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病気の子どものきょうだい支援④

前回に触れた以外のきょうだいの心情の背景について触れていきます🌱

おさらいです!
きょうだいが抱き得る・抱いている心情の例にはこんなものがありました。
(参照 雑誌:小児看護 新家、2020)
例)・不安、恐怖、神経質、同一視
  ・寂しさ、孤立、疎外感、喪失感
  ・困惑、恥ずかしさ
  ・怒り、憤り、恨み、嫉妬
  ・自責の念、罪悪感
  ・責任に伴う過剰な負担感、不自由
  ・完璧への圧力
  ・諦めや不全感、不信感
  ・悲しみ、無力感
  ・自己肯定感の低下、自尊心の脅かし
  ・レジリエンシー

前回はレジリエンシーについて触れたので、今回は他の心情について順々にみていきます。

不安、恐怖、神経質、同一視

前回も少し触れましたが、「〇〇はこれからどうなっちゃうんだろう。知りたいけど怖いな...」といったものが不安や恐怖の感情です。きょうだい達は、疾患や治療に伴う病気の兄姉弟妹の身体状態の変化や、いつもと違う親の様子からこのような感情を抱くと言われています。特に、病状や症状が進行した時など、より医療が必要となる状況ではきょうだいも不安や恐怖の思いが増強します。こういった状況では、親の意識や身体も病気の兄姉弟妹に集中せざるを得ないことも多いため、きょうだいに親を頼れない心細さが加わり、不安や恐怖の思いが増すと考えられます。
さらに、親だけでなく、他の周囲の大人の意識も病気の兄姉弟妹に向いてしまうことから、きょうだいの苦悩が気づかれにくくなってしまいます。
また、病気の兄姉弟妹が急に調子が悪くなってしまう状況だけでなく、日頃から疾患などの影響を受けている病気の兄姉弟妹の苦痛や大変な状況に、常に不安や恐怖を側に感じているため、神経質になってしまっていることもあります。
そのような環境から、自分もいつか身体が動かせなくなるのではないか、同じ病気になるかもしれないと過剰な同一視をしてしまうこともあります。

寂しさ、孤立、疎外感、喪失感

きょうだい達も各々の認知発達(理解力)の中で、彼らなりに兄姉弟妹の病気やその状況について理解することができますが、親からの説明の程度も様々であり、家族内での病気や治療などに関する話題についていくことができていない感覚、疎外感を感じていることがあります。また、病気の兄姉弟妹の通院や療育について行く時に感じるつまらなさ、一緒にいても親の疲労や親の意識が病気の兄姉弟妹に向いていたりすることなどによる、日常で親と過ごす時間の質の低さなどによって、寂しさや孤立感を感じていることもあると言います。
入院によって家族が別々に過ごすことになれば、いつも居るはずの親や兄姉弟妹がいないことで(帰っても「おかえり」と迎えてもらえない等)寂しさや孤独感、日常が失われたような喪失感を感じることもあります。
このような家庭内の出来事から抱く感情について、同年代の友達に話してもわかってもらえないだろうと、友達に理解してもらえない、交われない思いが重なっていき、家庭外でも孤立感や疎外感を感じていることがあります。
さらには、友達と楽しい時間を過ごしている時にも、ふと病気の兄姉弟妹のことを思ったり、その境遇から友達とは違う自分を感じることで疎外感や孤立感を感じることもあるそうです。

不安や恐怖、寂しさと言った感情は日常的に使うことがある言葉ですが、その感情の背景をみて行くと、病気と闘う兄姉弟妹の傍で、きょうだい達も闘ってくれていることが何となくでもわかってきたのではないでしょうか。
その闘いについて知っているだけで、きょうだいと関わるときに、もっと寄り添った関わりができる気がしませんか?もちろん、その子の思いを決めつけてはいけませんが😊

また次回以降に続きます✨




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