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ゲームと精神医学(1): スーパーマリオで認知症を防げ!〜海外論文の紹介〜

みなさま、こんにちは!鹿冶梟介(かやほうすけ)です。

皆様は、テレビゲームをしますか?

私も若い頃はゲームをよくやっていましたが、最近はやっていません😖

昔のゲーム機(ファミコン・スーファミ)は、ボタン数も少なく、操作も簡単だったのですが、最近のゲーム機のコントローラーは操作が複雑でついていけない…。

(スマホゲームも字が小さくて目に厳しいから、おじさんには厳しい😭!)

ところで、テレビゲームはとても楽しく「息抜き」には好個と思うのですが、今も昔も「ゲームのやりすぎはダメ!」というのが定説です。

(かつてゲームキッズだった方も親になったとたん「ゲームのやりすぎはダメ!」とお子さんに言ってませんか?)

たしかに、ゲームのやりすぎは視力を悪化させますし、精神医学においては「ゲーム障害」という病気に認定され(2018年6月にのWHOが認定)、負の部分ばかりが強調されております...。

ともすれば「ゲームは百害あって一利なし」という意見がまかり通りそうな世の中ですが、小生、以前より「ゲームは有害だからダメ」という意見に疑問を持ち続けていました

「あれだけ手先を使う動作を繰り返していたら、脳を刺激して活性化させるのでは…?

…、そんなことを考えていたところ、小生の考えを支持する興味深い文献を発見しました。

しかもこの文献、何と日本が誇るゲーム「スーパーマリオ」を用いた研究ではありませんか!

皆様もこの論文を読めば、ゲームに対する評価が変わるかもしれません。

尚、本文献は多数の実験をしているため、本記事では興味深い一部の結果のみを紹介しています。ご興味がある方は、是非原文をご参照ください。

【研究紹介】

Enriching hippocampal memory function in older adults through video games, Clemenson GD et al.,Behave Brain Res, 2020

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32439346/


<目的>
3Dビデオゲーム
をプレイすることで、高齢者の認知機能が向上するかを検討する。

<方法>
対象
: 56人の高齢者(60-80歳)。このうち、5人の参加者が分析前に除外され、最終的に51人が研究に参加した。
ゲームの種類: 被験者を1.アングリーバード(Wii U)、2.スーパーマリオ3Dワールド(Wii U)、3.ソリティア(PC版)のいずれか1つのゲームをするようランダムに割り当てる。アングリーバードは2Dゲーム(平面的な映像)であり、スーパーマリオ3Dワールドは3Dゲーム(立体的映像)である。ソリティアはアクティブコントロール(対照群)として扱われた。
介入: 介入期間は8週間で、4週間のビデオゲームトレーニングが含まれる(図1)。被験者は30分/日(最大45分/日)ゲームを行った
評価: 海馬記憶を反映するニーモニック類似性課題(MST)†を4回実施。そのほか、2回の神経心理学的評価を行う。
統計: 比較は、反復測定による2元配置ANOVAを用いて行った。すべての統計解析にp<0.05の有意値を使用した。分布の正規性については、D'Agostino & Pearson 検定が用いられた。
†ニーモニック類似性課題(MST): 第1段階では、参加者は128枚の日常的な物体の写真(2秒間)を見せられ、それぞれの物体が屋内または屋外にあるか判定する。第2段階は、ターゲット(以前に見たもの)、ルアー(以前に見たものとよく似たもの)、ノベルフォイル(新しいもの)を見せ、それぞれ「古い」「似ている」「新しい」と回答させる(各条件64点、合計192試行、2秒間の継続時間)。

図1: 本研究のスケジュール

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