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【3分要約・読書メモ】ビジネス教養 行動経済学

ご覧頂き誠にありがとうございます。
今回は「ビジネス教養 行動経済学」についての記事となります。



著者

阿部誠 (あべ・まこと)
東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授。1991年マサチューセッツ工科大学博士号(Ph.D.)取得後、2004年から現職。ノーベル経済学賞受賞者との共著も含めて、マーケティング学術雑誌に論文を多数掲載。行動経済学の研究対象である人間の知覚バイアスや選好逆転に着目し、計量・統計モデルを用いて得られた分析結果をマーケティングに応用する研究を行っている。2003年にJournal of Marketing Educationからアジア太平洋地域の大学のマーケティング研究者第1位に選ばれる。

・第1章知って得する行動経済学の考え方

・行動経済学を知って得られる3つのメリット
①マーケティング

意思決定の癖を知ることで、消費者が商品を買いたくなる心理を理解することができます。消費者心理に寄り添った、広告や販促の手段が見えてくる。

②マネジメント
同僚や部下を上手にマネジメントするのにも、行動経済学の理論が役立ちます。例えば、仕事を手伝ってもらう場合も、承諾を得やすい方法を知っていれば、引き受けてもらえる可能性が高くなります。

③自己実現
自分の行動を変えることができます。目指すべき目標があるのに、つい目先の誘惑にとらわれてなかなかゴールにたどり着かないような人でも、なぜ誘惑に負けるのがを知ることで、対策を講じることができます。

・行動経済学は、マーケティング
マーケティング研究の第一人者、フィリップ・コトラーは、こう語っています。

行動経済学は、『マーケティング』の別称に過ぎない。過去100年にわたりマーケティングは経済学とその実践に基づく新たな知識を生み出し、経済システムが機能する仕組みに関することに役立てた。

ビジネス教養 行動経済学より

嚙み砕いて言えば、行動経済学は、「経済学で考えられていた理論」と「実際の行動」から生まれた新しい分野であり、マーケティング実践されてきたことを学術的に紐解いたものだ、ということ。

第2章:人間らしい心の動き ヒューストリック

ヒューストリックとは、人間の意志決定を手助けするように働く思考プロセスのことで、自信の経験をもとに最適な手段を見つけ出すため、「簡便法」とも呼ばれます。ヒューストリックの最大の特徴は判断の速さ。深く考える必要のない場面で、週次に答えを導き出してくれる。半面、瞬時に判断することに寄ってのデメリットもある。

・バイアスを生み出すヒューストリックの代表例
①利用可能性ヒューストリック
なじみのあることはよく起こりうと判断されるケース。
②代表制ヒューストリック
代表的な例が全体を反映していると勘違いするケース。
③固着性ヒューストリック
自分の考えや直前に見聞きしたものに固着することから勘違いをするケース。

第3章:意思決定の仕組み プロスペクト理論

プロスペクト理論とは、例えば投資のように選択に損得や確率が関係する不確実な状況において、人間がどのようなプロセスを経て意思決定するのかを説明する理論。

・意思決定のプロセス
STEP1:編集段階
意思決定の前段階で、前処理ともいわれる。自分に与えられた選択肢を認知して基準となる「参考点」が決まり、次のステップへと進む。文脈に影響を受ける
STEP2:評価段階
編集段階で決定された参考点を基準に各選択肢を評価することで、損得を勘定したり、選択するにあたって、関係の悪各事象がどのくらいの確率で怒るのかを考える確率を計算するステップ。
STEP3:行動
編集段階と評価段階を経て、どの選択肢が自分にとって最も効用(満足度)が高くなるかを判断し、最終的にその行動を取る。

第4章:マーケティングに生かす!行動経済学の活用事例

行動経済学の理解は、マーケティングの理解です。マーケティング研究の第一人者、フィリップ・コトラーも、「行動経済学は、マーケティングの別称に過ぎない」と言いっているほど近いものです。

マーケティング成功事例①
手間がかかる作りにしたら、パンケーキミックスが売れ出した
要因1:イケヤ効果<手間がかかるほうが価値を感じる!>
自分が苦労して手を加えたものに対しては価格以上の価値と愛着を感じる。
要因2:社外的規範<家族からの評価が気になる>
自分以外の人の目を気にしたり、配慮したりする。

マーケティング成功事例②
20円の違いなのに、1980円と2000円では天と地の差!
要因1:端数価格<桁を1つ少なく感じさせる魔法の数字「980」>
私たちは、価格を、上の桁の数字から読んでいる。1980円という価格で目に入ってくる数字は、「1」。本当は、2000円に近いのに、頭の中で1000円台問印象が強くインプットされる。
要因2:威光価格(ヴェブレン効果)<キリのよい数字は、「高い」という印象を与える!>
キリのよい価格は、「高い」という印象を与える。購入者の優越感や自己顕示欲をくすぐる。

マーケティング成功事例③
明治のザ・チョコレートが店頭で人を引き付けるワケ!
要因:フレーミング効果<他者と製品と徹底的に差別化して特別感を演出>
横向きに陳列されるのが常識だった板チョコのジャンルにおいて、縦向きでの陳列することで、頭一つ目立って見えた。パッケージも、マットな手触りで高級感を演出した。さらに、全8種類のラインナップを展開し、他人とのかぶりを避け、プレゼント需要も開拓した。

マーケティングの成功事例④
ネガティブなキャッチコピーが購入意欲をそそる理由
要因1:損失回避<ネガティブな情報を与えて損を感じさせる>
ポジティブな情報より、ネガティブな情報に注意を向け、記憶にとどめる傾向がある。「損失をできるだけ回避したい」という性質を持っている。
要因2:スポットライト効果<「自分のことだ!」と思うと危機感は倍増する>
自分が興味のあることは、選択的知覚で認識する。自分が気にしている内容に対して、ネガティブな表現が効果的で、これは人間が、他人から向けられる関心の大きさを過大評価するからです。

第5章:行動経済学の目玉! ナッジ理論

ナッジとは、「肘で軽く小突くように、自発的に望ましい行動を選択するように促す」ことです。ナッジを使うことで、相手に強制することなく、望ま親行動を取らせることができます。

感想

マーケティング研究の第一人者、フィリップ・コトラーも、「行動経済学は、マーケティングの別称に過ぎない」と言いっていることが改めて納得した。本書は、よりマーケティングに近い目線で書かれている。「サクッとわかるビジネス教養」シリーズは、内容を削ぎ起こして、結論と補足内容だけを伝えてくれるので内容の理解がしやすいです。

特に、第4章、第5章だけでも読む価値があると思います。このレビューでは、4件のみの紹介ですが、他にも事例があり、自分のやっている業務に活かせる点が多いと思います。商品企画、プロモーションに関わる方だけでなく、営業、開発など人とのコミュニケーションにも使えるナレッジが豊富で簡単にインプットすることができます。

忙しい人、普段本を読まない人が、行動経済学に関して最初に手に取るには、最適の一冊です。最後まで読んでいただきて、ありがとうございました。

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