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#111 鉄棒 逆上がりを成功させるポイント解説:振り上げ足が鍵!

みなさんこんにちは!
ともぞうです。
逆上がりを指導すると、鉄棒嫌いが生まれます。
それはどうしてなのかについて説明しています。

また、おススメはしませんが、
それでも逆上がりの指導を考えてるあなたへ!
逆上がりの教科書として、逆上がりの指導について解説していきます。

なぜ逆上がりができないのか?
理由はいろいろありますが、

一番の理由は、

重力に逆らった動きをするから

と言えます。

これまでに、逆上がりを考える上で欠かすことのできない重力・エネルギーについて説明してきました。
詳しくはこちらからどうぞ↓

足を上げるという動作は重力に逆らう動きです。
逆上がりでは、両足を宙に浮かせます。
足を上げるだけなら片足ですが、逆上がりは、それ以上に重力に逆らっていることは容易に理解できるかと思います。
しかもこんな動きをすることは、日常の生活の中ではまずありません。
本来、遊びの中で自然と身に付けるべき動きなのでしょうが、遊びも固定化してしまい、多様な動きが身に付いていない現状もあります。
だから、逆上がりは難しいのです。

人が地面から上に跳ぶ動きをするときは、筋肉を使ってエネルギーを生み出し、重力に逆らいます。
例えば、足を使って地面を強く押し返す(ジャンプする)ことで、一時的に重力に逆らうことができます。

余談になりますが…
鉄棒に限らず、体育の学習全般に言えることは、重力に逆らった動きが多いということです。
なのに、体育の授業で重力について学ぶことは一切ありません。
だから、重力に逆らった動きができないのです。

体育の教科書をつくって、
重力とは何か?
を学習することからスタートしてほしいと思います。
そうすれば、算数と同様、全国どこの小学校に行ったとしても、程度の差こそあれ必ず同じことを学び、習得できます。

体育は教科書がないため、その内容は担任の裁量に任されているといっても過言ではありません。
ずっと体育館でドッジボールをやらせていたり、クラスを2チームに分けて校庭全面使ってサッカーをやらせていたりする人が、まだこの令和の時代になってもいるのが事実。
そして、それが体育だと思っている人さえいます。
無知とは本当に怖いです。
体育を1教科として、何を身に付けさせるべきなのか知らないのですから…
副読本などは存在しますが、ほとんど活用されていません…
体育の教科書ができることを切に願います。

さて、話をもどします。
今回は、重力に逆らって地面から浮いた状態にある踏み込んだ足と振り上げ足の協応動作について説明します。

前回整理したポイントです。

①鉄棒選び:自分の身長にあった鉄棒を選びます。鉄棒を握ったときに、胸からおへそまでの高さになる鉄棒を選びましょう。

②踏み込み位置と構え: 鉄棒を中心にして、利き足が後ろになるよう、足を前後に足を広めにして構えます。これが、踏み込み位置です。
後ろに下げた利き足が振り上げ足になります。前に出した逆足に体重をのせます。順手での逆手でもできますが、苦手な子は肘を曲げやすい逆手の方がやりやすいです。踏み込み位置が決まったら踏み込み足を一歩さげておきます。そして勢いつけて一歩前にだして力強く踏み込むのです。

③足首のスナップを生かして踏み込む: 地面から大きなエネルギーをもらうために、足の裏全体を使って地面をしっかりと押すことが大切です。ただし、直立した姿勢でないため、足裏で踏み込んだ後、足首を伸ばし、スナップをきかせて、最後はつま先で蹴り上げます。

④振り上げ足の勢いを利用して踏み込む: 前足で踏み込んだときに後ろにある振り上げ足を前に振り出し、その勢いを利用して力強く地面を押して反発エネルギーをもらいます。あくまで踏み込みが先で、振り上げは後です。振り上げを先にしてしまうと反発エネルギーは少なくなります。

これらのポイントが一連の動きの中でスムーズにできないと逆上がりはできません。
スムーズにいくためのポイントを考えていきます。

①踏み込み姿勢の確認
踏み込んだ時に、体を後ろに倒しながら足を振り上げていきます。
この時に、ひじが伸びないように気を付けます。
踏み込み足(ここでは左足)を後ろに下げた状態(図①)から、

図①
出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」

一歩踏み出す(図②)と同時に体を倒す練習をしてコツをつかみます。


図②
出典:新しい鉄棒運動の授業づくり「大修館書店」

②振り上げ足に勢いつける
鉄棒が苦手な子の構えの姿勢をみると、下の図のような構えをとってる子が多いです。図では右足が振り上げ足です。
振り上げ足がはじめから鉄棒の前にきており、もも上げのようにしてあげたり下げたりしながらタイミングをはかっています。
本来なら、もうこの時点で右足は高く上がっているはず。
この構えの姿勢ではいくら練習しても逆上がりはできません。

出典:鉄棒遊び・鉄棒運動「小学館」


なぜか?
足が振り上がっておらず、もうもも上げしてしまってるからです。
これでは、勢いはつきません。

振り上げ足とはサッカーでいうなら、ボールを蹴る方の足です。
蹴り足がはじめからボールのそばに合ったら勢いよく蹴ることなどできません。
振りかぶって勢いつけて蹴らないと遠くまでボールは飛びませんね。
その感覚を身に付けさせる必要があります。

後ろにある足を勢いつけて振り上げできるよう、鉄棒の前にサッカーボールを置いて、振り上げ足でおもいっきりボールを蹴ってから振り上げさせる練習を取り入れてみましょう。
下の写真の右足がボールを蹴る足と鉄棒の振り上げ足は同じです。


そうすると勢いの付け方が理解できます。
ただここで気を付けたいことは、蹴ることを目的にしてしまうと、足が高くあがりません。ここでは、振り上げ足に勢いをつけるためのトレーニングだとしっかりと伝えて取り組ませましょう。

今日はここまで。
次回またこの続きを説明します。
お楽しみに。
それではまた!


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