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#2000字のホラー
【掌編小説】誰が為の絵画
「ねえねえ、AIの呪文に『入力してはいけない言葉』があるって知ってた?」
ある日の昼休み、クラスメイトの****がひそひそ声で言ってきた。
「AIって『Imaginarygifts』のこと? 入れちゃいけないって、その……エッチな言葉とか……?」
内容が内容だけに私も小声で返事をする。
「違う違う。もっとやばいワードがあるって話」
「聞いたことないなぁ」
『Imaginarygifts』
【掌編小説】Princess On The Bridge
綺麗な子だな、というのが彼女の第一印象。特に惹かれたのはその瞳だった。強い意志を感じさせる少し怖いくらいの瞳。
転校してきてすぐの私は、彼女が『橋姫』と呼ばれているのを聞いて首をかしげた。すると最初に出来た友達の由衣が答えてくれた。
「名前が『橋本美姫』だからだよ」
「確かにお姫様みたいだね」
教室の輪の中心にいる彼女を見ながら思わず呟いた。
「明日香もやっぱりそう思う?あんなに綺麗なら毎日が楽し
『このアカウントは存在しません』
『このアカウントは存在しません』
画面に出てきたメッセージを見て俺は思わずほくそ笑んだ。
お、こいつもついにアカウント消したか。
こいつを狙い始めてから確か……2週間か、まあだいぶ持ったほうかな。さて、次は誰を狙おうかな。
俺はスマホの画面をスクロールさせて適当なアカウントを探していく。
俺の趣味は…なんて言えばいいのだろうか、アカウントを削除に追い込むこと。
標的にしたアカウントの何気な
オフィスレスワーカー
『荷物のお届け先が見当たりません』。
そんな内容のメールを見て都築康夫は目をひそめた。
おかしいな。宛先は会社の住所にしていたはずだ。
業務で使うつもりで私的に購入したハードディスクを、会社の住所に送ったつもりだった。
送付先の履歴を確認するが、住所は間違っていない、はずだ。
なにしろ自分が勤める会社とはいえ、名刺の一つも持っていない。
それどころか、この4月に元居た会社から転職で今の会社に