2023年4月1日よりこの「#ビジネスで使える英語表現」シリーズを再開し、2023年11月23日には350を達成。2023年中に400到達を目指して連載継続中です!今後に向けた筆者自らのモチベーション維持も兼ね、50の区切りを祝し

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【番外編】3ヶ月で-9.9kgのダイエットをしてみた!

【番外編】3ヶ月で-9.9kgのダイエットをしてみた!

筆者のTwitterアカウント@kojiraseaaaにて、#こじらせ筋トレとして展開してきた筆者のダイエット体験であるが、ついに3ヶ月で9.9kg減量の成果を達成した。この成果をツイートしたところ、色々と反響をいただいたので、法務に関する記事を掲載することを目的としたこのNoteにて、番外編としてダイエットの経緯や方法について述べてみたい。

はじめにダイエットや筋トレについて考える上で、姿勢の

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法務部門の守備範囲の拡大の意味するところとは何か?

法務部門の守備範囲の拡大の意味するところとは何か?

遅ればせながら昨年の日経電子版12月26日の記事「法務部門、広がる守備範囲」について若干のコメントをしておきたい。記事によれば下記は、主要企業の法務部門担当者に「新たな役割となりそう」又は「なってきた」領域を複数回答で聞いた結果である。

基本的に外資系企業でもこれらのエリアを法務で担当することに違和感はない。ただ、外資系企業の場合、ガバナンス、経営への関与を除く上記の各分野について、専門の法務部

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ビジネスで使える英語表現

ビジネスで使える英語表現

2021年11月1日からTwitterで始めた「ビジネスで使える英語表現」。コツコツと投稿を続け、2022年12月30日に300を達成しました(但し後述の通り、欠番が3個見つかっており、現状厳密には297かもしれません。。。)。いずれにしても一つの区切りとして、この場でこれまでの投稿を上げていきます。

ビジネスで使える英語表現(1)
I know where you are coming fro

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予防法務の限界 紛争対応と裁判所の利用

予防法務の限界 紛争対応と裁判所の利用

紛争はビジネスの中で日常的に発生しうる。企業内で問題が起きた場合のファーストコンタクト先となる法務部は、対応の最前線だ。そこで今回は、予防法務の限界と紛争対応について考えてみたい。

1.予防法務の限界

いうまでもなく予防法務では、いかに紛争にならないようにするか、裁判所に行かなくても済むようにするかが最優先事項の一つだ。法務部が日々、契約書のレビューを行い、その文言を磨き上げる目的の一つはそこ

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外部法律事務所の法律意見の審査

外部法律事務所の法律意見の審査

1.某上場企業での事案ー法律意見を取ったは良いが・・・
某上場企業にて、当該企業が実行した詐欺の疑いもある投資案件に関して債権回収の不能又は遅延のおそれが生じているという件が問題となっている。外部の弁護士らを起用した調査委員会の調査報告書によると、当該企業内部の法務部が、投資先が必要許認可を得ていない可能性等について問題提起したにも拘らず、外部法律事務所に契約書の記載内容の確認内容のチェックを依頼

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「契約」と「やりたいこと」の乖離ーインハウスロイヤーはまず疑うところから始めよう

「契約」と「やりたいこと」の乖離ーインハウスロイヤーはまず疑うところから始めよう

1.「やりたいこと」と「契約」の乖離
事業部から「●契約を作ってください」と言われて話をよく聞いてみると、事業部のやりたいことの実現にとって必要なのは●契約ではなくもっと別の類型の契約だったということはないだろうか。

契約とやりたいことの乖離ー偽装請負などはこの典型だろう。実態は労働者を派遣してもらい自社で働いてもらいたいのに、形式上は請負契約を締結する。結果、労働者派遣法違反として行政処分の対

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インハウスロイヤーの法的リスク検討プロセスー特定・評価・共有・処理

インハウスロイヤーの法的リスク検討プロセスー特定・評価・共有・処理

今回は、インハウスロイヤーが法的リスクを検討するプロセスについて、考えてみたい。

インハウスロイヤーの法的リスクの検討プロセスは、①法的リスクの特定、②法的リスクの評価、③法的リスクの共有、④法的リスクの処理の4段階のステップを踏む。以下、各ステップについて検討していく。

(1) 法的リスクの特定
検討対象の新規プロジェクトや契約について、どのような法的リスクがあるのか特定するステップである。

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インハウスロイヤーが暇になってしまったらー仕事は自分で作ろう!

インハウスロイヤーが暇になってしまったらー仕事は自分で作ろう!

1 暇な法務部員は存在するのかー法務部は忙しい神話

六法を小脇に抱えて忙しく動き回るイメージ(?)を持たれがちな法務部だが、部員間でも繁閑の差が生じることはよくあるものだ。法務部内で暇な部員が出ると、部署内のチーム間で仕事を融通しあったりすることもあり、実は筆者も本日まさに、他チームのヘッドから、当該チームの若手に仕事を回してやってくれという依頼を受けたところだ。

法務部員の繁閑は様々な要因で

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守りの法務ー法務部を責任の転嫁先にさせないために

守りの法務ー法務部を責任の転嫁先にさせないために

今回は社内で法務部に対する責任転嫁をさせないためにどうするかというお話。そのために筆者がしている取り組みをご紹介したい。

1  責任転嫁の現状ーTwitterで調査を実施した。

そもそも法務部に対する責任転嫁などという問題が実際に起きないのであれば、あるいはごく少数にとどまるというのであれば、単なる特殊事例対応として検討すれば事足りるのかもしれず、わざわざ大々的に筆者の責任転嫁防止策などを紹介

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法務部の対応スコープの策定ー持続可能な法務部であるために

法務部の対応スコープの策定ー持続可能な法務部であるために

今回は法務部のサステナビリティ(持続可能性)について考えてみたい。法務という重要任務を担う部署が持続可能でなければ、法令に関する適切な判断・助言もなされず、会社全体の存続も危うくなりかねないというものだ。

前回の記事「インハウスロイヤーの評価」で述べた通り、日本ではインハウスロイヤーの依頼者が誰かという問題があまり積極的に論じられることはないように思うが、米国ではattorney-client

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