郷ひろみ「ボクトレ」で首を。
noteを始めて、やたらスマホのバッテリーが減るようになりました。せめてスマホ首にはならないよう心がけているつもりでいます。
田中弥三郎です。鍼灸マッサージ師をしています。
郷ひろみさんが、自身のインスタで「ボクトレ」として首のストレッチ動画をアップしていました。
ちょっとだけ解説してみようと思います。
あくまで私個人の意見ですので、よろしくお願いします。
「ボクトレ」スマホ首改善ストレッチ。
まずはご覧ください。1分ちょいです。
①ヨガマットなどの上に仰向けに横になる
②膝を三角に立てる
③後頭部を床にすりながらあごを引く(うなずく)
④20回繰り返す
⑤首の後ろ側がストレッチされていればオッケー
これだけです。
こんなもので効くのかと思う方もあるかもしれませんが、これには理由があります。
と言うより、下手に強い刺激を入れることを避けてメニューを考えてるんじゃないかと思います。
このトレーニングの目的とメリット
このトレーニングは、筋肉の強化を目的としたトレーニングではありません。
動画でも言っているように、首の後ろ側の筋肉(後頭下筋群)のストレッチが主な目的です。
首のストレッチなのに、なんでわざわざ寝転がってするのか、というところがキモです。
その理由は、
「安全かつ効率よくストレッチできるから」
です。
具体的に3つの要素があります
目的箇所だけに効かせられる
重力がかからないため、痛める心配がない
動的ストレッチになる
それぞれ解説していきます。
1.目的箇所だけに効かせられる
このストレッチの目的箇所は、後頭下筋群です。首の上の方から後頭部にかけてのごく狭いエリアです。
ここをストレッチするには、「ボクトレ」のやり方がベストです。
試しに椅子に腰掛けて、同じようにストレッチしてもらえば分かります。
首を前に倒しても、首から背中にかけての筋肉がストレッチされて、後頭下筋群には効かないのです。
首は背中から腰、骨盤までひと続きになっているので、負荷を分散できるようになっています。
首を前に倒す動作も、首から背中にかけて分散して前に倒すことで、一箇所に集中して負荷がかからないようにしているのです。
床に寝転んで、膝を立てることで骨盤から腰、背中までの背骨を固定した状態にしています。
この状態で首をうなずくように動かすことで、後頭下筋群だけに効かせられるのです。
もし椅子に腰掛けてストレッチするなら、背中から後頭部をぴったり壁にくっつけて、頷くようにするとオッケーです。
2.重力がかからないため、痛める心配がない
たった今、座ってストレッチする方法をご紹介したところですが、これには少し注意点があります。
痛めるリスクがあるということです。
「頷くくらいで痛めるなんて」と思う方もあるでしょうが、それは症状の軽い人です。
痛めてしまうときは、「こんなことで痛めるなんて」という場合がよくあります。
椅子に座った姿勢でこの動作をした場合、痛める危険性が高いのは頷いた首を起こす際です。
頷いた状態は、後頭下筋群が最大限に引き伸ばされた状態です。そこから起こす動作(=負荷をかけること)は、筋肉が衝撃を逃がすことができないため痛めやすいのです。
仰向けに寝転ぶことで、重力がかからなくなります。そして膝を三角に立てることで、腰から背中までをぴったり床に付けられます。
安全にターゲットの後頭下筋群だけに効かせるためには、仰向けに寝転ぶのがベストなのです。
3.動的ストレッチになる
「動的ストレッチ」という言葉はご存知でしょうか。
じんわりと時間をかけてストレッチする「静的ストレッチ」に対して、
無理のない可動範囲内で繰り返し動かすことで筋肉や関節をゆるめるやり方を、「動的ストレッチ」と呼びます。
この「ボクトレ」のメニューは、動的ストレッチと言えます。
繰り返し動かすことで、
後頭下筋群がストレッチされる
胸鎖乳突筋など、後頭下筋群と拮抗する筋肉を使うことで、後頭下筋群のこわばりが予防される
首の前後の筋肉が動くことで、血流が促進される
といった効果が期待できます。
そもそも、首って超大事です。
脳と心臓をつなぐ首
首って、めちゃくちゃ大事なんですよね。
腕や脚を切り落としても、適切な処置すれば命は保てるでしょうが、首はそうはいきません。
間違いなく死んじゃいます。
当たり前ですね。
考えると怖いことですが、突然死する原因はほとんどが脳か心臓です。その脳と心臓をつなぐのが首です。
首になにかあったら、脳に血液が届かなくなりますし、心拍や呼吸を始めとした脳からの命令系統が遮断されます。
めちゃくちゃ大事なのが分かりますね。
首は、超デリケート
めちゃくちゃ大事なわりに、首の構造はデリケートです。
同じ背骨でも、腰ほど頑丈にはできていませんし、背中ほど棘突起(背骨の後ろにある突起。脊髄を保護する)も大きくありません。
筋肉だってそう。他の部位に比べると、圧倒的に繊細(貧弱かも、、、)です。
首は、前後左右に曲げたりひねったり、ぐるぐる回せる構造になっているため、骨の構造は華奢なものです。
そして繊細な動きをするために、様々な筋肉や靭帯が数多く付着し、何層にも重なっています。
ひとつひとつの筋肉は細くとも、上手く支え合ってバランスを取っているのです。
デリケートなのが分かりますね。
もう一つ忘れてはいけないことがあります。
首にはとても大事な血管や神経が通っています。
脳を栄養する血管や、脳から全身につながる神経が通っているのです。
構造だけ見ても、とても繊細でデリケートなところに、とんでもなく大事な血管や神経が通っているんですから、二重三重の意味でデリケートなのです。
首がいかに大事か、ぜひ頭の片すみに入れておいてください。
郷ひろみ「首のボクトレ」、オススメです
ちょっと怖いことも書きましたが、首はそれだけ大事な箇所なのです。
だから大前提として、痛めない形でトレーニングをすることが必要です。
改善しようと努力して、余計に痛みが出ちゃったら悲しすぎます。痛みだけですまなかったら怖いし。
少しずつ試しながらバリエーションを増やして、自分に合ったトレーニングや生活習慣を身につけて欲しいと思います。
「このトレーニングだけしていたら大丈夫!」
なんてことは、有り得ません。
「〇〇だけ食べていれば健康!」
なんてことが有り得ないのと同じです。
あくまで自分の身体は自分でケアして使っていくもの。直接患者さんの状態・症状もきかずに、動画や文章だけで伝えるには限界があります。
自分には何が必要なのか、取捨選択してください。
首をケアしてもらう最初のステップとして、郷ひろみさんのエクササイズはオススメです。
ご自身にマッチしたケアを考えるきっかけにしてもらえたらと思います。
なんで郷ひろみ?妻がファンなのでね。
近隣エリアの土日連続でもバンバン集客できてる(既に完売多数!)って、マジでスゴい。
日曜しか行けない民としては、羨ましい限り、、、
コロナ前に一度観に行ったけど、ちゃんと郷ひろみのイメージそのままをライブで見せつけてくれました。
リッキー・マーティンのあの曲を、
いやらしくなく歌いこなし、
「アチチ」のフレーズも演りきれるのは、
郷ひろみの実力なのだと見せつけられました〜。
『GOLDFINGER'99』って、25年前やないか!?