マガジンのカバー画像

エッセイ

50
運営しているクリエイター

#高校

心が敏感なひと。

心が敏感なひと。

「あいつなんか、死んでも誰も気にせんやろ」

高校生。後ろの席から聞こえてきたことば。

グサって胸に突き刺さった。

これは、わたしに向けられたものではない。

後ろの席の男の子たちが、別の子に向けて吐いたことばだった。

それでもわたしはすごく怖かった。

話の流れも、何があったのかも、なんにも分からなかった。

ただ、このことばだけがわたしの方まで飛んできた。

もしかしたら、そんなに深い意

もっとみる
伝えること。

伝えること。

ここ数年、涙がよく出る。

もちろん、しあわせを感じて。

過去の自分をふりかえると、

あぁ、ここまできたんやなぁ。がんばったなぁ。

って、愛おしさがこみ上げてくる。

わたしには高校生の時、通学電車にのれない時期があった。

中学生までは、電車=おでかけ、だったからワクワクしていた。

それなのに。

高校に通うまいにちの満員電車で、

パニック発作を起こ

もっとみる
言えなかったこと。

言えなかったこと。

忘れもしない。

高校生の時、韓国語の授業があった。

その授業では、生徒は1人ずつ立って韓国語で例文を読む場面があった。

「わたしは日本人です。」

不思議だった。全員が、この例文を読まされる。

わたしは、エジプトと日本のハーフだ。

エジプト人だ。とも、日本人だ。とも言えない。

嘘ではないけど、本当でもない。

先生は、ここには日本人しかいない、と思ってるのか。

大げさに聞こえるかもし

もっとみる