マガジンのカバー画像

エッセイ

50
運営しているクリエイター

記事一覧

獣になりたい。

獣になりたい。

私は時々、自分には大事なものが欠けてるんじゃないかという考えに囚われることがある。

友人や家族が想像もしてない恐ろしい私が、確実に存在している。

とても冷徹に世界を見ていたり、美しいものに腹が立ったり。

ふとした拍子に、そんな私の中の悪魔が暴れ出してしまうんじゃないか。

そんな恐怖に長い間囚われている。

だからいつも、正解を探してきたんだ。

こんな状況の時はこう振る舞う。こう言われたら

もっとみる

森の中。

私は動物だった。

驚くほど思考をしていなかった。

ただ目の前にある自然を、木を、命を感じるためだけに

目を使い、緑を映した。

耳を使い、風の音を聞いた。

鼻を使い、草のにおいを嗅いだ。

手で触って、その温度と感触を確かめた。

頭が働いていないぶん、

体が私をいろんなところに連れて行った。

見たい。聞きたい。嗅ぎたい。触りたい。

ただその欲望に心を委ねたら、体

もっとみる

表現すること

人はみんな誰しも、表現欲みたいなのを持ってると思う。

それが、絵なのか歌なのか言葉なのか。
生き方なのか考え方なのか。

いろんなアウトプットの仕方がある。

最近、自分は何を表現したいんやろう。って考える。

たしかに、自分がここに存在していると、確認したい。

証明したい。

人間やめよ。

最近、土に還りたい欲がどんどん増している。

緑と水がある場所で、ひっそりと暮らして

体ぜんぶ使って心を震わせて生きたい。

未来のことも、過去のことも考えないで

ただ、いまそこに生きている木のように。

妄想爆発させると、

木になりたい。

地球にとってのわたしが

わたしにとっての石ころのように

大きな自然の中でちっぽけなわたしを

ちっぽけな人間を愛でていきたい。

人間、やめようか

もっとみる

逃げ

わたしはいつもいろんなものから逃げてきた。

給食当番を忘れて遊んでた小学生のわたしは教室から飛び出して先生から逃げたし、

(捕まって校長室で、もう逃げません。て誓わされた。笑)

学校には内緒で行った文化祭の打ち上げをわたしの親がばらしちゃって、クラスのみんなに非難されたときも逃げた。

一目散に家まで走って帰った。

いじめられてしんどかった部活からも、

つまんない友達関係からも逃げて、不

もっとみる

みらいのじぶんより。

何気なく、今までの自分のブログの記事を見返してみた。

たしかに、書いたのは自分なんやけどなんだか新鮮に感じる。

誰かに向けて、誰かを想って書いた記事が、今の自分にクリーンヒットしてくる。

誰に見られても見られなくてもいい。

自分のために、書こうと思って始めたけど、

文字通り今、自分のためになった。

すごく勇気をもらえた。

ありがと、むかしのじぶん。

みらいのじぶんより。

ひとりごと。

ときどきね、あーーって叫びたくなるときがある。

自分の中の情動とか、熱、みたいなのを

いっぺんに吐き出してしまいたくなるような。

言葉、という狭い出口からは到底でてこれないようなぐちゃぐちゃなものとか。

それを、言葉を磨くことで、

うまく口からするっと出せるようになるのが最近の目標。

でもたまに詰まるから、やっぱりまだまだやなぁ。

森に行きたい。
#コラム #エッセイ #ひ

もっとみる

なんかね。

なんかね、で会話が始められる人がすき。

なんの脈絡もなく、どうでもいい話も、どうでもよくない話も、おんなじように。

脳みそを動かさず、会話ができる人がすき。

何を言うかは重要じゃないから。

ただ、あのね、なんかね、って言って

ふふって笑えるのがいい。

それだけでいい。
#エッセイ #コラム #文章 #なんか #すき

触れたとき。

触れたとき。

誰かの創ったものに触れたとき。

感情がね、ぐわぁーってくるの。

ストーリーがね、流れ込んでくるの。

あぁ、こんな気持ちだったんだね。

こんな想いをこめたのかな。

そういうのが、胸をぎゅーって掴むの。

想いが、愛が、流れ込んでくるぶん、

全身全霊で返したい!って思うの。

でもそうするとね、

言葉が出てこないの。

涙が、心臓のどきどきが、抱きしめたい気持ちが、

制御できなくなるの

もっとみる
近況報告。これまでと、これから。

近況報告。これまでと、これから。

4月に大学をやめて、もう3ヶ月。
なんとなく、ちゃんと文章にまとめて発表することを避けてきました。
自分の選択に迷いも、後悔もない。
ただ、「今なにしてるの?これからどうするの?」って質問されることがちょっとだけ怖くて後回しにしてきました。
でも、もう大丈夫。
お世話になった人、大好きな人、こんな私を暖かく包んでくれる人に感謝と、報告をしたいと思います。

5月
これまでと同じようにがっつりバ

もっとみる

他の人の文章は読まない。

久しぶりに、他の人の文章を読んだ。

面白かった。

美味しかった。

するすると入ってくるそうめんのような清々しさ。

私はいつも、他の人の文章はあまり読まない。

エッセイや物語、日記など、なぜだかあまり気がのらない。

自分の文章は何回も何回も読み直して、味わうのにね。

自分に対する興味がなによにも強いんだなぁと思ってたけど、

違うのかも。

もしかしたら、単純にアウトプットする期間だっ

もっとみる
積極的苦痛

積極的苦痛

たぶん、なにかを創るとか、考えるとかって

苦痛じゃなきゃできない。

苦しいことがあるから、創作の世界に救いを見出そうとするし

生きている意味がわかんないから生きている。

苦痛を取り除こうとするくせに、

取り除かれるとなんにも感じれない。

書けないし、考えられない。

矛盾やね。

幸せって麻酔みたいなもので、

生きるという苦痛においては

すごく効果を発揮する一方、

頭は鈍る。

もっとみる
ふわっと激しく生きる

ふわっと激しく生きる

私は自分の存在を示すために、暴れているのかもしれない

生きているっていうのは不確かなもので

本当に生きれているのか不安で

掴めなくて、でも確かめたくて、今を引っ掻きまわしている

そこについた跡が、自分が生きている証拠な気がして

つかれちゃったはずなのに

もっと、もっと、

跡をつけたいと思ってしまう

ふわっとゆるく生きたいと思うのに

激しくかきまわしたいと思う自分もいる

どっちが

もっとみる
珍しい笑顔

珍しい笑顔

「えるちゃんが、笑ってる!」

高校生。わたしは教室で本を読んでいた。

休み時間、本からふと目線を上げたとき、ふざけて遊んでいるクラスメイトが目に入った。

その光景が面白くて、思わず頰が緩んだ。

目があったクラスメイトたちが騒ぐ。

「こっち向いて!わぁ、ほんとだ。えるちゃんが笑ってる!」

ただ笑っただけなのに、どうして?

なんだかよくわからないけど、みんなが笑ってるし、いいや。

その

もっとみる