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母の「ライ麦畑でつかまえて」を振り返って

古本の、あの独特な匂いとか
私は好きです。

紙の手触りとか、黄ばんだ質感とか

いろんな人の手を渡り歩いたんだなあ
それだけの月日を過ごしたんだなあ

と考える。
何だか、それだけで愛おしいと思ってしまうのです。

子供の頃から、古い本が大好きでした。

祖母の家に行くと
私の母の本が綺麗に保管されていました。
母も、小さい頃から本が大好きで、たくさんの本を持っていましたから、それはもう宝の山です笑
特に気に入った本は、今は私が持っています。

「ライ麦畑でつかまえて」

母が、高校生の時に買った本だそうです。
私が持っている有名な書籍は、これくらいなもんです。

初めて読んだのは、小学校高学年くらいの時
その時は、途中で挫折しました。
何が言いたいのかさっぱり分からん。
小学生には、サリンジャーは早すぎました。

中学生になって、受験前に、この本をもう一回読んでみました。
なぜか分からないけど、すごく涙が出た。
母が、この本を買ったとき
彼女も同じことを感じていたのかもしれません。

感動するとか、そういうんじゃなくて
何か伝わって来るものがある。

私は、この本を持ち帰ることにしました。

中身については触れませんが
息苦しいと感じている中高生は、読んで損はしないな
という本です。

大人になって読み返しても、あの涙は流れてきませんでした。

あの本は、大人と子どもの狭間にいる
あの時代に読んでこそ、意味があるのかもしれません。

でも、あの頃は
「ライ麦畑でつかまえて」
だったけれど、今は
「ライ麦畑で寝そべって」
だなあと思います。

たった22年の人生でも、結構いろんなことがあって
自分の身体も心もポンコツだけど
これからも人生いろいろだけど

まあ、とりあえず、生きてるだけで儲けもんでしょ

寝そべるくらいでちょうどいい

そんな心構えで生きれるようになったのですよ。
そんなことを、中学生の頃の私に伝えたい。

も、もしもいただけたら… 働けてないので、素直に生活費に充てます…😢