記事一覧
【初対面】 VOL 062
『ぎぃぃぃぃぃー』
錆びついたドアが開き、薄暗いコンテナに一筋の光が入ってきた。
住人がバナナファームから帰ってきたのだ。
いきなり怪しまれちゃいけないと思い間髪をいれず説明をする。
『今日からここに住むことになりました。宜しくお願いします!』
『???? what?』
日本人かと思ったら、シェアメイトはコリアンだった。
彼の名はジェームス。自分をみた瞬間はちょっと怪しんだ顔をしたが
【ジャリ砂利】No.061
REXの助けもあって、なんとかキャラバンパークに宿泊できるようになった。
といっても紹介された宿泊場所は小さなコンテナだった。
二人用のコンテナに定員オーバーの自分が入ってしまったのだ!
コンテナ住人の二人はバナナファームに働きにでていて、おれは自分のスペースになるであろう共用スペースのソファーに横になっていた。
強引に入れてもらって、文句をいうのもなんだけど、3人で生活するには狭すぎるし
【Rの発音】VOL 060
老人の名前はREX。現地オーストラリア人だった。
彼はキャラバンパーク内でリタイヤ生活をしていて、一人で使うには広い家の一室をどこのだれだがわからない東洋人の自分に惜しげもなく貸してくれた。
その夜、ご飯を食べながらタリーという町の歴史やバナナの仕事について、REXの若い頃の話を聞くことができた。
おれの話すREXの『R』の発音が全然なっていなかったため、その度にやさしく根気よく矯正してくれ
【田舎に泊まろう】No.59
セカンドワーキングホリデービザの資格(3か月以上ファームで働くことで滞在期間が最大2年になる制度)が欲しかった自分は、農場での仕事を探しながら、旅をしようと思っていた。
タリーという町に到着。ここはバナナで有名な場所であった。
とりあえず、長距離バスが止まる広場で人の流れを観察することにした。
仕事を終えた人たちが次々とキャラバンパーク(キャンプ場みたいな所)に流れていく。
(今日はここに
【うわさの真相】No.58
現場に残されたものを検証し、一つ一つ流れを整理していく。
つまりはこういうことである。
シェアハウスはアパートの2階であったが、犯人は雨水のパイプを利用して2階によじ登ってくる。
明かりのついた部屋を目指して。
かりにもシゲさんはリビングで寝ているのであるが、そんなのおかまいなしにベランダから侵入し、網戸をあけ、机の上に置いてあった鍵を盗み、家の部屋番号を確認する。
部屋番号と同じ駐車場
【リアルサスペンス】No.057
ケアンズシェアハウスでの事件。
オーナーのすし職人のシゲさん、おれ、ヨウスケという男3人で住んでいたのだが、2ベットルームになぜかオーナーのシゲさんがリビングで生活をしていた。
その時点で少し変わったオーナーだが、ある日の夜中、閑静な住宅街に響く、盗難防止のクラクションの音。
遠い意識のなか、襲ってくる睡魔に再び身を委ねようとした時、ヨウスケが部屋へ飛びこんできて
『シゲさんの車が動いて縁
【ウンコマン】No.056
この時期、賞味期限の大幅に切れたバターに当たり、食中毒になってしまった。
それと同時に風邪まで引き、まるまる1週間くらいはベットから起き上がることができなかった。
オーストラリアにきてから初めての病気になった。車をぶつけてからずっと災難が続いていた。
あまりにも体調が悪かったのに無理してダイビングを楽しんだり、みんなでノリノリでバーなんかも行っていた。
その時、あまりにもトイレに行きまくっ
【Let`s ダイブ】No.055
なんだかんだで、無事にシェアハウスも決まり、せっかくケアンズにいるのだからケアンズらしいことをと思い、思い切ってダイビングの資格をとることを決意した。
今回とるのはオープンウォーターという資格。
最大で18mまで潜ることができる。
1、2日目の学科講習はなんとかクリア。3,4日海での実習。
その日の海は荒れに荒れていた。海面ではうねり流れもかなりの速さであった。
船のロープをたどって潜っ
【ちょっとエッチな話】No.054
山の生活からケアンズに降りてきたおれはすっかり野生化されていた。
帰る家もなかったのでバックパッカー(安宿)に泊まりながらゆっくり今後の行動予定を考えていた。
そのバックパッカーでの出来事。
その日は、カナダ人女性(20歳)、イングランド人カップル、わたくしの6人部屋を4人で使っていた。
その日おれは一日中新居を探していたのにも関わらず、条件があわず、一向に物事が前に進まずイライラしながら
【日常の一コマ】No.053
ガテン系な仕事、虫、星、土ホタル、大自然、新鮮な空気、植物、野生動物、共同生活、カモノハシ、協調性、ゴミの臭い、ウジ虫、カビ臭い部屋、きしむベット、虻、足の裏の感覚を研ぎ澄ましてアスファルトの感覚を頼りに帰る真っ暗な道、ランドリーのホコリ、隔離された土地、天使のような子どもたち、洗濯物の山、気まぐれな天気、フレンドリーなスタッフたち、
いま思い出しても記憶は鮮明に残っている。
そしてここでのス
【止まらぬ連鎖】No.052
そんなギリギリの生活に追い打ちをかけるように、災難がどんどん降りかかってきた。
オージースタッフから購入した古い車が次の日にそっこうで壊れ、家の5km手前で止まってしまった。
その次の日には、会社の車を運転中にオージースタッフの車にぶつけてしまいドア一枚をベッコリ凹ましてしまった。
その3日後には、会社の車がゴミ捨てから帰る途中故障して、大雨の中ヒッチハイクでなんとか戻った。
冗談のような
【野生化のススメ】No.050
「今日からパッションって呼ぶことにしたから」突然サリーがそんなことをいいだした。
オーストラリアではイングリッシュネームをつけることは特に変なことではない。
実際、発音の難しい韓国人のほとんどはイングリッシュネームを持っている。
(それにしてもなんでパッションなんだ・・・???)
「えっ、どこからパッションってでてきたの?」
「いや~、あれだよ! なんか情熱的だったからさ!」 はにかみな
【お仕事紹介】No.49
ここでの仕事内容は多種多様でなんでもやった。
メインはハウスキーピング、トイレ掃除、洗濯、屋根の修理、ペンキ塗り、食料の買い出し、皿洗い、ゴミ捨て等。
なかでもこのゴミ捨てがとてつもなく過酷な仕事であったためにその一連の流れを簡単に説明したいと思う。
普通は指定日にゴミを家の前に置いていたらゴミ屋さんがもっていってくれるというのが一般的だが、田舎ゆえに指定された場所へゴミをこちらから持ってい
【本当のたくましさとは】No.048
日本人の女の子の名前は「サリー、みーこ」。
ここでの田舎生活の先輩である。
簡単に家にあるものの説明と自分の部屋を紹介される。
なんだか床もざらざらしているし、ベットの隅にはクモの巣がはっていた。。。
化粧をした二人とリビングでこれまでの経緯を話していると、
「痛っ!」
またもやアブが自分の足をさしている。
「それにしても虫が多いですよね。」
あまりの虫の多さに思わず気にならないか
【インパクト】No.047
面接結果。いまスタッフは間に合っているから。。。。と言われてしまった。。。。
あれだけ馬になめられてしまっては当然だよな。
ちなみに馬がいうことは聞くようにするには、またがった両足で馬の脇腹に一撃をくらわすらしい。どうもその力加減が弱すぎたみたいで、馬が言うことを聞いてくれなかったみたい。慣れもあるが、向き不向きがある仕事だなとは感じていた。
「あー、乗馬できないんか!?」ひそかにショックを