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家族介護者の支援について、改めて考える②「公認心理師」という資格

    初めて読んでくださっている方は、見つけていただき、ありがとうございます。

   私は、1999年に家族の介護を始め、いろいろなことが重なり、仕事もやめることになり、介護に専念する年月の中で、家族介護者には心理的な支援が必要ではないか、といったことを思うようになりました。

 


家族介護者の支援について、改めて考える


 前回、家族介護者への心理的なサポートが、この10年、社会に少しでも広がるように、自分なりに努力はしてきたのですが、それがなかなか広がっていかず、自分の力不足もありながらも、無力感に襲われた話をしました。

 それは、お恥ずかしいことでもあるのですが、それでも、臨床心理士の世界で、介護者の心理的支援については、心理学の学会の大会での発表や、同業者の方々の勉強会でも、できる限り、伝えようとしてきました。

公認心理師という国家資格

 その時間の中で、臨床心理士の資格試験もありました。その後、心理職の世界では、長年の目標でもあったのですが、国家資格もようやくできました。読んでくださっている方が、ご存知かどうかは分かりませんが、それが公認心理師という資格です。

 公認心理師の第1回の資格試験が行われたのは、2018年の秋でした。個人的には、40代後半からの10年足らずで、大学院入試、臨床心理士資格試験、さらに公認心理師の試験を受験しました。

 大学院に入り、そこは学問が、一方通行ではないこともあって、学び、研究することが楽しくて、さらには自分が変わる、ということでもあるから辛くもあって、だけど、初めて学校という場所で充実した気持ちになれました。

 その一方で、資格試験でもあっても「受験勉強」は、同じ部屋を掃除し続けるような感覚で、何度も同じ場所を行ったり来たりすることになるので、それはせっかく学ぶことが楽しくなってきた部分もあったのに、またその作業をしていくことがとても退屈でした。

 そして、その公認心理師の受験勉強をしている時は、第1回目なので、過去問もなく、書店の本棚でも、大きいところでなければ、公認心理師の本を見つけることさえ困難でした。そして、周囲の人に、自分と同業者の臨床心理士の人以外では、公認心理師と言っても、知っている人はいませんでした。大げさですが、本当に資格ができたのかも疑うくらいだったのすが、受験当日、同じ車両に、自分も持っている参考書を持っている方が、大勢いらっしゃって、しかも最寄り駅で降りる時にホームが人で埋まり、会場まで人が途切れず、こんなに受験する方々がいることを初めて知りました。ちょっとうれしく思ったのを覚えています。

 

 今のところ、個人的には、公認心理師の資格を取得したとしても、目に見えるメリットは感じられません。それもあって、どなたかに積極的にすすめることもためらわれるのですが、人によっては、資格を取得することでスクールカウンセラーの仕事を始められた方もいらっしゃるので、資格に対しては、個々人の生かし方の違いは大きいのだとも思います。

 臨床心理士の資格は、更新制度もあり、自分がそうだから、というよりは、周りを見ていて、かなり研究もし、勉強もし、学ぶことに熱心な人たちが多い印象ですが、あくまでも民間資格なので、これから先は、国家資格である公認心理師の資格もないと、特に公的な仕事には、よっぽど個人的な能力が優れていないと、関わることも出来ないと思って、資格を取得した部分が大きかったです。

 私にとっては、幸いなことに大学院を修了したことにより、受験資格もあったので、勉強し、合格もできました。その受験の時に、経過措置によって自分も受けられたのですが、5年間は、比較的広い範囲の方々が、受験できることも分かりました。

公認心理師受験資格の経過措置

「公認心理師受験資格」経過措置の中に「受験区分G」というコースがあり、それは、実務経験5年に加え、現任者講習会を受講すれば、公認心理師の資格試験の受験資格は得られます。その実務経験とは以下の通りです。

実務経験5年 
公認心理師法第2条第 1 号から第3号に掲げる 行為を、5年以上、常態として週 1 日以上、業 として行っていた方が対象となります。

 大変、申し訳ないのですが、この「実務経験」について詳細に語れないのは、場合よっては、ケースバイケースに思えるところもあるからです。それでも、もし、心理職に興味がある方でしたら、お手数ですみませんが、調べていただく価値はあるのかと思います。

 私がいろいろと書くよりも、この受験資格に関しては、この方に頼って申し訳ないのですが、タノ先生のnote↑ を読んでいただいた方が分かりやすいと思います。

経過措置は、あと1回

 今回、こうしてお伝えしようと思ったのは、この経過措置で受験資格を得られる機会が、いつの間にか、あと1回になっていたからです。コロナ禍によって、昨年の受験日程は延期などの混乱があり、受験される方にも、より大変さがあったかと思います。そうしたことに注意がいっている間に、第4回の資格試験は今年行われるはずですが、その現任者講習の受付は、終了していました。

 つまり、これから公認心理師資格試験を、実務経験によって「Gコース」の経過措置で受験できる機会も、あと一回ということです。

 第5回公認心理師試験に向けた2021年度の現任者講習会は,2021年7月~2022年2月に実施することとされております。

 この現任者講習会を受けることも、「Gコース」で受験するためには必須ですので、興味を持った方は、申し訳ないのですが、ご自身で以下のサイトを調べていただき、手続きを検討していただければ、と勝手ながら思っています。

(このサイトの、「区分G専用」のQ&A↓を読んでいただければ、概要はわかるかと思います)。

家族介護者の心理的支援につながる可能性

 私は個人的には、心理学からの視点も、介護者支援には必要だと思っていますので、ここ何年かは、介護の専門家の方にも、公認心理師という心理職の資格ができたことを、お伝えしてきました。そして、いろいろなご負担になるので、おすすめすることも、微妙に申し訳ない気持ちがありながらも、興味があれば、実務経験で受験ができるかもしれない経過措置があることも、話題にしました。

 私がお伝えした、ほとんどの方は、この資格の存在自体をご存知なかったのですが、1人でも2人でも、現在の、現場でのご経験や仕事の力に加えて、心理学的な視点も持っていただけたら、それが、いつか、家族介護者の心理的支援に、少しでもつながるかもしれない、という気持ちもあったからです。

 それに、将来は、初めての心理の国家資格として、今よりも重要な意味を持つようになるかもしれない、という希望もありました。(それについては、自分の努力も関係してくるのですが)。

 そのためには、能力だけでなく、本質的に優しくて、意欲がある方が、一人でも多く、公認心理師になっていただくことも必要になってくると、勝手ながら思っています(まずは、自分がもっと頑張らなくてはいけないので、こうした偉そうなことを言うのも恥ずかしいですが)。

 繰り返しになりますが、この記事を読んで、公認心理師という資格に興味を持った方は、まずはサイトで確認していただくのは、いかがでしょうか。

事例問題について

 もし、受験資格がある方がいらっしゃって、受験しようと思って準備しようとしている方には、すでに3回の試験は終わっていますので、受験用の参考書も充実してきていると思います。

 ただ、「受験勉強」の中で、事例問題対策が欠かせないと思うのですが、それいついては、公認心理師の参考書だけでなく、さらに余力がある場合は、「臨床心理士受験」のための参考書や問題集も力になるかと思います。



(他にも介護のことを、いろいろと書いています↓。読んでくだされば、うれしいです)。



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 この記事を読んでくださり、ありがとうございました。もし、お役に立ったり、面白いと感じたりしたとき、よろしかったら、無理のない範囲でサポートをしていただければ、と思っています。この『家族介護者支援note』を書き続けるための力になります。  よろしくお願いいたします。