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日々の思考と記録

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毒にも薬にもならないけれど、身体に染み込むように、思ったこと、考えたことを自分の言葉で書きます。拙くたって、伝わらなくたって、真摯に書く。
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2020年11月の記事一覧

エッセイがぼやかせる

エッセイがぼやかせる

 いま、エッセイ本を読んでいる。
 これまでの人生でエッセイを読むと言う経験をしてこなかった。練られた物語が好きで、短く思いのまま書かれるエッセイに物足りなさを覚えて、手に取る気が起きなかった。

 けれど、こうしてnoteを書いて「#エッセイ」と投稿するからには、まあちょっとは興味を持たなくてはいけないとと思ったのが1つの理由だ。でも、それは比重としては軽くて、大きいのは年を重ねてきて、細部に本

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旧交の温め

 もう5年来の友人と久々に会って話した。

 以前は毎週のように顔を合わせていたけれど、お互いの時間が異なるようになり、ここ1年くらいはまともに話す機会も減っていた。それが4時間近くがっつり腰を据えて話せた。

 それはそれは素晴らしい時間だった。

 別になにかが生み出されるわけではないけれど、静かに紡がれる話が音叉のようにとてもよく響く。他者との違いから新たな可能性を見出すのも素敵だが、大切に

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「助けて」が助ける

「助けて」が助ける

 自分が岐路に立たされた時、「助けて」と言ったら多くの人が声をかけてくれた。その際に、もっと「助けて」と言っていかなきゃいけないなと思った。

 それはいわゆる「言わなければわからない」とは別に、相手に「助けて」と言いやすくさせるためにもだ。

 貸しを作るのは敬遠されがちだけれど、貸しが1つあれば相手も「助けて」と言いやすくなる。貸したり返したりする行為を通して、僕達はコミュニケーションし、関係

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後価値

後価値

 物事の価値は後になってみないとわからないとヒシヒシ思う。

 その渦中にいるうちはもうなにがなんだかわからなくて、それが自分にとってどんな影響を及ぼしているのか、冷静に判断はできない。

 だから、あとあと振り返って、こんな価値があったのかと振り返るのが必要だ。振り返らなければ、積み重なっていく過去に押し潰されて、なかったことになってしまう。

背景を観察

背景を観察

 最近出会ったとても器用な人がいて、とても軽やかに自然に物事を吸収していく。一方で、要領の悪い人もいて、その差はなんだろうなと思っていた。

 物事の表面をなぞろうとするか核を知ろうとするかが、決定的な差となるのだと思った。

 たとえば、マニュアルは、要領の悪い人のためにあるものだ。その通りにただひたすらなぞっていけば、大多数の人は自然と仕事がこなせるようになり、効率化されて、ある一定のレベルに

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自分のための分かち合い

自分のための分かち合い

 仕事にしろ、学生の部活やサークルにしろ、集団でなにかを成す時には、必ず情報共有が必要になる。自分だけで行動するわけではないのだから当然で、それを怠ると集団行動はもちろん人間関係にも支障をきたす。

 にも関わらず、情報共有を怠る人がいる。1つには、自分が情報を抱え込んでいることに気づいていない人で、これは本人が気づくような出来事があるか、周囲が口酸っぱく言うしかない。

 ただ、それ以外にも、中

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好き嫌いを越える信念

好き嫌いを越える信念

 自分が今までいた心地良い世界から外に出ると、様々な出会いがある。可能性を広げてくれる素晴らしい人もいれば、自分の価値観とは相容れない人とも出会う。

 理解しがたい振る舞いをする人には、どうしても苦手意識を覚えてしまう。そして、それが度を越すと嫌いになってしまう。

 ただ、嫌だと感じるのはあくまでも自分の視点の話だ。絶対的な悪ではない。

 好き嫌いを越えるためにはなにが必要なのだろうか?
 

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幸せな狂信者と不幸な取り巻き

幸せな狂信者と不幸な取り巻き

 僕は信じるとは、「裏切られる覚悟をすること」だと思っている。どんな結果になろうともそれを受け入れる。だから、相手が意図する・しないに関係なく、裏切ることになっても、それを許容する覚悟をすることなのだ。

 ただ、それは狂信とは分けて考えるべきだと思う。狂信は「裏切られる可能性すら考慮しない」のだ。

 正直なところ、僕は「ワクワク」を連呼する人をあまり信じられない。

 自分だけがワクワクして幸

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人生2度目のこんぶ

人生2度目のこんぶ

「こんぶのような人」だと昨日言われた。

 こんなこと言われる経験はなかなかないだろうが、人生2度目の経験だった。2年前にも同じことを別の人に言われて、ちょうどnoteに書いていた。

 こんぶは決して主役じゃない。目立つわけでもなく、それだけで食べることもまずない。けれど、いないと「なにか足りないな」となる。

 肉や魚、あるいは甘いものなど強い刺激を人々は求める。だって、強烈な満足感を与えてく

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普通を積んで、色が出る

普通を積んで、色が出る

 多様性の時代になった。世の中には様々な人がいることが以前よりも認められ、少しずつではあっても受け入れられるようになっている。ただ、同時に特別さや独特さが求められるようになった感覚がある。
 ユニークであるためには、他の人とは違ったことをしなければならない。自分はなにをしようかと苦悩している人を見かける。でも、そんなに違わことをしなければならないのだろうか?

 だれでもできることを、だれにもでき

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何点でもいいからさ

何点でもいいからさ

 どんな難しい問いにも、まず答えようとしてみる。その行為の先に希望は見えるのだろう。

 踏み込んだ質問をすると、「難しいですよね」「わからない」とまともに取り合ってもらえない場合が珍しくない。本人としては、本心からそう思っているのだろうが、線引きして答えを出そうとしなければ、もうその先はないのだ。

 もちろん、自分の関心のないことならば、構わない。

 けれど、本当は「やりたい」「深めたい」と

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弱み晒して、召し上がれ

弱み晒して、召し上がれ

 自分の弱みとか今置かれている現状をあけっぴろげにしてみたら、多くの人が手を差し伸べてくれた。それにはただただ感謝しかない。

 そして、自分がそうやって打ち明けてみると、他者の矛盾が以前よりも引っかかるようになった。「やりたい」と言いながら「でも……」と続ける人。

 相反する力が自分の中にあって、なにかおかしいと思いながらもそのモヤモヤをつかみきれずに悶々としている。それは外から客観的に見れば

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下書きの栽培

下書きの栽培

 ここ数日やたらと下書きが増えている。ネタを書き留めているのならば歓迎できるが、途中まで書き進めて、行き詰まって放置するパターンが多い。

 要するに、話が最後まで続かない。

 言いたい断片だけがあって、そこにオチらしきもの、自分なりの思考の着地点がないので、空中分解ならぬ空中停止してしまう。

 体験だけはたくさんしているので、出来事やそれに伴う感想もたくさんあるのだけど、意識が分散しすぎて、

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信頼はピンチの手助け

信頼はピンチの手助け

 自分が予想以上に信頼されているということを、ここ1週間くらいで繰り返し味わっている。大家さんから「長くいてほしいから」と差し入れをいただいたり、表に出したくないような生々しい話を何人もの人がしてくれたり。

 自己評価が低いつもりはないのだけど、こういう体験が何度もされると、もっと自分を信頼して、他者を頼れと言われているような気がする。

 世の中では、人から信頼を得るのが大事だって言われる。

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