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映画と精神医学(2): エクソシスト

皆様、こんにちは!鹿冶梟介(かやほうすけ)です。

前回の「映画と精神医学(1):スターウォーズ」に続き、今回はオカルト映画の金字塔、「エクソシスト(The Exorcist)」を精神医学の観点から解説します。

エクソシストは"悪魔祓い”に関する映画なのですが、実はこの映画を観て、私は精神医学にとても興味を持つようになりました

「エクソシストと精神医学???」と首を傾げて、180°回す方もいるかも知れませんが、それはこの記事を読めば分かります!

暑い日が続きますが、今回のオカルトネタで少し涼しくなれば幸いです。

なお、本記事はネタバレ要素を含みますので、本映画を視聴された方のご高覧を推奨いたします。

【映画エクソシストとは?】

1973年に米国で公開されたオカルト映画。

少女リーガンに憑依した悪魔と、イエズス会の神父・精神科医であるカラス神父との戦いを描いている。

映画はシリーズ化され、1-3までが公開(スピンオフとして、作中に出てきた老神父メリンを主人公にした作品、エクソシストビギニングがある)

米国において、公開年度の興行収入第一位を記録。第46回アカデミー賞の脚色賞と音響賞を受賞


【映画のあらすじ】

ワシントンに住む女優"クリス・マクニール”の一人娘”リーガン"の周囲に次々と怪現象が起きる(正体不明の騒音、ベッドの激しく揺れなど...)。

やがてリーガン自身の言動もおかしくなりはじめます(口汚く卑猥な言葉を吐く、人前で失禁する、ブリッジして階段を高速で降りるなど...)。

心配したクリスは、リーガンを病院に連れて行き、神経科医や精神科医の診察を受けさせますが、リーガンに異常は見つかりません…。

途方に暮れたクリスに医師たちは、ダメ元で「悪魔祓い」を提案します。

信仰心はなく、そして悪魔の存在を信じていないクリスですが、部屋の物がひとりでに飛び交い、愛娘の首が真後ろに回る様子を目撃します。

悩んだ末、クリスは知人の伝で"デミアン・カラス神父"に悪魔祓いを依頼することにしました。

神父であり精神科医でもあるカラス神父は、当初悪魔の存在を否定していましたが、リーガンに起こる様々な怪現象を目の当たりにし、悪魔祓いを行うことを決意。

カラス神父が所属するイエズス会は、悪魔祓いのスペシャリスト"ランカスター・メリン神父"を同伴することを条件に、悪魔祓いの儀式を許可することにしました…。

悪魔との壮絶な戦いの最中、メリン神父は持病の心臓病が悪化して亡くなります
カラス神父は怒り、リーガンに憑依した悪魔に自分に乗り移るよう命じます。

すると悪魔はカラス神父に憑依し、リーガンを殺害しようとしますが、我に戻ったカラス神父は自ら窓を突き破り、石階段に落下して命を落とします

悪魔から解放されたリーガンは、悪魔に憑依されていた間の記憶を失い、母クリスと街を離れて行きました…。

【エクソシストの元ネタ】

この映画の原作はWilliam Peter Blatty の同名の小説が原作となっています。

小説の元ネタは、"メリーランド悪魔憑依事件”あるいは”ローランド・ドゥの悪魔祓い"とよばれる実際にあった事件です。

メリーランドに住む14歳のローランド・ドゥ少年が悪魔に取り憑かれ、イエズス会の神父がジョージタウン大学病院およびアレクシアンブラザーズ病院にて実際に悪魔祓いの儀式を行った”実話"がモチーフだそうです。

最初の悪魔祓いは、エドワード・ヒューズ司祭が行いましたが、少年が儀式の最中にマットレスの下からベッドスプリングを取り出し、司祭の腕を切り裂いたため儀式は中断します。

2回目の悪魔祓いはウォルター・ハロラン司祭が担当しますが、この時も少年は司祭に暴力を振るい、司祭は鼻を骨折します…。

最終的に悪魔祓いは成功し、少年は以後普通の生活を送ることができるようになったそうです。


【映画における医学的描写・記述】

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