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「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」㉙「自律神経」

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 初めて読んでいただいている方は、見つけていただき、ありがとうございます。

 私は、臨床心理士/公認心理師越智誠(おちまこと)と申します。家族介護者の心理的支援を仕事にしています。

家族介護者の負担

 コロナ感染対策の緩和が言われるようになりましたが、ご高齢者に関わることが多い家族介護者の方にとっては、それほど不安の大きさが変わっていないかもしれません。

 それに、もともと、介護が始まってから、いつ終わりが来るか分からない毎日が、ずっと続いているかと思います。

 その気持ちの状態は単純ではなく、説明しがたい大変さではないかと推察することしかできないのですが、それでも、ほんの少しでも負担感や、ストレスを減らせるかもしれない方法は、お伝えする努力はしていきたいと考えています。

 時間的にも余裕がなく、どこかへ出かけることも出来ない場合がほとんどだと思いますが、この「介護の大変さを、少しでもやわらげる方法」シリーズでは、お金も時間も手間もなるべくかけずに、少しでも気持ちを楽にする方法を考えていきたいと思います。

 今回は、「自律神経」に関わるムック本を読んで、参考にできるかもしれないと思い、紹介することにしました。

自律神経失調症

 あまり軽率に決めつけてはいけないとは思うのですが、特に長く介護を続けられている家族介護者の中には、「自律神経失調症」で、辛さが増している方も少なくないかもしれません。

自律神経失調症は、自律神経がストレスによって正常に機能しないことによって起こるさまざまな症状の総称です。

その原因として、不規則な生活によって自律神経が興奮し続けたり、ストレスによる刺激、更年期におけるホルモンの乱れ(更年期障害)、先天的要因などが挙げられます。

全身的症状としてだるい、眠れない、疲れがとれないなど、器官的症状として頭痛、動悸や息切れ、めまい、のぼせ、立ちくらみ、下痢や便秘、冷えなど多岐にわたります。
精神的症状として、情緒不安定、イライラや不安感、うつなどの症状が現れることもあります。

 もしかしたら、この症状を読んで、もしかしたら、自分も「自律神経失調症」かもしれない、と思われる方も、いらっしゃるかもしれません。

治療法として、ホルモン剤などによる対症療法や睡眠の周期を整える行動療法などがありますが、ストレスのコントロールと生活習慣の改善(規則的な睡眠と食事)が最も大切なことです。

 同時に、介護を続けていれば、ストレスが強いのは、残念なことに避けることができず、しかも、そのことで、「自律神経失調症」の症状が出ていたとしても、その治療法としてあげられている「規則的な睡眠と食事」が、特に在宅介護をされている方には、本当に難しいことだと思われますので、根本的な治療が難しいかもしれません。

自律神経を整える

 「ターザン」のムック本である、この本も、「自律神経を整える」ために、生活全般を見直す、ということがテーマになっているようです。

 1 自律神経とは何か
 2 自律神経セルフケア 運動編
 3 自律神経セルフケア メンタル編
 4 自律神経セルフケア 食事編
 5 自律神経のための  睡眠学

 もし、興味がある方は、直接、手にとっていただきたいと思っていますが、それぞれのことに関して、さまざまな選択肢を提示してくれていますので、どれかは試してみようという気になるのではないでしょうか。

 この20年ほど、介護のために腰を痛めてから、筋トレをするようになり、時々「ターザン」を購入し、トレーニング方法が時代によって更新されているのを知り、日常に取り入れようとしてきた人間でもあるので、(「ターザン」びいきの)やや偏った見方になっているとは思います。

 それでも、もし「自律神経」に関して、気になる方には、情報が多すぎず、それでいて、取りこぼしも少ないバランスの取れたガイド本のようになっているように感じます。

生活の中で

 ただ、当然ですが、介護を続けている生活でしたら、心身ともに余裕はなく、全体的に見直すのもとても難しく、全部を取り入れようとすれば、それ自体がストレスになりそうですので、それでも、ほんの少しでもできそうなことを、紹介しようと思いました。

 たとえば、風呂上がりの時間に行える事として、ストレッチなどが紹介されているのですが、それ以外の小さい記事に、こんな方法がありました。3つ引用します。

耳にアプローチし自律神経を整える
耳たぶの少し上を、親指と人差し指で挟むように掴む。 
水平方向に引っ張り、10秒キープして離す。3回繰り返す。
耳を上下に動かしたり、回したりしてもよい。

耳こり、頭痛予防にもなる顎押し。
耳たぶの後ろにある骨の凹み(顎関節)に、指を当てる。
痛気持ちいいと感じる強さで、斜め上方向に30秒押す。
肩こり、頭痛、自律神経の乱れに効く。

腹式呼吸で副交感神経優位に。
腹に両手を添える。3秒かけて、腹が膨らむように鼻から息を吸う。3秒止めて、6秒かけて口から吐く。
背中と腹をつけるようなイメージで、吐き切る。3回。

 朝起きた時の習慣づけも、いろいろとあげられているのですが、その中で一つだけ、紹介します。

起床時に日の光を浴びると体内時計がリセットされ、その日の入眠がスムーズになる。
また、睡眠時には汗をかいているので、起きたらコップ1杯の水を飲んで水分補給をしたい。

食事

 食べ物についても、自律神経に作用することがあるので、パーソナルトレーナーで、管理栄養士の河村玲子さん、という方が紹介してくれています。

 その中で、2つのメニューを紹介します。(レシピまでを引用するのは難しいので、あくまでヒントとして考えてくだされば、幸いです)。

『鮭を使ったゴーヤチャンプルー』

「体温や心拍を調整するために交感神経が活性化し、神経細胞に活性酸素が大量に発生。これが疲労につながりますし、副交感神経への切り替えがうまくいかず、休んでも疲れが取れにくくなる。活性酸素による酸化ストレスを抑える役割を持つアスタキサンチンやビタミンEを豊富に含む食材を積極的に摂り、疲労回復を促しましょう」(河村さん)
 おすすめは鮭を使ったゴーヤチャンプルー。鮭はアスタキサンに加えてビタミンEも豊富で、これは夏野菜の代表格、ゴーヤにたっぷり含まれるビタミンCと一緒に摂ると抗酸化作用がさらに高まるのだ。

『カツオののっけ丼』

幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質のセロトニンには、自律神経を整える働きがある。朝に日光を浴びてから目から光の刺激を入れると、体内でもセロトニンが活性化することもよく知られているが、セロトニンはカラダの中で貯蔵できないため、生成につながる栄養素を意識して摂る必要がある。
「主に大切なのは必須アミノ酸のトリプトファンとビタミンB6、あとトリプトフォンを脳へ取り込むのを助ける炭水化物も欠かせません。マグロの赤身やカツオはトリプトファンとビタミンB6の両方が豊富。炭水化物の白米もトリプトファンを含んでいます」。
 というわけでおすすめは両方を合体したカツオののっけ丼!

 自律神経を少しでも整えるために、もしよろしかったら、負担にならない程度に、試していただければ、と思います。

 介護をしている方は、知らないうちに、要介護者のご家族のことばかりに意識が行きがちで、もちろんそうでないと、介護の継続は難しいと思いますが、生活の中で、ご自分に対して意識を向けるためにも、今回の方法を試してみる価値はあるのではと思っています。

 今回は、「ターザン」のムック本に全面的に頼ることになってしまいましたが、興味を持っていただいた方は、全部を通して読んでいただくことを、おすすめします。


(こちら↑は、電子書籍版です)。
 

 もし、今回のことが参考にならなかった場合はすみません。
 他の方法も試してみていただければ、ありがたく思います。




(他にも、いろいろな介護のことを書いています↓。よろしかったら、読んでもらえたら、うれしいです)。



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