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病気の子どものきょうだい支援

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医療的ケア児と家族への理解を深めるパンフレット〜もみじの家より〜

医療的ケア児と家族への理解を深めるパンフレット〜もみじの家より〜

国立生育医療センターさんの医療型短期入所施設「もみじの家」をご存知ですか?
昨年、厚生労働省の事業で医療的ケア児(医療的なケアが必要なお子さん)を育てる家族の暮らしや抱えている思いについて、「医療的ケア児者とその家族の生活実態調査」というものが行われました。その際に、このもみじの家も協力をしているようです。
この調査では、「一般的な家庭では当たり前にできることができない」「緊張と孤立が続く」という

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病気の子どものきょうだい支援⑨

病気の子どものきょうだい支援⑨

今回はきょうだいの死別の経験について触れてみます🍀

どの年代であっても家族との死別は人生の中で大きな経験ですよね。
本来であれば、この項目だけで本になるくらいのボリュームになる内容なのですが、今回はなるべくマイルドに触れてみたいと思います。

病気や障がいのある兄姉弟妹との死による別れは、きょうだいにとっても辛いでき事であり、その後の人生に大きな影響を与える体験となります。
子どもの「死」の捉

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病気の子どものきょうだい支援⑧

病気の子どものきょうだい支援⑧

今回はきょうだいのニーズについて、小児看護雑誌に記載されている内容を参考にしてお伝えしていきます😊

そもそも、子どもの権利条約というものがあるのをご存知でしょうか。
それによると、「心身に障害を伴う子どもは、自らにとって存分にふさわしい生活を楽しまなければならない。」「そうした楽しい経験の積み重なりが自分を信頼する気持ちにつながっていく」とされています。
病気や障がいを持つお子さんももちろん、

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病気の子どものきょうだい支援⑦

病気の子どものきょうだい支援⑦

きょうだい支援シリーズ、きょうだいが抱き得る・抱いている心情に関しては今回が最後になります😊
私事ですが、私自身の看護研究も発表に向けた段階に入ってきました!頑張ります!

きょうだいが抱き得る・抱いている心情の例
(参照 雑誌:小児看護 新家、2020)
例)・不安、恐怖、神経質、同一視
  ・寂しさ、孤立、疎外感、喪失感
  ・困惑、恥ずかしさ
  ・怒り、憤り、恨み、嫉妬
  ・自責の念、

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病気の子どものきょうだい支援⑥

病気の子どものきょうだい支援⑥

きょうだい支援シリーズ再開します!
きょうだいが抱き得る・抱いている心情の例
(参照 雑誌:小児看護 新家、2020)
例)・不安、恐怖、神経質、同一視
  ・寂しさ、孤立、疎外感、喪失感
  ・困惑、恥ずかしさ
  ・怒り、憤り、恨み、嫉妬
  ・自責の念、罪悪感
  ・責任に伴う過剰な負担感、不自由
  ・完璧への圧力
  ・諦めや不全感、不信感
  ・悲しみ、無力感
  ・自己肯定感の低下、

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病気の子どものきょうだい支援⑤

病気の子どものきょうだい支援⑤

では、きょうだい支援シリーズ第5段です。
病気の子どものきょうだいが抱き得る、抱いている心情として紹介していますが、感情や心情の捉え方やその思いに対する対応について考えるきっかけにもなるかと思うので、きょうだいに限らず、そういった視点でもみていただけるといいと思います😊

きょうだいが抱き得る・抱いている心情の例
(参照 雑誌:小児看護 新家、2020)
例)・不安、恐怖、神経質、同一視
  ・

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病気の子どものきょうだい支援④

病気の子どものきょうだい支援④

前回に触れた以外のきょうだいの心情の背景について触れていきます🌱

おさらいです!
きょうだいが抱き得る・抱いている心情の例にはこんなものがありました。
(参照 雑誌:小児看護 新家、2020)
例)・不安、恐怖、神経質、同一視
  ・寂しさ、孤立、疎外感、喪失感
  ・困惑、恥ずかしさ
  ・怒り、憤り、恨み、嫉妬
  ・自責の念、罪悪感
  ・責任に伴う過剰な負担感、不自由
  ・完璧への圧

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病気の子どものきょうだい支援③

病気の子どものきょうだい支援③

「きょうだい」シリーズ、看護学校の授業でもあまり取り扱われないと聞いたので、きょうだいの心情について詳しく数回に分けてみていきます😊

兄姉弟妹の誰かが病気になった時、きょうだいが抱き得る、抱いている心情にはどんなものがあるのでしょうか。
兄姉弟妹の家族内での役割について、以前の記事で触れたことがあるのですが、兄姉弟妹同士の関係は、親子関係を基礎として子どもの自我の発達に強い影響を与えると言われ

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病気の子どものきょうだい支援②

病気の子どものきょうだい支援②

前回は、「きょうだい」の存在についての紹介と、彼らが抱いているかもしれない感情はどんなだろうかという提起をしました。
今回は、実際にあったとされるエピソードから具体的に想像していこうと思います。

以下の内容は、私も学生時代に目にしたものです。
小児がんで入院した弟に付き添い、兄の誕生日にケーキを用意できなかった母親のお話です。
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病気の子どものきょうだい支援①

病気の子どものきょうだい支援①

まず、ここでの「きょうだい」は、病気のお子さんの兄姉弟妹のことを指します。
私が親子支援をしたいと思っている根底には、自分の経験が影響しています。
私自身、妹が入退院や複数回の手術が必要な状況でこの「きょうだい」にあたる立場にいました。もちろんそのことだけが全ての原因ではありませんが、自分も体調を崩して、3ヶ月ほど入院を経験しています。この経験のためか、私は人一倍、病気と闘うお子さん、きょうだいを

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