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2023年10月の記事一覧

ヴァンスカ/東京都交響楽団の尻上がりなシベリウス

ヴァンスカ/東京都交響楽団の尻上がりなシベリウス

東京文化会館で、都響定期を聴いてきた。

シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82
シベリウス:交響曲第6番 ニ短調 op.104
シベリウス:交響曲第7番 ハ長調 op.105

指揮:オスモ・ヴァンスカ

“蛇頭竜尾”なコンサートだった。つまり、尻上がりに出来がよかったということだ。

こういう類のコンサートはあまり経験したことがない。
だいたい竜頭蛇尾。久石譲のマラ5も第1楽章だけ

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お粥のような、ノーベル賞受賞者の講演のような ジャン・ロンドーのゴルトベルク変奏曲

お粥のような、ノーベル賞受賞者の講演のような ジャン・ロンドーのゴルトベルク変奏曲

三鷹市芸術文化センター「風のホール」で、ジャン・ロンドーのゴルトベルクを聴いてきた。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲 BWV988

チェンバロ:ジャン・ロンドー
【使用楽器】ヤン・カルスベック2000年作(オランダ)のジャーマン・モデル(ミートケ・モデル)

先日のヴィギングル・オラフソンのゴルトベルクの記事でも触れたジャン・ロンドー。

サブスクでたまたまロンドーのゴルトベルクを聴き、衝撃を受け

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思い出の海外オーケストラ (1)

思い出の海外オーケストラ (1)

私は世界の名門オーケストラをそんなには聴いていない。ベルリン、コンセルトヘボウ、シカゴといったいわゆる一流どころだ。

そのかわり、1.5流というのか、多少お手頃価格で聴ける世界のオケはいろいろ聴いてきた。
当時の鑑賞日記を振り返りながら思い出を書いてみたい。

1997年1 ベルリン放送交響楽団 (ラファエル・フリューベリック・デ・ブルゴス)

最初の海外オケ。宇野さんの影響で前橋汀子を熱心に

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世界への誠実さ ノット/東京交響楽団のブルックナー交響曲第1番

世界への誠実さ ノット/東京交響楽団のブルックナー交響曲第1番

オペラシティで東響定期を聴いてきた。

リゲティ:ハンガリアン・ロック
ベリオ:声(フォーク・ソングⅡ) ~ヴィオラと2つの楽器グループのための
ブルックナー:交響曲 第1番 ハ短調 (ノヴァーク版リンツ稿)

指揮:ジョナサン・ノット
ヴィオラ:ディミトリ・ムラト
オルガン:大木麻理

「嫌い嫌い」と言ってるブルックナーを2日連続。
「饅頭怖い」?ってバレちゃうね😅

昨日の2番も今日の1番も

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ブルックナーが好きな女たち 小泉和裕/東京都交響楽団の交響曲第2番

ブルックナーが好きな女たち 小泉和裕/東京都交響楽団の交響曲第2番

サントリーホールで都響定期を聴いてきた。

ブラームス:ハイドンの主題による変奏曲 op.56a
ブルックナー:交響曲第2番 ハ短調 WAB102(ノヴァーク:1877年稿)

指揮:小泉和裕

小泉和裕を聴くのは3度目。初めて彼を聴いた名古屋フィルとの「エロイカ」はゾーンに入ったような超絶的名演だった。

続いて聴いた神奈川フィルとのブラームス4番は前回でハードルが上がってしまったせいか、やや

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祈りの彫像 カーチュン・ウォン/日本フィルのマーラー交響曲第3番(2日目)

祈りの彫像 カーチュン・ウォン/日本フィルのマーラー交響曲第3番(2日目)

昨日に引き続いて……😅

マーラー:交響曲第3番 ニ短調

指揮:カーチュン・ウォン
メゾ・ソプラノ:山下牧子
女声合唱:harmonia ensemble
児童合唱:東京少年少女合唱隊

2日続けて同プロは朝比奈以来かしら😅

昨日の感想はこちら。

大好きなマラ3を大好きなカーチュンで聴けるのだから……🥹

今回は障害割がお得な日本フィルならではの試みをしてみた。

昨日はRAで、今日は

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何かすごいものを見た カーチュン・ウォン/日本フィルのマーラー交響曲第3番(1日目)

何かすごいものを見た カーチュン・ウォン/日本フィルのマーラー交響曲第3番(1日目)

サントリーホールで、カーチュン・ウォンの日本フィル首席指揮者就任披露演奏会を聴いた。

マーラー:交響曲第3番 ニ短調

指揮:カーチュン・ウォン
メゾ・ソプラノ:山下牧子
女声合唱:harmonia ensemble
児童合唱:東京少年少女合唱隊

いつもは帰りの電車で大方の文章を書いて帰宅してから推敲して載せるのだが、ホットな気持ちで感想を書きたいのでカラヤン広場で書いて帰ります😅

いやは

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